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084. 自分の顔に何か付いているのか
蓮真と洋子はシアターにて映画を観ていた。何でも国民的に人気なアニメの映画で軽く十年以上シリーズが続いているとのことだが蓮真はあまり詳しくない。
だが、先ほどの洋子の説明の甲斐あり、観ていくにつれ少しずつその映画に関心を持っていった。時間が経つのを忘れる感覚で見入っていた。
そのとき、不意に誰かから見られている気がした。何だろうと思い視線を巡らせると洋子が蓮真の方を見ているのに気付いた。洋子の頭はスクリーンではなく隣に座る蓮真の方に向いており、その表情にはどこか呆けているように見えた。
「あ、ご、ごめん」
蓮真が洋子の視線に気付くや洋子は小声でそう言って、すぐさま視線を正面のスクリーンに向き直った。映画の方は時間や展開を考えるにそろそろ終盤に入るところだった。




