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第三話 ギルドマスターの悩み


レイスのレイちゃんを吸収した翌日。

俺はギルドに向かった。そして、掲示板で依頼を確認する。

薬草採集は昨日頑張り過ぎたから、

今日は、討伐依頼をやりたいな。

E級までは受けれるはずだから。

受けられるのは、ゴブリン洞窟の討伐か。

ダンジョンで生まれたゴブリンが溢れて地上に出てこない様に

討伐するのが目的。

俺は依頼を受けた。


でも、クローン活動できるの深夜だけだからな。

夜まで何しよう。


え?ゴブリンくらい自分で行けって?

そんな危険なことできるわけないでしょ。

だってこの世界にはチートやろ…。このくだり何回目だっけ?


と言うことで、一旦帰るか。

そうだ、配達だったら、ローブにお面で夜に配ればばれないんじゃないかな。

とりあえず、3つくらい受けておこう。


と、そうだった、昨日の薬草はどうなってたかな?

錬金ギルドと商人ギルドと話まとまったかな。


「シェロルさん、そういえば薬草の件ってどうなりました?」


「それが…。」


話によると、相場の半額以下で買い叩こうとしているみたい。

他国に売ろうにも販売ルートは錬金、商人が独占してるから、

すぐに売り先を見つけるのは難しいと。


つまり、売り先が自分たちしかないということを知ってて、

こっちの足元を見てるってわけ。


「そうですか。じゃあ、売るのやめます。」


「そうですね…。え!?」


また言葉を失って固まっておりますよ、美人さん。


おっと、思わぬところで、その顔頂きました。


「話を続けていいですか?驚き顔の美人さん。」


みるみる赤くなっていく。耳まで赤くなっていく。いいですなぁ。


「し、失礼しました…。でも売らないとなると処分するんですか?」


「いえいえ、ギルドマスターはいますか?」


「はい。それではご案内します」



ギルド長室、一人のマチョマッチョが、上腕二頭筋と語らっていた。


「…。ヒトシか。そこに座ってくれ。

 ここに来たということはシェロルから話は効いているな?

 あのくそ錬金ギルドが、足元見やがって。

 今思い出してもあのニヤケ顔ぶん殴ってやりたくなるぜ。

 大人だからやらないよ?大人だから…。」


ギルドマスターの額には青筋がひくひく脈打っていた。

そんなに?!


「ヒトシさえよければホントはギルドが口を挟む事じゃないんだが。

 こういう買い叩きの前例を作っちまうと次からまた味を占めて、

 同じことをしてきやがるからな。

 しかも、あの量だ。相当な金額が動くことは間違いない。

 半額で買いたたかれてもギルドにも相当な利益が入る。

 どうしたもんかと悩んでいたところだ。」


「あ、売るのやめますよ。」


「そうだろう、やっぱり売るのを、やめる!?」


あ、要らないですよ、美人さん以外の驚いて固まる顔なんて誰得ですから。


「はい、人の足元見て取引する人たちとなんて、取引しません。

 どうせ安く買いたたいて、いつもの値段で売るんでしょ?

 自分たちで独占して、自分たちの利益のことしか考えてない、

 そんな人たちを喜ばせてもしょうがないですからね。」


「とは言っても、売れなかったら薬草もただの草だぞ。」


「何とか自分で作れないかと思って考えてました。」


「お前、錬金術も出来るのか?」


「まだ試してないからわからないですけど。たぶん。」


「まさか、クローンか?」


流石ギルドのトップ、話が早い。


「ま、楽しみにしていてください。そして、相談なんですが…。」



俺はさっそく薬草を使った調合に挑戦した。クローンで、挑戦した。


調合と言えばやっぱりスライムだよね。なんかで読んだことある。主にラノベ。


スライムに調合、生成、複製。のスキル。どれくらい時間かかるか分からないから。

そのスライムを1000体。さらに、薬草も大量に収穫し。作業開始。


1時間後。


直径1メートル深さ30センチの桶に10000杯以上のポーションが出来上がった。

鑑定解析の結果。ハイポーションEX。となっていた。


出来ちゃったね。しかも予想よりも大量に。

次々と出てくるポーションにもうわんこそば状態だったよ。

ハイどんどん、だったよ。

ぐったりと疲れたけど、これで準備は整った。

さて、ギルドにて、販売開始ですよ。


ギルド正面に張り紙。


『ポーション、銅貨10枚現品限り!』


そりゃ売れますよ。飛ぶように。だって普通ポーションて言ったら銀貨3枚、つまり銅貨300枚の値段。それが10枚。投げ売り状態ですよ。


冒険者のみならず。行商から、一般の市民、医者までこぞっていらっしゃいました。


ウワサわたちまち広まり。


バン!


ギルドの扉を思い切り開け、長いあごひげをなでながら

ヒョロッとした爺さんが偉そうに現れた。


ダンテはいるか?


ギルドマスターを呼び捨てとは、こいつ誰だ?


「錬金ギルドマスター様。少々お待ちください。」


職員が対応し、ダンテさんを呼びに行った。


「おう、なんのようだ、俺は忙しいんだ。」


ダンテさんが髪をかきむしりながら階段を下りてくる。


「相変わらず、身なりのなってない男だ。

 なんでもポーションを銅貨10枚で売っているそうだな。

 仕入れ値より安く売るなど、何の嫌がらせだ?

 まあ、安く売ってもらえるのならありがたい。

 さ、ギルドにある全てのポーションを買おうじゃないか。

 ん、だれにでも売ってもらえるのだろう?」


嫌らしい爺さんだ。


「ああ、もちろんだ。おい、倉庫のヤツも持ってきてくれ。」



「ふふふぅ。いい買い物じゃった。後で商人どもに自慢してやろう。

 また仕入れたら買ってやるわい。

 それじゃ、の。」


勝ち誇って帰っていく錬金ギルドマスター。


「おい。シェロル。全部売れちまったな。」


錬金ギルドマスター、それを聞いて、ニヤッと醜悪な笑みを浮かべる。


「はい、好評なようなので、今の10倍、いえ100倍仕入れましょう。」


「へ?」


思わずどこからか変な声が漏れる。


「そうだな、これからも定期的に仕入れて、このギルドの名物にしよう。」


「そんなわけがあるか!この百倍の量のポーションなどありえん!

 悔しくて、出まかせを言いおって、潔く負けを認めろ!」


買い占めたはずが、全く動じないダンテさんを見て、

すごい剣幕で、迫る悪徳じいさん。


「そんなことはないぞ。なあ、ひとし。」


「はい、そんなこともあろうかと、

 荷馬車10台分のポーションを用意してきました。」


「ははは、これは準備がいいな。」


「ははは、ギルドマスターの仕事の速さにはかないませんよ」


俺たちは棒読みで互いを褒め合った。


錬金ギルドマスターぽかーんですよ。なんだか10歳は更けこんだみたい。


「ではまたのおこしを~」


錬金ギルドマスターをほっといてそれぞれの業務に戻る皆さん。

さてさて、俺もギルドにポーションを納品しなくちゃと。

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