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『AGISS -対神機関-』  作者: 羽吹南瓜
HX争奪戦編
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58/60

第四話『獣は天使を喰らう』

HX争奪戦。

その言葉が頭から離れない。

「HXは全部貰うよ!」

突如現れたリア・ハンターという名の少女は楽しそうに笑っていた。

まるでゲームでも始めるように。

「じゃあ行くよ!」

次の瞬間BEASTが消えた。

「なっ!?」

速い。

ヴァルグレイヴでも追いきれない。

ドォォォォン!!

セラフィムへ激突。

エルが吹き飛ぶ。

「エル!」

セラフィムの翼が展開し、空中で体勢を立て直す。

『分析完了。BEAST。近接特化。』

『危険度高。』

「分かってます!」

とエルが叫ぶ。

だがリアは笑っていた

「遅い遅い!」

BEASTの背中の装甲が開く。

金色の粒子が溢れ出す

「高速軌道形態!?」

「ごめん透真…もうついていけへん…」

と隣で鳴海が目を回している。

「知らない!」

リア。

「知らんのかい!」

鳴海。

その時、セラフィムが空へ飛ぶ。

六枚の翼。

白い光。

そして。

無数の光弾。

ドドドドドドド!!

天使が降らす光弾の雨。

街を傷つけないような精密射撃。

しかし。

BEASTが突っ込む。

避けない。

弾を受けながら進む。

装甲が砕ける。

それでも止まらない。

「嘘だろ。」

レオンですら驚いていた。

『BEAST。』

『損傷を進化へ変換。』

セラフィムが告げる。

「進化?」

『受けた攻撃を学習。』

『適応する。』

静寂。

「最悪じゃん。」

羽吹が呟く。

「最悪だな。」

俺も同意だった。

つまり。

戦えば戦うほど強くなる。

その時。

リアが突然真面目な顔になる。

「透真本当に知らないんだね。」

「何を?」

リアは少し驚いていた。

「HXのルール。」

空気が変わる。

「ルール?」

「うん。」

BEASTが振り向く。

「HXはね、互いを吸収できる。」

全員。

「は?」

「勝ったHXは負けたHXの能力を継承できるってこと!」

沈黙。

エルが目を見開く。

「そんな……HX同士のバトルロワイヤルなんてこと…」

リア。

「だから争奪戦。」

「だからみんな集める。」

「だから戦う。」

背筋が寒くなった。

もし。

ヴァルグレイヴが負ければ。

終焉因子が奪われる。

そしてその力を悪人に利用されたら…と考えるとゾッとする。

その時、リアが笑う。

「私は悪人じゃないよ。」

「でも。」

BEASTの瞳が赤く光る。

「集めなきゃいけないんだ。」

その時だった。

『警告。』

ヴァルグレイヴが喋る。

『新規反応確認。』

「なんだ?」

『高位HX接近。』

全員が空を見る。

雲の上に何かいる。

白い巨大な影。

神々しいがどこか不気味。

セラフィムが凍り付いた。

『現れたか…観測者・ANGEL PRIME。』

静寂。

誰も言葉を失う。

遥か上空。

雲の向こう。

巨大な光輪がゆっくり回転していた。

そして。

誰かの声が響く。

『観測を開始します。』

『HX適合者諸君。』

『争いなさい。』

『進化しなさい。』

『そして。』

『最も強いHXを証明しなさい、勝ち残ったものには何でも望むものを与えましょう。』

空気が凍った。

HX争奪戦。

それは偶然始まった戦いじゃない。

誰かが、仕組んでいた。

次回予告


BEAST/リアとの決着。

そして現れる「観測者」ANGEL PRIMEの影。

HX争奪戦を裏で操る存在とは何なのか。

さらにリアが語る、HX文明に伝わる"最後の一機"の伝説。

次回――


第五話『観測者』

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