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里帰りをしたら実は魔術師の家系だったと知らされたので、今日から魔術師目指します  作者: 音愛
第七章:魔術師としての新たな生活の始まりです。
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番外編:琥珀の大冒険2

水無瀬時計店を出て、私は田んぼ道をひたすら歩く。この先にある登り坂を登ったところに目的地は存在する。

少々長い道のりだが、散歩がてらゆっくり向かうことにしよう。

歩きながら、ふと千暁と出会った時のことを思い出していた。

最初は暁人に呼ばれたのかと錯覚した。そんなことは有り得ないと誰よりもこの私がよく理解していたのに。

私を呼び出したのが暁人ではなく、妹の千暁だと分かった時は心底驚いた。彼女もまた、魔術の素質を持ち合わせる人物だった。

その時、初めて私は暁人からしつこいほどに聞かされていた「目に入れても痛くないほど超絶可愛い妹」と相見えたのである。

もうお分かりかと思うが、暁人は自他共に認める重度のシスコンだ。

 初めは成り行きだった。あとはほんの少しの気まぐれ。暁人の妹で、代々仕える水無瀬家の当主だから。そして、あわよくば退屈しのぎになる。仕える理由はただそれだけだった。私にとっての絶対的な主は兄の暁人だったからである。

今までに仕えた魔術師は何人かいたが、暁人とは一番波長が合ったように思う。なにより、彼の持つ柔らかな雰囲気や周囲の人々を惹きつけるその人柄、強い信念に惹かれていた。私は暁人のことをとても気に入っていたのである。

ーーいつからだろうか。それが覆えされたのは。

最初にこなした依頼の時からだろうか。

あの時、千暁は悲惨な現実を前にしても逃げることなくそれを受け止め、真摯に依頼に向き合った。その芯の強さはさすが暁人の妹といったところか。暁人もまた芯が強い、そして優しい人物だった。

その後も彼女と様々な依頼をこなした。魔術師としてはまだまだ未熟だが、彼女は一度足りとも弱音を吐かなかった。

そして、自分よりも他人のことを優先的に考える。優しいを通り越してかなりのお人好しだ。これも、兄譲りの遺伝だろう。

決定的だったのは、おそらく人と妖が住まう村に行った時のこと。彼女は全ての者を救うことを最後まで諦めなかった。そして、危険を省みず自らが囮となり、村を救った。その度胸には目を見張るものがあった。そして、千暁の言動一つひとつには信頼できるものがあると感じたのだ。彼女はいつだって、「誰かのために」を忘れない。

その頃から私は、千暁もまた暁人に次ぐ、私が誇るべき唯一の存在であると強く感じたのだ。

※次回更新は明日の予定です。

Copyright(C)2023-音愛

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