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『AGISS -対神機関-』  作者: 羽吹南瓜
HX争奪戦編
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第54話 『覚醒する世界』

――オランダ・ロッテルダム市街

「怪異反応多数!!」

「北区画、市民避難中!」

「通常部隊は防衛線を維持してください!」

とオランダ支部の無線が飛び交う。

空では、ヴァルグレイヴとBEASTが激しくぶつかり合う。

地上もまた戦場になっていた。

空間が裂け黒い霧が侵食する。

その中から異形の怪異たちが姿を現す。

「グァァァァ!!」

「来たぞ!!」

オランダ支部隊員がライフルを構える。

「第一小隊、発砲!!」

ダダダダダダダ!!

一斉射撃。

怪異の群れが押し返される。

しかし数が多い。

「突破される!」

その瞬間。

「神域結界・展開。」

八重が静かに札を放ち、淡い蒼色の結界が街路を覆う。

怪異たちは結界にぶつかり、前へ進めない。

「今です!」

「撃てぇぇ!!」

オランダ支部隊員と日本支部戦闘員が一斉に射撃。

結界越しに弾丸が怪異へ降り注ぐ。

鳴海は大型機関銃を肩へ担ぐ。

「こっから先は通さへんで!!」

ドガガガガガガ!!

轟音とともに怪異が次々と吹き飛ぶ。

「隊長!右からも来ます!」

若い隊員が叫ぶ。

「任せろ。」

レオンが前へ出て腰の剣を抜く。

「――Condemnation。」

一閃。

銀色の軌跡が走り怪異がまとめて倒れる。

「す、すごい……。」

オランダ支部の隊員が息を呑む。

「見惚れるな。」

レオンは剣を構え直した。

「次が来る。」

その頃。

羽吹は戦場全体を見渡していた。

「……まずいな。」

本を開くと白紙のページ。

ペンが現れさらさら、と文字を書く。

『崩壊した道路を修復』

世界が震えた。

砕けた道路が元へ戻る。

避難していた市民が驚く。

「道が……!」

「今のうちに逃げたほうがいいよ、死にたくないならね」

と羽吹がつぶやくと

「避難誘導!」

オランダ支部隊員たちが一斉に動き出した。

「ありがとうございます!」

「がんばれ〜」

羽吹は軽く手を振る。

その時だった。

「羽吹さん!」

カズキだった。

数十体の怪異に囲まれている。

「数が多い!」

「わかった」

羽吹がペンを走らせる。

『紅黒炎、出力15%上昇』

カズキの炎が一気に燃え上がる。

「これなら!」

炎の剣が赤黒く輝く。

「紅黒炎・焔牙斬!」

炎が弧を描く。

怪異たちが一気に吹き飛ばされた。

「ありがとうございます!」

「あと5分くらいしか強化できないからね」

「十分です!」

一方、その頃空では

ガギィィィィン!!

ヴァルグレイヴとBEAST。

激しい鍔迫り合い。

「楽しいね!」

リアは笑うと

「全然楽しくない!」

と透真が押し返す。

BEASTの拳が迫り間一髪で避ける。

「っ!」

速い。

リアが笑う。

「ほらほら!終焉因子ってその程度!?」

「言わせるか!」

剣を振るう。

しかしBEASTが受け止める。

『解析完了』

『ヴァルグレイヴ近接戦闘』

『模倣開始』

「まずい!」

その瞬間セラフィムが空から降下した。

「透真さん!」

「エル!」

「このままでは学習され続けます!」

「分かってる!」

二人は視線を交わす。

「一度だけ。」

エルが言う。

「連携しませんか?」

俺は笑った。

「ようやくその気になったか。」

「勘違いしないでください。」

「目的が一致しただけです。」

「十分だ。」

黒い終焉のHXと白い天使のHX

二機のHXが並ぶ。

その姿を見下ろしながら雲の上ではANGEL PRIMEが静かに呟いた。

『観測記録更新。』

『ヴァルグレイヴとセラフィム。』

『戦闘連携を確認。』

『興味深い。』

その光輪が、ゆっくりと輝きを増していく。

次回予告


透真とエル、初めての本格連携!


対するBEASTは戦闘データを学習し、さらなる進化を遂げようとしていた。

次回 第七話『終天共闘』

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