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さみだれは晴れ  作者: 冴木甲士
中一 二学期
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96/100

096. 時速70キロ出せるってネットで見た

 蓮真が暇潰しに校内を巡っていたところ、見覚えのある先輩を見かけた。

「こんにちは、志田先輩」

「お、後輩君」

 朋美は立ち止まって片手を腰に当てた。顔は日焼けしており、夏休みの間もいつも走り込みをしていたことを想像させる。

「もう少しで体育祭だね。楽しみにしてる?」

「自分はあまり。先輩は楽しそうですね」

「ふふ、まあね」

「やっぱり短距離走とかリレーで活躍するんですか」

「どうだろ。去年は一応短距離で一位取ったけど」

「先輩ならダチョウ相手でも負けないと思います」

「ダチョウと比べられるのは生まれて初めてかな……」

 いや速いんだろうけどね、と言葉を続けたところで朋美は手を腰から顎の近くへ上げた。

「ところで君って何組だったっけ」

「? 一年二組です」

「ってことは白か。私は赤だから敵同士だね」

「ああ、体育祭ではそうなりますね」

「正直君が味方だとよかったんだけどねー」

「あれ、どうしてですか」

「君手強そうだし、得点稼いでくれるかなって」

「それなら自分こそ先輩が味方の方がありがたかったですね」

「……っそうかな」

「ええ、先輩こそ走りで点を取りそうですし」

「ふふ、まあ残念だけどお互い頑張ろうよ」

 気乗りはしないのだが、蓮真は先輩の手前「はい」と返事しておいた。


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