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第三十一話:更なる依頼1

※第四章開幕です。

「あら。千暁ちゃん。最近は随分手馴れてきたわね。職人になれる日も近いんじゃないかしら」

そう笑う祖母に私は、まさか。と返す。

「やっとパーツの名前と役割を覚えたところだよ?まだまだ」

「当たり前だ。職人はそんなに甘いものじゃない。そう簡単になれるものじゃないわ」

すかさず飛んできた祖父の厳しい声に、私は苦笑いを漏らす。

「だが……筋は悪くない」

「ぷっ」

そう続いた言葉に思わず笑い声を漏らしてしまった。この祖父は相変わらずのツンデレである。

「ありがとう」

私は時計の修理を手伝いながら祖父母とゆったりとした時間を過ごしていた。こうして手伝いをしながら時計店で過ごすこの時間も、今ではすっかり私の日常と化していた。最近は魔術師として忙しく走り回っていたが、こういう穏やかな日々も悪くない。というより、穏やかな時間を過ごす日々の方が珍しいくらいで、こうした時間を過ごすことができるのは有難くもあった。

仕事が一段落した昼休み。私は再びギルドへ赴いていた。先日引き受けた依頼の報酬を受け取るためである。

「依頼を遂行して頂き、ありがとうございました」

私が依頼完遂認定証を差し出すと、エレナさんは勢いよく頭を下げた。

「あなたにお任せして本当に良かったです。完璧に依頼を遂行して下さいました」

「いえ。私一人の力ではないので」

「仲間の力を借りることは悪いことではありませんし、それもあなたの人徳です。あなただから、成し遂げられた依頼ですよ」

そこまでいわれるとちょっとむず痒い。

「報酬をお渡ししますね」

今回の依頼を完遂したことによって、エレナさんから渡された報酬は前回と同様、金貨と魔力だった。どちらも今回の方が少しだけ多いように思う。前回よりも依頼の難易度が高かったためだろう。

報酬を受け取ったところで、私はまた前回と同じようにエレナさんにこう聞いてみた。

「私が受けられそうな依頼はなにかありますか?」

そう問うと、エレナさんはまたもや柔らかな笑みを浮かべていった。

「もちろんです!」

※次回更新は明日になります。

Copyright(C)2023-音愛

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