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里帰りをしたら実は魔術師の家系だったと知らされたので、今日から魔術師目指します  作者: 音愛
第七章:魔術師としての新たな生活の始まりです。
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番外編:人と妖の宴会1

※引き続き番外編です。少し長めになります。

「花咲神社の飲み会?」

未玖さんと真琴さんの声が見事に重なる。

最早、定期的に集まることが定例と化したいつものカフェで私達三人は近況報告会という名のお茶会を開いていた。私が初めて依頼を受けた、あのカフェである。もちろん、すぐ横には猫のぬいぐるみーー琥珀もいる。

私達は定期的に集まっては、近況報告や他愛のない話をして一緒にまったりとした時間を過ごしている。忙しい魔術師生活を送る中でお互いに息抜きの時間にもなっていた。

「その……私がうっかり口を滑らせたといいますか……」

思わず肩を縮こませて話す私に未玖さんと真琴さんは不思議そうに首を傾げている。

なぜ唐突に飲み会の話になったのかというと。

ーーことの発端は三日前に花咲神社で開かれた飲み会での出来事だった。

 花咲神社といえば以前、ある依頼を通して知り合った鬼の妖ーーセンリュウさんが守護を務める神社である。

依頼で知り合ったことをきっかけに、お互いにお酒好きな私達はいい飲み仲間となった。彼は兄貴とも交流のあった妖で、かなりのお酒好きである。兄貴とも頻繁に飲み会を開いていたようで、私も琥珀も今や定期的に彼との飲み会を楽しんでいる。時には近くに住む妖達を交えて騒がしくも楽しい時を過ごしている。いわば、宴会のようなものだ。

その日も私は琥珀とセンリュウさんと楽しくお酒を飲んでいた。

お酒が進むにつれ、人間とはどうしても陽気になって浮かれてしまう生き物のようでーーいや、隣で真っ赤になりながら騒がしくお酒を飲む琥珀を見ると妖も同じかもしれないがーー私は盃を右手に持ちながらついつい未玖さんと真琴さんの話をしてしまった。

この街で可愛くてかっこいい、頼りがいのある優しい仲間に出会ったことを。

私があまりに楽しそうに話すものだから、センリュウさんは興味を持ったようだった。なんでも、兄貴は恥ずかしがり屋な一面があり、なかなか自分の身の上話は口に出さなかったとか。確かに、そういうところあったなぁ。

そんな訳で未玖さんと真琴さんに興味を持ったセンリュウさんは次の飲み会に二人を連れて来て欲しいと言い出した。

頼まれたらなかなか断ることができないのが私の悲しい性。

ーーそして冒頭のセリフに至るのである。

 私の唐突なお願いに、二人はしばらく目を丸くしていたが、やがて同時に呟いた。

「いい子過ぎるでしょ」

「いい子過ぎるだろ」

またもや見事に声が重なった二人を見ながら私は小首を傾げる。なんの話だろうか。

そんな私を見ながら未玖さんと真琴さんが小さく溜息をつく。

いや、なんで。

それとほぼ同時に琥珀の声が頭の中に響く。

「阿呆め」

いや、だからなんで。

「人間とは、賛辞を受けると嬉しいものなのだろう?」

あっ、そういうことか。私がセンリュウさんに未玖さんと真琴さんのことを素敵な人達だって話して聞かせたからか。

どうやら二人はそれについて喜んでくれているようだ。

続けて琥珀が皆に聞こえるようにテレパシーを飛ばす。

「諦めろ。こいつは自分のことには滅法鈍感だ。天然タラシといっても過言ではない」

天然タラシ!?私が!?

聞き捨てならないと、琥珀に反論しようとしたその時。

未玖さんが嬉々とした表情でいった。

「楽しそうだわ!私は構わないわよ!」

そういった未玖さんに真琴さんはなぜか冷ややかな視線を向けている。

「お前、大丈夫か?」

「大丈夫よ」

二人がなんの話をしているのかさっぱり分からないが、未玖さんの返事を聞いて真琴さんは嘆息し、そしてすぐに頷いた。

「俺も構わない。未玖が行くなら千暁に未玖を任せる訳にはいかないからな」

「どういう意味よそれ」

なぜだか突然睨み合う二人を見つつ、私は真琴に声をかけた。

「あの……本当にいいんですか?」

その一言で彼は私の心情を察してくれたらしい。もしや、真琴さんは無理をしているのではないかと、そう危惧したことを。

真琴さん柔らかく微笑みながら私の頭を撫でる。

「俺が行きたくて行くんだ。お前が気にするようなことはなにもない」

真琴さんの優しい気遣いに胸がじんわりと温かくなって、私はありがとうございますと、素直にそう呟いた。

※次回更新は明日の予定です。

Copyright(C)2023-音愛

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