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第十九話:ギルド訪問3

※前回からの続きです。

やや長めになります。

緑色の長い髪に、尖った耳。おそらくは妖の類いだろう。彼女はここの受付係かなにかだろうか。

「こんにちは」

「琥珀さんを連れているということは、あなたが水無瀬家の現当主ですね」

「琥珀、知り合い?」

「阿呆。ギルドへは暁人も依頼を受けるために出入りしていた。当然、私も一緒だ。知らない間柄な訳がない。阿呆め」

「確かに」

いわれてみれば、それもそうか。でも、阿呆って二回いったよね?解せぬ。

「私はエレナと申します。ここの支配人をしております」

女性がにっこりと笑みを浮かべる。

「あっ、水無瀬千暁です」

「お噂はかねがね」

「えっ。私そんなに噂になってるの?」

思わず琥珀に視線を向けると、なぜか溜息をつかれた。

いや、なんで。

「滅びたと思われた御三家の一族が復活したとあらば、興味を持たない術師はおらん」

そういうことか、と納得しながらも噂話のネタにされるのはあまり気分がいいものではない。

「あの、今日は依頼遂行の報告に」

「未玖様より、話は伺っております」

私がクロノさんから受け取った依頼完遂認定証を差し出すと、エレナと名乗る女性はそれを確認した後、カウンターの下からなにかを取り出した。

一つは金貨のようなものが数枚。依頼を遂行した対価ということだろう。もう一つは、なにやら金色に光るブレスレットだった。

「こちらは、現金報酬になります。ギルド内で魔術道具や一定量の魔力を購入することができます。どうぞ、お使い下さい」

「ありがとうございます」

いや、RPGか。そうつっこみそうになったが、軽く頭を下げてから金貨を受け取る。その金貨数枚を上着のポケットにしまってから続く話を黙って聞くことにした。

「そしてもう一つは、魔力の受け渡しです。こちらも依頼完遂時に報酬として受け取ることができます。右と左、どちらでも構わないので手首を出して頂けますか?」

なにが始まるのかいまいちよく分からないが、私はいわれた通りに右の手首を差し出した。琥珀がなにもいわずに見守っているということは問題ないのだろう。

エレナさんは慣れた手つきで私の右手首にブレスレットを巻き付ける。その瞬間。右手首を伝って電流が流れているかのように、なにやら熱いものが身体中を駆け巡る。

「!?」

思わず手を引っ込めそうになったが、宥めるような琥珀の声が聞こえてきた。

「大丈夫だ。落ち着け。手首につけている魔術道具を介してお前の体内に魔力を送り込んでいるだけだ」

なるほど。身体中を駆け巡るこの熱いなにかは魔力という訳か。

琥珀の声に落ち着きを取り戻した私は、そのまま数秒の間、魔力の受け渡しが終わるのをじっと待った。

※ギルド訪問編、もう少し続きます。

次回更新は明日になります。

Copyright(C)2023-音愛

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