第18話 謎の女の正体
作者は語りたいその18「一般的な兄弟関係」
現実では兄弟の仲ってかなりいい場合が多いのでしょうか?私はそういった知識があまりないので、どういった関係が多いのかわからないんです。普通の家庭は瑛子みたいに、兄が隠し事をしていると分かった場合は、執拗以上に迫ったりするのでしょうか?
「彼女はね……順子ちゃんだよ」
「……!!」
この子が「一林 順子」!?
彼女は瑛子の友達だ。瑛子の一番の友達。親友といった感じだ。
たまに家に遊びに来ることがあるが、まさか彼女だったとは!?
そういうと、順子は自身のフードを脱ぎ、サングラスとマスクを外した。
すると見慣れた服が見える。間違いない!彼女は順子だ!
彼女はずっと下を向いていたから、気づかなかった。
「友達を使うなんてあまりにも卑怯だ!」
「仕方ないでしょ。お兄ちゃんが全然お話してくれないんだもん!」
「お前な……」
こいつの発想はなんて恐ろしい……! 俺の隠し事をばらすためだけに、親友まで使って俺の隠し事を暴くなんて……。こんなの他の家庭でもあり得ることなのか?それとも俺の妹である瑛子がおかしいだけか?
俺は少々驚きのあまり言葉をうまく口から吐き出せないでいた。このままではまずいと、深呼吸をする。
彼女たちにこのままペースを持っていかれるのはまずいと思う。
そしてようやく落ち着き、瑛子に質問をする。
「そもそも、どうやって親友に俺の羽交い締めを依頼したんだ?」
すると瑛子はにやりと笑って…。少し前のお話をし始めた。
30分前……。
「瑛子ちゃーん!遊びに来たよー!」
「いらっしゃい!さあ入って入って」
私は順子ちゃんを家に招き入れた。
「それで瑛子ちゃん。やって欲しいことって何?」
「……お兄ちゃんを拘束してほしいの」
「……!」
「それって本気なの……?」
「うん。実はお兄ちゃんずっと隠し事をしていてね。全然私にお話してくれないの。どうしてもお兄ちゃんが隠していることが気になってて……」
私は順子ちゃんに事情を説明した。
順子ちゃんは私の頼みをすんなりと受け入れ、協力してくれることになった。さすが親友だ。
「でもなんで隠し事なんてしてるんだろうねー?」
「いつもお兄ちゃんの隠し事は些細なことが多いんだけど、今回は違うような気がするの。なんかいつもより暗い感じだし、あまり笑わなくてね……」
「きっと何か大きな問題を抱えているのかもしれないね。剛士君も何か言えない事情があるのかもしれないけど、もしかしたら私達で解決できるような問題かもしれないね」
「もし私達で解決できるようなことだったら、何とか最後まで解決を手伝ってほしいわ」
「大丈夫だよ!私はいつでも瑛子ちゃんと剛士君の味方だから!」
その言葉と同時に見せる笑顔。私はその笑顔を見て、私もなんだか安心してきた。やはり話すだけで楽になるっていうのは本当なのかしら?
現在……。
「そういうことがあったのか」
「そうだよ。フードとかサングラスとかマスクは、順子ちゃんが持ってきてくれたんだ!」
「剛士さん。突然怖い思いをさせてすみませんでした」
俺は少し安心した。謎の女の正体は順子だったのだ。知らない人じゃなくて安心した……。
だが、俺は同時に少し怒りを抱き始める。
いくら親友だからといって、隠し事を暴きたいからと言って、親友まで使った瑛子が許せない!
それに順子もだ。彼女の頼みとはいえ、何でもかんでも引き受けるのはおかしい!なにせ俺の行動を強引に!一時的に制限するんだからな。
そして俺は、再び瑛子達に話し始めた。
作者からの小話その18「フードでの身隠しについて」
それにしても剛士は全然、順子の存在に気づきませんでしたね。まあ最初の羽交い締めのときには気づけないと思いますが、3人が椅子に座った時、順子は下を向いていたので、瑛子が正体をあかすまで剛士は気づきませんでした。人間いつもと格好が違うと、いつも見ている人間を把握できなくなるのでしょうか?




