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さみだれは晴れ  作者: 冴木甲士
中一 二学期
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98/100

098. 体育館で開催とはいかなかったのか

 昼食の時間となり、蓮真は食事の後学校の近くに出ているかき氷の屋台へ向かった。屋台には生徒だけでなくその親や弟、妹と見られる年少の子供まで行列を作り、屋台でシャリシャリと砕かれる氷とシロップを待っている。

 蓮真のその行列に並び、出されたかき氷を持って屋台を離れたところで馴染みのある顔を見かけた。

「おや」

「あ」

 深言と玲だった。二人ともかき氷をストローで作られたスプーンで掬いながら談笑していたようである。

「おお、奇遇だな」

「奇遇というか、いつも顔を合わせてますけどね」

 蓮真はかき氷を一口入れた。冷たさと甘さがこの炎天下で身に()みる。

「アンタはどの組が勝つと思う?」

「さあな。今どこも得点が拮抗してるから何とも言えん」

「やっぱり。ウチらも同じ考えだよ」

「一応赤組がトップにはなってますけど、いつ逆転されてもおかしくないですね」

「それにしてもアッツ……かき氷無かったら熱中症なってたかも」

「ホント、こんな日に元気に走り回れる人達って凄いと思う」

 二人の少女は残り少なくなり水混じりになったかき氷をスプーンで口に運んだ。

「でも私達も最後はリレーで走らないとね」

「あー……やりたくない」

 体育祭の最後の競技は全員参加の学年対抗リレーである。

「まあ、やるのは今日だけと思って」

「でも二、三年もリレーやるからウチら後二回も控えてるんだよ」

「……それはとりあえず考えないようにしよ」

 二人ともどこか遠い目をしながら溶けたかき氷を飲んだ。ストローで作られたスプーンをそのままストローの要領で使い、容器の水を隅々まですすっていた。

「じゃ、私達はこれで」

「アンタも頑張ってね」

「おう、またな」

 深言と玲がその場を離れていくのを見送りながら、蓮真はかき氷を楽しんでいた。


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