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番外編:割れた面の行方1

※番外編です。

とある日の休日。今日は時計店の定休日。私と琥珀はのんびりとした一日を過ごしていた。

幸い、今日は魔術師関連の依頼も入っていない。実に平和な時間を過ごしていた。

特にすることもなく、大好きな甘い物を食し、時には琥珀を撫でながら読書をして。そうして、ゆったりと時間は流れていった。

しかし、その平和な時間はあっという間に崩れ去った。

 異変に気づいたのはその日の夕方。祖母が買い忘れたという食材ーー卵を買いに行くため、外に出ようとした時だった。店の扉の前に、白い、小さな破片が落ちていた。

「なにこれ?」

拾って注意深く見てみても、それがなにかは分からない。

「ただのゴミだろ。早く行くぞ。夕飯の時間が遅れる」

「またそういうこという……」

私の肩に飛び乗った琥珀が、興味なさげに呟く。早く、早くと急かすので、私はその破片を上着のポケットに入れてスーパーへと向かった。

 翌日。破片のことなどすっかり忘れていた私は、時計店の開店前に入口を掃除するため、扉を開けた。そして、思わず動きを止める。そこには、昨日見た白い破片と同じものが落ちていた。

大きさは昨日拾ったものと同じくらいの大きさで、やはり、なにかが割れて散り散りになった欠片のようだ。

「どうした?」

私がしゃがみこんだまま動かないことを不思議に思ったのだろう。店内で開店準備を進める祖父母に聞こえないように、実に小さな声で琥珀が問うてきた。

私が黙って琥珀に破片を見せると、琥珀は呆れたように溜息を吐き出した。

「仕方ない。付き合ってやろう」

「いいの?」

「止めたところで調べるだろう」

「どう思う?」

「破片からは邪悪な気配はしない。厄介事ではなさそうだが、ここに破片を置いたことになにかしらの意図を感じる」

「やっぱり、妖か」

白い破片からは、かすかだが、妖の気配がする。

「閉店後に調べて見よう」

私は拾った破片を、作業着であるエプロンのポケットにしまい込んだ。

※次回更新は明日の予定です。

Copyright(C)2023-音愛

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