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番外編:割れた面の行方2

「ここだね」

閉店後、夕陽が傾きかけた頃。私と琥珀は、この街にあるとある祠の前に来ていた。

ここは、この花咲街を守る土地神ーー桜華オウカ様という神が祀られているらしい。

なぜ、私達がここにいるかといえば。例の破片に宿った記憶を読み取り、白い破片を時計店に運んでいたのが桜華様だということが分かったからだ。琥珀の見立て通り、なにか事情があって時計店に破片を持ち込んでいたようだ。

「桜華様。いらっしゃいますか?」

しゃがみこんで、祠に向かって声をかけると、淡い、蛍のような小さな光が私の目の前に浮かび上がった。次いで、優しげな、儚い声が聞こえてくる。

「来てくださったのですね」

「やはり、なにか私に話したいことがあって破片を時計店に運んだんですね?」

「その通りです……」

「お話をお聞かせください」

私が促さすと、桜華様は静かに語り出した。

「私はこの街を守護する土地神ですが、その力は、私が持つ仮面に宿されております」

「仮面?」

「はい……この祠につい先日まで祀ってあった聖なる仮面です」

「じゃあ、この破片はその仮面の破片?」

「はい……数日前、仮面の力を狙った悪しき妖が、仮面を盗もうとやってきたのです。私は必死に仮面を守ろうとしました。ですが、敵と対峙している際に誤って仮面を割ってしまったのです」

「その破片を拾い集めた訳か」

琥珀が私の肩に乗りながら、口を開いた。

「はい。ですが、全てを取り戻すことはできず、破片のいくつかは盗まれてしまいました」

「破片であっても、聖なる力が宿る破片。力を蓄えることができるからな」

「左様でございます」

「話はなんとなく分かりました」

いいながら、私は立ち上がる。

「残りの破片を、取り戻せばいいんですね?」

「私の願い、聞き届けていただけますか?」

その問いに、私は迷わず頷いた。

「この依頼、お引き受けいたします」

※次回更新は明日の予定です。

Copyright(C)2023-音愛

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