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さみだれは晴れ  作者: 冴木甲士
中一 夏休み
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67/100

067. 300打ぐらい挑戦したけどダメでした

 青蘭中学校より1キロメートル程離れたところに流谷市総合運動公園という大きな公園がある。近衛筝(このえそう)という少女は夜が更けると時々ここに訪れていた。

 この辺りの夜は人気も無く、廃墟のような静けさを味わえる。遊具がまばらに置かれた林の中は虫や鳥の鳴き声が聞こえるばかりでそこを独りで進むのはスリリングだった。自分の心臓の鳴る音だけがやたらと響く気分だった。

 ある日暫く林を進んでいると白い物が林の奥に見えた。いつもならそこには特に目立ったもの等無く、興味本位で注目するとどうも白い服を来た人の影のように見える。

 筝は鳥肌を立てた。すぐさま引き返して通報しようかと思ったが、一方で白服が一体何をしているのか見てみたいという好奇心が芽生えた。自分でもびっくりする感情だったが、こんな機会を逃したら二度と同じイベントがやって来ないかもと思ってしまい、白服にもっと近づいた。夜出歩くときの防犯用にスタンガンやブザーを持って歩いていたのも変に筝を後押ししてしまったのかもしれない。

 白服はやや前屈みに両手で杖のような物を掴みそれを地面に向けている。筝は白服のやることに全く見当が付かずにいたが白服まで後数歩という所まで接近したときに白服の行為が認識できた。

 正確に言えばやってることは認識できたがやってる理由は理解できなかった。

 白服はゲートボールらしき行為をしていた。林の中にある坂に転がり落とすようにスティックでボールを打っている。坂の(ふもと)を見るとゲートが置かれており、ボールはそこを目指して転がっていっている。ちなみに白服の服装は白い着物であり、下の方が土で汚れているように見える。

 筝はある意味怖くなり、そのまま話しかけずにこそこそ退散した。白服の方は筝のことに気付いていないのか全く目もくれずゲートの方を見据えていた。


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