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第十八話 買取停止

ペンレシア冒険者ギルド


「アイアンリザードの買取が出来ないってどういう事ですか?」


俺がロックリザードの巣の運営について相談しようとギルドを訪れると、シェロルさんに声を掛けられ、すぐギルド長室に通された。


そしてすぐさま、この話題である。


「すまないなヒトシ、俺の力不足だ。」


ギルドマスターのダンテさんはとても悔しそうな顔をしている。


「商人ギルドですか?」


「まあ、そういう事だ。

 商人は、建築ギルドと深い関わりがあるからな、

 商人ギルドに手を回された。

 建築ギルドから冒険者ギルドの建材は

 質が悪いから商人ギルドのみから仕入れる。

 と通達が来た。

 今、建築ギルドの長に面会の申請をしているが、

 おそらく会う気は無いだろう。」


「それじゃ、アーロンさん達の報酬は?!」


「それはとりあえず何とかした。

 商人の手が回る前に売った分と、

 残りは俺が買取った。」


よかった。ダンテさんがアーロンさん達の事情を知って気を利かせてくれたんだ。


「ありがとうございます。」


ダンテさんは俺の顔を見て表情を和らげると、再び険しい顔に戻り、


「だが、このままのペースで納入され続けると、

 ギルドとしてはストップをかけざるを得ない。

 何せ売り先がないんだからな。」


「ですね。困ったな。

 ロックリザードの巣の運営について

 今後のことをダンテさんに相談

 しようと思ってたんですけど。」


「それだ。話を聞くと、討伐は

 アイアンクロスのひとパーティで

 こなしていたそうじゃないか。」


「そうですよ、途中からブルーレインも

 加わりましたけど。」


「ヒトシ、何をした?

 ひとパーティで1000匹以上狩るなんて尋常じゃないぞ。」


「いや、俺は運搬と剥ぎ取りを少々。」


ジト目で見てくるダンテ。

俺なんかした?


「おまえ、あれを使ったな?」


ダンテさんは物をポケットに入れる仕草をする。


ギクリっ。

何の話ですかね。


「で、実際どうなんですか?

 そんな、買取できない程の傷ですか?」


話を逸らしてみる。


「まあいい。

 いや、そこまででは無いが、ほぼ100%と言っていいほど傷が付いてる。

 討伐の時に付いた傷とも思ったが、

 ちがうのか?」


「アイアンクロスはほぼ一撃で急所を突いています。

 俺も剥ぎ取りの時は傷の有無を確かめて、

 傷があれば修繕してます。」


「ではあの傷はなんだ?

 運送の御者がバンザ商会と結託して

 わざとやっているのか?」


「それは無いと思います。

 御者のおっちゃんはとても良くしてくれるし、

 もしそんなことして信用を失う方が

 痛手になると思いますけど。」


「確かに、では脅されていた?」


どうだろう、そんな素振りはなかったけど。


「とにかく今度会った時に、

 商会と何かあったかどうか、

 聞いてみますよ。」


「そうだな。」


「で、相談なんですけど。

 まさか買取不能になるとは思わなかったので、

 どうしようも無いかもしれないんですけど、

 ロックリザードの巣を自分なりに改装して、

 素材採集と剥ぎ取りと運搬の効率化を図って

 運営をしようと企んでいるんですけど。」


俺は、ロックリザードの巣の施設と運営のシステムの事をダンテさんに説明した。


「お前な。

 仮に人気のないダンジョンだとしても、

 一応所有は国だ。

 まあ、管理されていないから、

 出入りは自由だが。

 そこでヒトシは剥ぎ取り屋をやって

 儲けるつもりなんだな?」


「そんな感じです。」


まあ、どちらかと言うと、冒険者の為って言う方が大きいかも。

俺は暮らせるだけのお金があればいいしね。

毎日の宿代は必要だし。


「こちらとしては構わない、

 素材の収量が増えるのは

 ギルドにとってもありがたいことだ。

 それが元々利益の出なかった素材を

 利益が出るものに変えてくれたなら尚更だ。

 すぐに受付と話し合って区画予約の

 申請書、予約表を作ろう。

 まあ、買取の問題が解決したらだがな。」


さすがダンテさん。話が早い。


「こちらとしても出来るだけ早く何とかしたいが。

 こればかりは時間がかかるかもしれん。」


最悪別の売り先を1から探さなくちゃいけないかもだからね。とにかくお願いします。だ。


俺はロックリザードの巣に戻り、

ブルーレインにギルドでの買取停止の決定を伝える。


「そうか。

 で、アーロンたちは大丈夫だったんだろうか?」


ダンテさんが事情を汲んで善処したことを話すと、メンバーで頷きあって喜んでいた。


自分達の買取の心配より、アイアンクロスの心配を先にするなんて、一緒にいる期間は少なかったけどきっといい出会いだったんだらう。


で、レインはとりあえずアイアンリザードの狩りは一旦やめて、ロックだけを納める事にするようだ。


「いいんですか?

 ギルドでは買取できなくても、

 バンザでの買取はして貰えるんですよ?」


「どうせバンザの目的は、

 冒険者ギルドの買取を妨害して、

 それより安く買い叩くことだ。

 そのおかげでアーロン達は

 危うく報酬を貰い損ねるとこだ。

 ダンテさんの恩に報いるには、

 商人共に肩入れするような事はすべきでは無い。」


「わかりました。」


「ヒトシくんの収入も減ってしまうが、

 そういう事だ。理解してくれ。」


「大丈夫です、俺はロックリザードの収入だけで十分です。

 まあ、このまま黙ってるつもりもないですけど。」


「ヒッ…。」


ブルーレインのメンバーが一瞬凍りついた。


おっと、いかんいかん。


俺は口角を下げると、到着した荷馬車の方へと向かった。

久々の投稿です。


もう少し頑張ります。

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