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里帰りをしたら実は魔術師の家系だったと知らされたので、今日から魔術師目指します  作者: 音愛
第七章:魔術師としての新たな生活の始まりです。
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番外編:未玖と暁人1

※番外編その二です。未玖と暁人のお話です。

ーー私とは合わない。初めて会った時、真っ先に心の中で呟いた言葉はこれだった。

最初はどちらかといえば、嫌いとまではいかないまでも好きではない。そう思っていたはずだ。

甘ったれた魔術師。それが私、白河未玖が水無瀬暁人に抱いた最初の印象だった。

 私が水無瀬暁人という魔術師と出会ったのは今から二年前。つまりは、私が二十四歳、暁人が二十五歳の時だった。

その日はいつもと変わらない日常が過ぎ去っていくはずだった。ある噂を聞くまでは。

「水無瀬一族が復活した」その噂を聞いて、私は長年廃業していた水無瀬一族の長に就いたのは一体どんな人物なのかと興味本位で会いに行った。

「白河家当主?おー、よろしくな」

実際、会ってみるといい方は悪いが、彼は随分と能天気な人物だった。

挨拶をしても、どこかふわふわした軽口が返される。

おまけに魔術師として有能な人物かといえば、おそらくそうではない。

その第一印象からして私は彼のことをいけ好かない相手だと感じてしまったのだ。

 そんなある日のことだった。その日、私は森の中で見つけたとある場所に向かっていた。

どこかって?私専用のお昼寝スペースに決まっている。

最近、よく晴れた日に暖かな零れ日が差し込む絶好のお昼寝場所を見つけた。時間が空くとそこに行ってお昼寝をするのが日常と化していた。

 しかし、その日はその場所に、ある先客がいた。小さな女の子だ。女の子とはいっても、背中から生えた黒い羽は人間のものではない。おそらく、妖の類だ。

女の子は着物に下駄、という現代ではあまり見かけなくなった格好をして、なぜか泣いていた。

見れば、その左膝には擦りむいたような傷がある。

「どうしたの?」

声をかけると、女の子はびっくりしたように目を真ん丸にしてこちらを見つめてきた。

まさか、話しかけられるとは思っていなかったのだろう。

当然だ。普通の人間に妖は視えない。

「そこに座って」

太い木の根元に女の子を座らせた私は、その膝に、持っていた絆創膏を貼ってあげた。

「これでよし、と」

「お姉ちゃんは私が視えるの?」

「視えるよ。私、魔術師なの。あなたはここでなにをしていたの?」

「お兄ちゃんとはぐれたの……」

「お兄ちゃんがいるのね。はぐれた場所はどの辺り?」

そんな会話をしていると、森の奥の方から声が聞こえてきた。

「実ーー!!」

叫びながら走って来たのは、一人の男の子。女の子より少し背が高い。その背中には彼女と同じように黒い羽が生えている。着物に下駄、というスタイルも同じだ。

男の子の隣には、あまり会いたくない人物の姿もあった。

「あれ?白河?」

「なんであんたがいるのよ。水無瀬暁人」

「お前、意外に口悪いのな」

私達がそんな言い合いを繰り広げていると、女の子は男の子に勢いよく抱きついた。

「悠里お兄ちゃん!!」

悠里と呼ばれた男の子は、しっかりと妹ーー実を抱きしめる。

「勝手に走っていなくなったらダメだろ。良かった。無事で」

「ごめんなさい……」

「これからは一人で勝手に行動しないように」

「うんっ」

微笑ましいその様子を見ながら私は水無瀬暁人に話しかけた。

「で?なんであんたが烏天狗の男の子と一緒にいるのよ」

「森の中でたまたま会ったんだよ」

「だから、なんであんたがこんな森の中にいるのよ」

「説明そこまで必要!?」

俺のプライベートは!?とかなんとかいいつつ、水無瀬暁人はそれでも律儀に答えてくれた。

いけ好かないからついつい口調が悪くなってしまうが、当の本人は特に気にしていないらしい。

「たまたま昼寝しようと思って森に入ったら依頼を受けたんだよ」

「依頼?誰から?」

※次回更新は明日の予定です。

Copyright(C)2023-音愛

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