大根役者と名演技
もうしばらく連投しまーす。
ゴブリンに護衛されながらクラスタ王国近くまでようやくたどり着いた。
ゴブリンの4番が帰ってきたが周りの仲間からは特に情報はなかったようでカシーラは協力出来なかった事を残念がっていた。
「何もわからないって事がわかったから今はそれだけで十分。まー落ち込むな」
「いやー、お力になりたかったのですが。すみませんっ!」
「それなら、最後にちょっとした仕事を頼みたいんだけどいーか?」
「もちろんっ!魔王様のお役に立てるのならなんでもいたしますっ!それで何をすれば?」
「それなら、役者になってくれ」
「えーっ。やくしゃとは???」
カシーラ含め、ゴブリン全員とミュゼ、ファウスを集めて詳しい事を説明する。
ゴブリン達は不思議そうに首を傾げたが取り敢えず理解はしてくれたよーだった。
相談を終え、クラスタ王国を囲む壁までたどり着き、後は入り口の門を探すだけという時だった。
「こんなとこらにまで魔物が現れるとはっ!」
「君たちっ!大丈夫かっ!?」
壁沿いを進んでいると数名の人間がこちらを発見し槍を突き出しゴブリン達を牽制した。
「人間がいる方向に向かえば入り口が見つかると思ったけど、まー結果オーライだな」
オーリスはそう呟く。
「それでは、皆さん予定通りに」
オーリスの言葉を合図にゴブリン達は人間に背を向けオーリス達を威嚇した。
「ひめさま。おきをつけください。ごぶりんごときこのわたしがたおしてみせます」
「きゃー。こわいは。わたしはくらすたおうこくのひめ。ごぶりんたちにおそわれています」
「おい、マジかよ・・・」
オーリスとミャゼが大根役者っぷりを発揮し、ファウスは呆れた。
「オーリス。もう少しマシな演技できないのか!?さすがにこれは酷過ぎるぞ・・・」
ファウスは焦った。
「ひめ?・・・っ!!もしやっ!その方は!!」
「急いで応援を読んでこいっ!姫さまっ!今、お助けしますっ!」
「こっちも、マジかよ・・・」
人間は騙された。
オーリス達のこの演技に。
ゴブリン達は握っていた棍棒を振り上げミュゼを狙った。
その攻撃を受け止めオーリスがゴブリンを押し返し、ゴブリンをミュゼから遠ざける。
「くそっ!姫様に何てことをっ!」
「応援はまだかっ!早く応援をよべー!」
「もうすぐだっ!もうすぐ仲間が到着する。それまで持ちこたえるんだっ!」
「そこの方っ!どうか姫様を、姫様をどうか守ってくれっ!」
人間が仲間を引き連れてくるまでの間・・・。
「さーこい。ひめさまはおれたちがまもる」
「なんてこころづよいの」
「ギャオギャオ」
「ギャオギャオ」
「ギャオギャオ」
「ギャオギャオ」
「ギャオギャオ」
「ギャオギャオ」
ゴブリン達が一斉に攻撃をする。
その攻撃は見事な連携だった。
一朝一夕は出来ないであろう阿吽の呼吸とでもいえるほど、正確に相手の動きに合わせて合図なしでもゴブリン全員が適切な距離と次への対応に備えての動きができていることをオーリスは感心した。
あるゴブリンはオーリスの頭部を狙い、それを防ぐ瞬間に左足と背後を狙い2匹が同時に飛びつく。
3匹がオーリスの行動を制限したことを確認して、わき腹と右膝を狙って他の2匹がさらに棍棒を振り下ろし追い打ちをかける。
そして、その行動と同時にミュゼも襲われた。
同時に行動を起こしたのは相手に一瞬の隙を見せるためなのか、それとも相手を傷つけ逃げられることを阻止する目的があったのかは聞いてみないとわからないが容赦ない攻撃に、なぜかオーリスは嬉しささえ感じていた。
この攻撃が決まっていたら普通の人間達であればあっさりと倒されていただろう。
そして、目の前で大切な相手が無残な姿になっていたかもしれないが今回の相手は魔族の頂点に立つ魔王とその側近。
