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里帰りをしたら実は魔術師の家系だったと知らされたので、今日から魔術師目指します  作者: 音愛
第七章:魔術師としての新たな生活の始まりです。
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番外編:人と妖の宴会3

 挨拶もそこそこに宴はすぐ始まった。皆で盃を持って他愛ない話で盛り上がる。実に愉快で、楽しい一時だ。

「酒が強いっていうのは知ってたが、まさかここまでとは……」

私の隣で盃を持った真琴さんが空になった沢山の酒瓶を見て目を丸くする。

ーー全て私が空けたものである。

「千暁はザルだからなっ!」赤ら顔の琥珀が楽しそうにそういって「ガハハハ!千暁はかなりの酒豪だぞ!」これまた同じく赤ら顔のセンリュウさんが豪快に笑う。

まさか、引かれただろうか。真琴さんも私程ではないが、お酒は強い方だ。今も顔色一つ変えずにかなりの量を飲んでいる。しかし、好きな人の前で醜態を晒す訳にはいかないと、彼と飲む時は量をセーブしていた。

しかし、センリュウさんや皆と楽しく飲んでる内に気が緩んでしまったようだ。気づけば私の周囲には空になった沢山の酒瓶が転がっていた。

だが、ここにきて急に不安になってきた私はすぐ傍に座る真琴さんの着物の袖をくいっと引っ張った。

「き、嫌いになりましたか?」

どんな返答が返ってくるかドキドキしながら彼の瞳を見つめていると、真琴さんは少し目を見開いた後、はぁ~~っとあからさまな溜息をついた。

えっ!?まさか本当に引かれた!?

「お前そういうのどこで覚えてくる訳?」

「えっ、なんのこと……」

なんのことですか、と聞き返そうとした時。ガクンと身体が前のめりに傾いた。いつの間にか真琴さんが私の腕を掴んでいる。

そして、私の耳元に唇を寄せ、小さく囁いた。

「俺は相手がお前だから好きになったんだ。酒豪でもなんでも関係ない。心配しなくても俺はいつだって千暁が好きだよ」

彼の低い声が鼓膜に響く。私は咄嗟に耳を押さえて反論した。

「そういうのは反則ですっ!」

顔が熱くて仕方ない。全部真琴さんのせいだ。

当の本人はくつくつと肩を揺らしながら楽しそうに笑っている。その笑顔でさえ私を引きつきて離さないのだから彼は本当にずるい人だ。

もうっ、と悪態をつきながら私が座り直した時。

「なーにこそこそ話してるのかな~?お二人さんっ」

私達二人の肩に手を回して突撃してきた人影が一つ。未玖さんだ。

しかし、その顔は真っ赤に染まり、瞳もトロンとしている。

彼女がまとっているのは濃いお酒の香り。えっ。もしや、これは。

そんな未玖さんを見て、真琴さんは特に驚いた様子もなく溜息を吐き出した。そんなに溜息つくと幸せが逃げますよ。

「だから、言わんこっちゃない」

「どういうことですか?」

「未玖は酒は好きなんだが、さほど強くない。いつもはセーブしているようだが、こういう場ではついつい楽しい雰囲気に負けていつも飲み過ぎる」

「えっ」

見れば、未玖さんの周りにはいつの間に空けたのか、空の酒瓶がいくつも転がっている。

「じゃあ、もしかして……」

「あぁ。見事に酔っ払いと化した」

ダメじゃないですかそれ!!と叫ぼうとして、この話を二人に持ちかけた時の真琴さんの微妙な反応を思い出す。あの時、彼が危惧していたのはこのことだったらしい。

「心配しなくていい。しばらくすれば我に返る」

「それ一番恥ずかしいやつ!!」

ぎゃーぎゃーわいわいと騒ぎ立てながら。楽しいお酒の時間は瞬く間に過ぎていった。

※次回更新は明日の予定です。

Copyright(C)2023-音愛

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