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里帰りをしたら実は魔術師の家系だったと知らされたので、今日から魔術師目指します  作者: 音愛
第七章:魔術師としての新たな生活の始まりです。
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第五十七話:その後とこれから4

本当は、大々的に告発せずとも、ギルドに報告するなり、同じ御三家の白河家を頼るなり、九条深琴の罪を問う方法は他にもあったのかもしれない。どうにも詰めが甘い考えだと思うが、それと同時になんとも正義感の強い兄貴らしい考えだとも思った。

もしかしたら、兄貴は命を狙われることを覚悟した上で行動に移したのかもしれない。だからこそ、私を守る最後の術式を懐中時計に施した。

琥珀のその話を聞いた時、胸に熱いものが込み上げてきて、私はそっと懐中時計を胸の前で抱きしめた。

お守りといっていたのはあながち間違いではなかったらしい。

最後まで深い愛情に守られていたことに、私は静かに涙したのだった。

今回の戦いにより、私の能力については、御三家の間にも知れ渡っている。故に、私が長になることに異論を唱える者はいなかった。

私に逆らったところで、勝ち目はないと理解しているから、という部分が大きいだろう。加えて九条家に関しては真琴さんのあの脅迫が効いている。しばらくは問題ないだろう。

まぁ、私が御三家の長になったからといって、突然なにかが大きく変わる訳ではないから、今までとさほど変わらない毎日を送っている。

けれど、真琴さん曰く「提示された条件通り、九条家の魔術師はむやみやたらな乱暴なやり方を止め、大人しくなった」とのこと。私を敵に回したくないという思いが強くあるのだろうが、理由はどうであれ、これはいい変化だ。乱れきった魔術師達の秩序を正すことに繋がる。一瞬の内になにかが大きく変わることはなくても、少しずつ、変化は訪れているのかもしれない。

この調子で一歩一歩、魔術師界の体制を立て直していきたいと思う。仲間達と手と手を取り合って。私は本当に、いい仲間達に恵まれたと、そう思う。

「ん~!!今日はいい天気だね!!」

休憩がてら、散歩に出た私は河原のそばに立って伸びをする。空は快晴で、どこまでも広がる青空が、とても眩しい。

「昼寝日和だな」

「琥珀はまたそういうこという。最近、依頼受けてないからってサボり癖ついてない?」

「阿呆。私はやる時はやる妖だ」

やる時はやる妖……面白い言い回しだな。間違ってはいないけども。

琥珀と一緒に他愛のない話をしていると、不意に背後から声が聞こえてきた。振り返ると、一人の妖が見えた。

「水無瀬千暁殿とお見受けする。突然ですまないが、頼みがある。あなた様に我らの土地を荒らす悪しき妖を止めて頂きたいのです」

その言葉を聞いた私は琥珀と視線を合わせ、互いに頷く。そして迷わずいった。

「その依頼、お引き受けいたします」

※第一部完結です。

番外編をいくつか挟み、第二部に入ります。

次回更新は明日の予定です。

Copyright(C)2023-音愛

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