16. 神々の事情と陰謀(神々の怒り 特別編)後編
神々編 後編です。
怠け者の見習い神様 エクレシアは新米にもかかわらず
新世界クラウディアの神に任命されてしまう。120年ほどはまともに運用で来ていたが
神様ナビゲーターを3台とも壊してしまいわずか10年ほどで神竟滅亡の一歩手前の状態にってしまう。
文明が滅びるくらいなら何とかなるが、人類まで滅びてしまったら手の施しようがなくなる。
エクレシアはそれでもまだ、なんとかごまかせないかとあれこれ悩んでいた。
と、その時、異世界転移エネルギーを検知する。
「ん!ずいぶん莫大なエネルギーを使ったと思ったら、これは珍しい、召喚された勇者が元の世界へ、異世界人を同行したまま二人連れで飛んだんすね。これ、ほぼ100%の確率でもう一度異世界転移するっすね!」
ここでエクレシアは普段仕事しないのに、なぜかとても勤勉に状況を分析し始めた。
「ふむ、この勇者さんすごいっすね。こんだけ強ければクラウディアに連れてきたら、今いる脅威を全部滅することができそうっす。」
そして、「そうだ、転移先をエネルギーの大きい人だけこちらに向けてしまえば、違うところに転移しても事故だと思われて文句は言えないはず。異世界から来た人物が転移しちゃうと、『返せ』って絶対クレームが来るから、こっちは間違いなく元の世界に転移させるように設定してっと…」
無能な神様なのに、妙に小細工だけは神がかっているエクレシア。「よし、帝国の宰相ガイアに神託を授けて、召喚の儀をさせて、そこにとばすっすよ」
そして、転移エネルギーを検知すると同時に細工を発動させて、勇者の転移先をクラウディアの召喚先へと流し込み、転移先を変更することに成功する。
その後予想通り、勇者が世界の脅威を殲滅してくれたのだが。
「うーん、異世界ゲインへの転移を希望しているっす!要望には応えてあげたいけど、脅威がなくなったばかりで、リソースが枯渇していて、そんなエネルギー捻出できないっす。やっぱ3年くらい待ってもらうしか……待てよ?勇者さんの持ってるスキル一つ犠牲にすれば、転移するエネルギーには十分、いやいっそのこと全部のスキルもらっちゃえば、クラウディアの復興も問題なくできるっすよ!まあ、無理だとは思うけど、神託出すだけ出してみるっすか?」
☆エクレシアは勇者に勇者になって得た全てのスキルを差し出すよう信託をだそうとした、そのとき、絶えて全く音沙汰が無かった、上級神から、「名前を捧げるよう 信託をせよ!」
と指示が飛んできた。
見ると信託の内容が、 スキルと名前に変わっている?
「いや、いくらなんでも、名前はやりすぎっすよ!
何考えてんすか?」
「もはや、この方法しか、ないのだ許せ」
「しかも、名前は一度召し上げると、特殊条件を達成できないと、本人に返せないっすよね!」
わかっとる、必ずかえすから、我慢させるのだ!
無茶苦茶である。
しかし、勇者は二つ返事で了承し、あっという間に名前を差し出し、スキル全部を奉納して、異世界ゲインへ勇者は転移してしまった。
「いや、思い切りのいい勇者っすね、これで問題なく、復旧に取り掛かれるっす!」
しかし、そうは問屋が卸さなかった。
3日もたたずに、ゲインの女神が殴り込みに来たのである。
勝手に別の異世界に自分の勇者を召喚されたことで、ゲインの女神は怒っていた。女神の名はプリキュア。一級神より上の特級神だが、担当世界を増やさず、ゲインだけを見ている特殊な神様だ。そして、勇者に起こった出来事を調べると、あろうことか、ゲインに勇者を送る代償としてすべてのスキルを求め、さらに異世界クラウディアに現れて、魔王こそ討伐していないものの、蔓延していた魔物、鬼族、龍神、ヴァンパイアといった世界の脅威をすべて退治させておいて、報酬を一切与えずに、逆に能力を取りあげている。
「いったい何事か!」大激怒である!
異世界クラウディアにプリキュアは顕現すると、エクレシア神を締め上げ! 「勇者のスキル全部よこせ!それから、勇者の活躍にふさわしい報酬がないのはどういうわけだ!ああ?きっちり説明してもらうぞ!」と、阿修羅も真っ青なカチコミである。
「このアホ神!てめーの返答によっちゃ、この世界、消滅させるからな!わかってんだろな!おい!」
完全に「お仕事ヤクザ」の人である。
そもそも、神様の格が全然違う。特級神と見習い神?象とアリより格差がひどい!
震え上がったエクレシアはすべてを正直に白状し、ブチ切れたプリキュアにあわや、クラウディアごと吹き飛ばされそうになるが…。
プリキュア「チッチッチ、ここを吹き飛ばしても勇者のために得るものもない。おい、お前!」
エクレシア「はい!」
プリキュア「お前、勇者の守護神、やれ!」
エクレシア「は?」
プリキュア「そうだな、期間は、勇者の血筋が絶えるまでだ。一人に限り、守護神として見守り、あらゆる不幸から守り、幸運と成功を、まあ、目立たない程度に与えてやれ。」
エクレシア「え、えー?無理っす。私、この世界の神ですよ。個人の神様やってる暇なんかないっす!」
プリキュア「ああ!見習い風情が偉そうに、まともに主神が務まらずに人類滅ぼしかけた馬鹿が寝ぼけたこと言ってんじゃねー!お前のやったことはお前の師匠にも伝えて、責任取らせる!その代わり、この世界はまともにするのに相当手間暇かけないと難しいから、俺が代わりに当分の間見てやるぜ。せいぜい俺様に感謝するんだな!返事は!」
じろりとプリキュアに睨まれて、エクレシア「わかりましたっす。」とうなだれて返事した。
しかし、エクレシアはここで諦めなかった。
「ちょっと待つっす!今すぐ守護神として張り付くのは無理っす!勇者さんの行動パターンや加護の範囲をまとめた引き継ぎ書を作る猶予をくださいっす!それができたら、すぐにでも勇者さんの守護神になりますっすから!」
プリキュアは、その必死な懇願に少し呆れながらも、「チッ、仕方ねえな」と渋々承諾した。こうしてエクレシアは、勇者が事業活動を始めるまでの数年間、引きこもって準備をすることに成功する。
そして、勇者が「異世界通販サイト」のオーナーとして活動を始めてからは、エクレシアが守護神として常に勇者に張り付くことになった。勇者がその気になればスキルをすべて習得できるように、プリキュアがこっそり才能をセットし(実は、過去に使えたからといって修練だけでスキルが身につくわけではない)、エクレシアはやることなすこと絶対に失敗させないように、幸運と成功をそっと与え続けた。
もちろん、勇者はその事実を自覚していない。
彼の人生が、神々の思惑によって再び動き出したことを、知る由もなかった。
お読みいただきましてありがとうございます。
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