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里帰りをしたら実は魔術師の家系だったと知らされたので、今日から魔術師目指します  作者: 音愛
第二部 第一章:一難去ってまた一難。またまた事件です。
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第一話:不穏な影1

※第二部の幕開けです。やや長めです。

「もうこれで何回目!?またなの!?」

「そう思っているのは私も同じだわ!」

その日。私と琥珀は森の中を全速力で駆け抜けていた。

いや、正確には琥珀が、か。

なぜかって?先程発生した緊急事態に対応するためである。

進むその先に待ち受ける事態を想像しながら、変化を解いた琥珀の背中にしがみつき、とにかく私は先へと急いだ。

 ついた先で目にしたのは想像通りの光景だった。

「御三家本部に助けを求めてきたのはあなた?」

近くにいた鼠のような姿をした妖に問いかける。

「そ、そうです!アオのやつ、急に怒りだして!」

視線を向けたその先には、血走った赤い目をした同じく鼠のような妖が立っていた。

吐く息は荒く、獰猛な唸り声を発している。明らかに正気の沙汰ではない。

「少し離れて」

依頼主の妖に声をかけ、後ろへと下がらせる。それと同時に私は黄金の剣を召喚する。

「琥珀」

「準備は整った」

ここ最近、似たような依頼を何度もこなしているせいか、はたまた以心伝心か。琥珀は皆まで言わずとも私の言わんとすることが分かったようだ。

琥珀は結界を張って依頼主を囲い、守る。

私はそれを見届けてから手に持った剣を持ち上げ、そして大きく振り下ろした。


「この度は本当にありがとうございました」

依頼を遂行した後、ことのあらましを聞かされたアオという妖は真っ青な顔で頭を下げた。その横で、彼の親友だというナルミという妖も深々と頭を下げている。

「いえ。私達は仕事をしただけですから」

「それより、一体なにが起きたのか説明しろ」

猫の姿に戻った琥珀がひょいと私の肩に飛び乗った。そして、二人をじっと見つめている。

「些細なことで喧嘩をしたのです」

細々と説明し始めてくれたナルミさんの話に私と琥珀は耳を傾ける。

「本当に、話すのも馬鹿馬鹿しくなるくらい、些細なことだったのです」

ナルミさんの話を引き継ぐようにアオさんも口を開く。

「喧嘩がだんだんヒートアップしてきて……気づいたら渡しは我を失い、暴走していたのです」

「その間の記憶はない?」

「はい……全く」

「我を失う前、なにか変わったことはありませんでしたか?」

「そういえば……霧が……」

「霧?」

「はい。我を失う寸前、この辺りに霧がかかったんです」

アオさんの言葉にナルミさんが「あぁ!」と頷く。

「確かに霧が出ていたな」

私は琥珀とちらりと目を合わせる。どうやら、琥珀の考えていることは私の考えていれことと同じようだ。

「なにはともあれ、なにごともなくて良かったです。もう喧嘩はやめて仲良くしてくださいね」

私がそういうと、二人はお互いの顔を見合わせる。そして、照れくさそうに笑い合った。


「十中八九、原因は霧だろうな」

遠ざかっていくナルミさんとアオさんの背中を見送りながら琥珀が私の肩の上で呟く。

「だろうね」

私がそう答えると琥珀は私の肩から降りて地面に軽やかに着地する。そのまま変化を解いて私を見下ろした。

「乗れ。調べに行くんだろう?」

どうやら、私の考えていることなどこの頼もしい相棒には全てお見通しのようだ。

「さっすが相棒!」

「やかましいわ。さっさと乗らないと置いて行くぞ」

※次回更新は明日の予定です。

Copyright(C)2023-音愛

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