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里帰りをしたら実は魔術師の家系だったと知らされたので、今日から魔術師目指します  作者: 音愛
第七章:魔術師としての新たな生活の始まりです。
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第五十四話:その後とこれから1

※やや長めです。

九条深琴との戦いを終えた私は、少しだけ魔術師の仕事を休み、時計師見習いとしての仕事に集中していた。

なにせ、ここ最近はずっと依頼に集中していたため、時計師として知識を得る機会が少なくなっていた。魔術師として経験を詰むことももちろん大事だが、時計師としての経験を詰むことも私にとっては大事な時間だ。なぜなら、兄貴の代わりに水無瀬時計店を継ぐことに決めたからである。幸い、個人的な依頼も入っていない。

今は祖父の指導のもと、慣れないながらも忙しない、けれど充実した毎日を送っている。

時計師としての仕事は難しいが、帰ってきたばかりの頃に比べれば多少はマシになったと思いたい。

  戦いを終え、既に十日ほど経っている。あの戦いの後、魔術師界がどうなったのかというと。

「無理無理無理無理無理ですっ!!」

「俺は、お前ならできると思う。いや、お前にしかできないだろう」

「私もそう思う」

九条深琴との戦いが終わって三日経った頃、時計店近くの河原で私は未玖さんと真琴さんと落ち合った。戦いの後始末を進めるためである。

その中で私は未玖さんと真琴さんからある提案を受けた。

それは、私が「御三家の長になること」だった。

「いや、無理ですよ!私まだ新参者ですよ!?」

「実力は確かだろ。それに、お前なら魔術師界に蔓延る悪い因習を浄化することができると思う」

「私もそう思うわ。私達もあなたを全力で支える。だから、あなたに率いて欲しい」

二人から真っ直ぐな視線を向けられ、私は思わず否定の言葉をすぐ出せずにいた。

助けを求めるようにそばにいた琥珀を見つめると、それに気づいたらしい相棒は、しっかりと私の目を見ていった。

「お前は私の唯一の主だ。私はお前がどんな道を選ぼうが、全力で支える。他でもない私の主だ。絶対にできる」

私にとっても唯一の相棒である琥珀の力強いその言葉が、背中を優しく押してくれたような気がした。

「分かりました。やってみます」

いつの間にか私は力強く頷いていた。

未玖さんと真琴さんの圧に圧された。それもあるが、理由は他にもある。

腐りきった魔術師界を立て直したい。それは二人だけの願いではなく、私の願いでもあったからだ。

ーーそれは、皆の願いであり、兄貴の願いでもあった。

そして、理由はまだある。今回の件において真琴さんの一族である九条家は当然ながら責任を追及される立場となった。

確かに九条家の責任は重いのかもしれない。けれど、これは真琴さん一人の責任ではないし、彼が一人で抱え込む問題でもない。その重荷を、一緒に背負っていきたい。そう思ったからだ。

現在九条家には、これまでのような卑劣なやり方は廃止すること、状況に応じて他の魔術師の一族と協力しながら依頼をこなすことを条件に私の監視下の元、行動してもらっている。彼らもまた、古き因習に囚われ続けた被害者。甘いと思われるかもしれないが、それ以上の罰は今は必要ないとそう思ったからだ。

もちろん、好き勝手できなくなったことで、それを不満に思っている者もいるだろう。しかし、その懸念を真琴さんに相談したところ、「それは問題ないと思うぞ。下手な真似して小バエなんかの羽虫にされないようにな♡いや、小バエならまだマシな方か♡っていったら皆、引き攣った顔をしてたから。魔術師としてのプライドが高いやつが多いしな」だそうだ。確かに、"人間であった事実"をなくし、"虫であった事実"を創り出せば、それは不可能なことではない。やらないにこしたことはないが。いや、その前に真琴さんってこんなキャラだっけ?まぁ、世が平和になるなら良しとするか。

※次回更新は明日の予定です。

Copyright(C)2023-音愛

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