076. 二人は馬が合うかもと思った
「それで、話とは一体何でしょう」
「いや、そんなかしこまったもんじゃないよ」
蓮真が膝を突き合わせてそこに両手をつく。いかにも目上の人に対して真面目に話を聞こうとする構えだ。
「ほら、最近何かあったのかとかそんな話だよ」
「ああ、なるほど」
「最初に君と会ったときは未確認生物とか探してたけど、今でもやってんの?」
「ん、言われてみると最近はやってないですね」
「へー、何か新しい趣味でも見つけた?」
「新しい、てわけでもないですがアートを少々」
「え、何それスゴくない?」
「そんな大したものは作ってないですが」
「例えばどんなの?」
「木彫りの猫とかペーパークラフトの宮殿とかですね」
「素人が作れるレベルなのそれって」
朋美が顔を拭っていたタオルを腿の上に置く。
「それにしても君の作ったアートか、ちょっと見てみたいね」
「はぁ」
「それって自宅に飾ってるの?」
「宮殿の方はそうですが、猫の方は人にあげました」
「へえ、ひょっとして彼女へのプレゼントとか?」
朋美の声がいつぞやの愛花の如くニヤついている。
「いや、同級生に自分の作業を手伝ってくれたお礼として」
「あら、そうなんだ……それって男子?」
「女子ですね」
「ふーん」
朋美が顎に手を当てて少しの間沈黙する。やや冷えた風が蓮真と朋美のいる場所へ吹いていった後、朋美が提案した。
「その子さ、機会があったら紹介してくれない?」
「え」
「私もその子に興味あってさ」
「はあ、では機会があれば」
蓮真としては愛花に興味が湧く理由がよくわからないが、先輩の言うことでもあるのでとりあえず了承した。




