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第六話:相対する時1

※更新が遅くなりました。続きです。

「おい。秋葉アキハ。元気を出せ」

森の中で、小さな白い兎の姿をした妖が隣にいた同じく兎の姿をした妖の肩を優しく叩く。こちらの妖は毛色が茶色。なぜだかその妖は表情がとても暗かった。

「妹さんの病気はきっと良くなる」

秋葉と呼ばれた茶色い兎の妖は、友人からの慰めの言葉に弱々しく頷いた。

すると、その時。どこからともなく濃い霧が周辺一帯を覆っていく。瞬く間に視界は白い霧でいっぱいになった。

「やっぱり来てくれると思ったわ」

陰から一部始終を見守っていた私は琥珀と未玖さん、真琴さんと一緒に兎の妖達の前に出た。

「これまでの事件と同様、同じようなシチュエーションを用意すれば必ず姿を現すと思ったわ。まぁ、これが罠だと気づいていてもあなたのような自信家は、逃げずにやって来ると思っていたけど」

私がそういえば、目の前の人物は黒いフードを外し、赤みがかった髪を晒すと、にやりと不敵な笑みを浮かべた。

「その妖共はお前達の手先の者だったか」

私が目の前の人物ーー赤羽と話している間にも真琴さんが背後にいた兎の妖達に合図をして、二人を逃がす。

そう。これは全て私達の作戦だった。


「敵自らに出てきてもらう?」

琥珀の問いに私は頷く。

「うん。有力な手がかりを得ることが難しいなら、向こうから出てきてもらえばいい。赤羽が食いつきそうな話を用意すればいいんだよ」

そこまで聞いて、私が言わんとしていることを理解したらしい真琴さんが、続く言葉を引き継いだ。

「なるほど。これまでの事件と同じような、奴が食いつきそうな「ネタ」を目の前にぶら下げてやればいいって訳か」

「はい。そうすれば赤羽はその好奇心故に、姿を現すと思います」

「でも、罠だって警戒されないかしら?」

未玖さんの疑問はごもっともだ。だが、私にはこの作戦が上手くいく確信のようなものがあった。

「赤羽はこれまでいくつもの事件を起こし、それを成功させることで自信をつけています。赤羽がこの辺り一帯を私達御三家の魔術師が取り締まっていることを知らないとは思えません。その情報を手に入れていたからこそ、素性がばれないように用心していたんでしょうから。その中で私達御三家の魔術師を嘲笑うように犯行を続けてきた。そういう大胆で自信に満ち溢れている人間は、罠だと分かっていても食いついてくると思います。私達を欺く自信があるでしょうしそれもまた、彼にとっては一興でしょうから」

「なるほどね。一理あるわ。私からは異存はない」

未玖さんの視線が琥珀と真琴さんを捉える。二人は力強く頷いた。

「では、反撃返しと行きましょう」

※第二部、もう少し続きます。

最後までお付き合い頂けますと嬉しいです。

Copyright(C)2023-音愛

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