第56話 絶望と妹の本気の追跡
作者は語りたいその56「部屋のドアの些細なこと」
ちょっとしたことですが、皆さんの部屋って廊下から自分の部屋に入るとき、ドアを押して入りますか?引いて入りますか?私は押して入るのですが、どちらのタイプが普通なんでしょうか?ちなみに全部押して入るわけではなく、一部引いて入るものもあります。
俺は一瞬で恐怖と絶望状態になった。
さっきまでの楽しい余韻に浸る時間が、たった1問間違えただけで消滅してしまう。なんて恐ろしいゲームなんだ!
俺は正直このゲームをなめていた。いや正確には途中からなめ始めていた。
確かに最初は突然死の恐怖に怯えて生活していかないといけない……という今までにない環境だったし、クイズも難しいのがたくさん出る、と思っていたから常に恐怖の状態が続いていた。
しかし、いざクイズが始まるとかなり簡単で、たまに小学生でも解けるレベルの問題がでた。
次々とクイズに正解していくにつれ、徐々に恐怖などの感情は消えていき、気づけば普通の生活を送るのと大差ない状態にまでなった。
だが日が経つにつれて、クイズの難易度が上がっていき、そして今回ついに初めて間違えてしまった。今思えば、このゲームが始まった時点で、何らかの方法でもっと勉強しておけば良かったんだ。俺はとても後悔した。
……あと2問連続で間違えたら死ぬ。その事実を突然叩きつけられ、俺は自然と体が震え始めていた。風呂もさっきまでは気持ちよかったが、今は何も感じなくなっていた。
「シャワー……」
ふと溢れる独り言、その言葉通り俺はすぐにシャワーを浴びて、本来風呂に入っている時間の半分ほどで出て、自分の部屋に戻ることにした。
「お兄ちゃん」
瑛子が俺に話しかけてきた。
「今日は風呂からあがるの結構速いね」
「……!あっ、ああ……もう入っても大丈夫だぞ」
「あれ?お兄ちゃん元気ないね。どうしたの?」
「……!」
まずい!俺の顔を見て状況を察されてしまったのか!
「いや何もないよ。今日も風呂気持ちよかったぞ」
そう言って俺はすぐに自分の部屋に戻った。
「ちょっと……お兄ちゃん何かあったんでしょ」
俺の後をついてきた。これだから勘のいい女は……。
俺は駆け足で自分の部屋に戻ることにした。
「待って!」
瑛子も早足で俺のことを追ってくる!
だが奇跡的に、俺は部屋に戻ることに成功した!
部屋に戻った後、すぐに鍵をかけた。
コンコン
「お兄ちゃん、絶対何かあったんでしょ。私はわかっているからね」
コンコンコン
俺が部屋に戻った後、瑛子はしつこくノックを繰り返す。
ガチャガチャ
ついにはドアを力づくで開けようとしていた。
だがこの鍵は力づくで開けられるタイプではない。どんなに強く引っ張っても絶対に開かない。
「私は絶対に諦めないよ。ここで待っているから」
「くそっ……」
瑛子のことだ、マジでずっとそこにいるだろう。
これじゃあトイレにも行くことができない。
ガチャガチャ
「あーもうわかった!話せばいいんだろう」
俺は少々キレ気味にそう言った。
「わかってくれて嬉しいよ。さあドアを開けて!」
ガチャガチャ
俺はドアを開けた。
作者からの小話その56「風呂に入る時のマナー」
主人公は風呂に入った後、シャワーを浴びて出たといいましたが、本来これはマナー違反です。基本的に先にシャワーを浴びたほうがいいです。汚い体液を風呂に染み込ませてしまいますので…、しかも主人公の後に妹が入っているわけですから、妹はちょっと気持ち悪い思いをさせてしまっているかもしれません。




