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里帰りをしたら実は魔術師の家系だったと知らされたので、今日から魔術師目指します  作者: 音愛
第七章:魔術師としての新たな生活の始まりです。
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番外編:琥珀の大冒険1

※二部に入る前に番外編挟みます。

琥珀目線のお話です。

 ーー夢を見た。懐かしい夢を。優しく明るい青年が主であったころの夢。夢の中で彼は朗らかに笑う。

「琥珀。もし、千暁と巡り会うようなことがあれば、その時はあの子を支えてやってくれ」

この時はまだ、そう遠くない未来にこの青年と別れる日がくることなど知る由もなかった。

なんの前触れもなく、ぱちり、と目が覚めて身体を起こすと私の主兼同居人の千暁は既に部屋にはいなかった。

寝起きでまだ頭がぼんやりとしている。のろのろと足を動かし、下の階に向かうと千暁は既に作業を始めていた。

師匠でもある祖父に助けられながら進めているのは、どうやら腕時計の修理のようだ。

ふと、彼女は私に気づくと、ふわりと笑って口を開いた。

「琥珀。おはよう。ご飯できてるよ」

それだけいうと彼女はまた視線を腕時計に戻す。真剣な眼差しで作業を再開した。

いわれた通り、店の奥にある作業部屋に向かうと入口横にあるペット用ランチョンマットの上にいつものようにご飯がセットされていた。

普段は千暁達もここで食事を取っている。

今日のメニューはご飯の上に目玉焼きとウインナーが乗った、いわゆるザ・朝食。

え?ペットフードじゃないのかって?

私は猫の姿をしているが中身は立派な妖。ペットフードなどという味気のないものは食さない主義なのだ。

 綺麗に朝食を食べ切ると、また眠気がやってきた。

ここ最近ずっと、お人好しが過ぎる主のせいで依頼をこなしまくっていたので、ちょっとくらい二度寝をしてもバチは当たらないだろう。

私は窓際に身を寄せ、暖かな陽の光を全身に浴びながら二度寝へと突入した。

 二度寝から目を覚ますと、とっくに昼を過ぎていた。

しまった。少し寝すぎたか。店内に向かうと、千暁は苦戦しているのか、難しい顔でまだ時計をいじっていた。

「これはお昼はまだ取れそうにないな……」

ぼやきのような声が小さく聞こえてくる。今回はよほど苦戦しているらしい。これでは私の昼食も用意されるのはまだ先だろう、と千暁の部屋へ戻った。

 依頼がなければ特にすることもないので、私は部屋にあった千暁のスカーフを引っ張り出し、そこに少しばかりの銭を包んだ。(千暁のへそくりだが)

どうにかこうにか、それを自分の首に結びつけ、窓を開けて出発する。

私は器用な妖だからな。これくらい余裕だ。

仕方ない。不甲斐ない主のために優秀な従者である私が一肌脱いでやろう。

やれやれ。全く世話の焼ける娘だ。

※次回更新は明日の予定です。

Copyright(C)2023-音愛

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