そんな攻撃は蝶が飛ぶよりも遅く、振り下ろされた棍棒の痛みは鼠の吐息程度にしか感じない。
さすがに実力差がありすぎる。
向こうのゴブリンごときに苦戦している人間達とは全く違った。
そのことを当然ゴブリン達も理解したうえで必死に本気で攻撃をしていた。
別にオーリス達を傷つけようとか、ましてや殺そうともしたいとも思ってはいなかったがオーリスが必死に本気で、手加減なしで攻撃して来いと命令したからだ。
ミュゼに襲い掛かったゴブリンも簡単に黒騎士と白騎士が首根っこを捕まえられ優しく放り投げられていた。
オーリスへの攻撃も簡単に弾かれてゴブリン達は尻もちをつき実力差を感じた。
戦闘本能に火が付いたゴブリンの攻撃は激しくなっていった。
しかし、海へ火のついたマッチを投げ入れるほどの一瞬の速さでその火は消えた。
「台詞はともかく、演技はまぁまぁだな。はいっ!そこのゴブリンっ!もっと腰を入れて攻撃してっ!そこっ!何休んでんだっ!ガンガン攻めろっ!もっと命懸けで攻撃しないと勝機は見えないぞっ!!」
周りから外れてゴブリン達に指示を出していた。
「あいつは何をしているんだよ・・・・まぁー。ちょうど終わりだからいいか」
そうこうしていると人間が仲間を引き連れこちらに救助に向かって来るのが見えた。
「助けに来たぞっ!」
「ゴブリンを排除しろっ!」
人間達を圧倒していたゴブリンでもさすがにあの数の人間が助けに入ったら全員無事に逃げられる保証もなくなるのでオーリスは再び合図を出した。
「私が姫を守るっ!」
そう言って剣を抜いて軽く振りぬいた。
その勢いで剣のむっこう側にあった木々は切断され広範囲で森が軽く消えた。
「あっ。やり過ぎた」
「それではまた何かありましたらお声掛け下さいっ!」
それが合図となりゴブリン達は動きを止め、カシーラと共に一礼して森の中に逃げて行った。
「律儀だな・・・魔族なのに」
ゴブリンと戦っていた人間にかすり傷を程度はあったが誰も大した怪我もなくゴブリン達を撃退する演技を成功させた。
「そこのかた。姫様を助けていただきありがとうございましたっ!」
「お気になさらず」
「姫様っ!おぉー姫様。ご無事で何よりです。爺は・・。爺は・・」
「ただいま・・・爺・・心配かけてごめんなさい・・・」
1人の人間が泣いてミュゼを手を握っていた。
ミュゼも目に涙を浮かべていた。
「姫様・・。こちらの方々は?」
「こちらのオーリス様達が私を助けて、ここまで送ってくれたのよ」
「そーでしたかっ!本当にありがとうございましたっ!本当は秘密なんですけど、姫様が失踪してからあらゆる場所を、魔族側の土地まで出兵させて捜索してみたのですが突然現れた魔王や側近らしき相手に襲われそれ以上捜索できず、手がかりさえ全く見つけることができずミュゼ様の父、ジョルジュ王も落胆していたのです。本当にありがとうございますっ!ぜひ国王に報告と面会をしてもらいたいっ!」
「いや・・・俺たちはクラスタ王国にしばらくの間、滞在する許可さえもらえたらそれでいいから」
「いえいえいえいえ。姫様の恩人。しいては次期女王であるミュゼ様を助けたということはこの国を助けたも同然っ!国王も喜んでくれますし、その恩に報いなければクラスタ王国に住むす我々全ての恥となりましょうっ!お仲間の方々も是非っ!さっさっ!!」
「あっ美人っています?」
「もちろん!クラスタ王国は別名美女の街と呼ばれていますから
泣いていた爺が突然元気になり、そしてオーリスの背中を押し無理やり国王のもとに連れて行った。
ねむい中で誤字脱字の検査すてます。
嘘つきな猫です。
ちょっとカシーラ後で登場させる場面でもつくろうかなー笑
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