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第十一話 油断大敵元通り

突然のアパートのプレゼントに女性陣は涙ぐんで喜んでくれていた。

男性陣もそれを見てほっとしたようで、さっそく部屋割りを決めていた。


イリさんとレイラさんが2階で、男性陣が1階になりそうだ。

ちなみに窓もついている。

ロックリザードのケイ素成分を抽出して透明なガラスを作った。

鑑定解析と、土魔法の合わせ技だ。


部屋割りが決まると、それぞれの部屋に荷物を運び入れ、

皆でおやすみなさいをした。


俺はまたダンジョンの奥に潜りますか。





3日目の朝。イリさんが俺を起こしに来て、朝食の焚火をみんなで囲む。

これが毎朝の当り前になりつつあった。


「ヒトシ。前から聞きたかったことがあるんだが…。」


アーロンさんが唐突に質問をしてきた。


「はい、なんでしょうか?」


「お前、俺らより強いだろう?」


「ふぇ?」


思わず変な声が出てしまった。

みんな気になっているのか、

それぞれに話をしながら聞き耳を立てているようだった。


「いや、別にいいんだ。

 ただ、どうしてこんな事してるのかが気になっただけだ。

 誰にだって秘密にしていたいことはあるしな。

 さて、皆飯は食べ終わったか?」


「おう。」


「はい。」


「よし、片づけをして、今日も始めるか。」


「「「おー!」」」


すいません。「ただの臆病者です。」だなんて、言えない…。




ロックリザードの洞窟内。

ポーションも使っていないのに昨日よりも断然動きがいい。

確実に昨日アイアンリザード狩りまくってレベル上がってる。

ロックリザードだったらイリさんも一撃で仕留められている。


「ヒトシ、先に行ってるぞ。」


くっ、屈辱!

もうこうなったら…、

あーん、ドザエもーん音痴魔王をやっつけてよ~!


こっそりとドザエもんを呼び出し

無限収納へロックリザードを放り込み剥ぎ取り小屋へと運搬する。


まだ昼前にも関わらず既にアイアンリザードを狩り始めている。

昨日よりも断然ハイペースだ。


ここでいよいよヒトシポーションの登場ですか。


「さて、今日もこれの出番だな。

 あまり飲み過ぎるなよ。

 恐らく相当貴重なものだ。

 大事に使わなくてはな。」


パーティは頷き合うと一滴ずつ、指に垂らしそれを舐めた。


「さて、今日はアイアンを狩り尽くすぜ!」


「「「「おぉー!」」」」


気合が入ってますなぁ。俺も頑張らないと。




はあー、やっとロックリザード運び終わったよ。

剥ぎ取り小屋も手狭になって来たな。

これは拡張しないと素材で溢れてしまう。

せめて倉庫があれば…。倉庫も作って繋げるか。


どんどんどん!


随分と乱暴なノックだな…。

硬いから手を痛めないように気を付けてね。


扉を開け外に出ると、


「なんだこの扉の固さは!?クソっ垂れ、こんな作業小屋なんか作りやがって!」


やっぱり思った通り、大丈夫?


護衛二人を連れた剥ぎ取り士が立っていた。


「お前の仕事は運搬だろ?!

 人の仕事にまで手を出しやがって、横取りする気か?」


「そっちにもちゃんと仕事回してるじゃないですか、

 そっちで処理し切れない分をこっちでやってるだけですよ。」


「そんなもん、こっちだってもっと出来るんだ。

 勝手に決められちゃ困るんだよ!」


「そうですね、すみません。」


「じゃあ俺のテントの前に運んどけ!わかったな、「運搬係」!」


それじゃ、今日取ってきた分のロックリザード半分持っていくか。


ロックリザードをテントまで運んできたけど、


「なんだ、まだ処理し切れてないのが100匹以上積み上がってるじゃないか。」


1日の収量の半分、500匹のロックリザードを積み上げる。


じゃ、よろしく。後でアイアンも半分あげるからね。


さて、これで剥ぎ取りは半分になったから、アイアンの回収に向かいますかね。




アイアンクロスのパーティは物凄い勢いで狩りをしていた。

女性陣が動きの緩慢なリザードを探して誘き寄せて

それを男性陣が急所を一突きして仕留め、まとめて縛りあげる。

その間に女性陣は次のリザードを連れてくる。

狩りのルーティーンが出来上がっていた。

どんどん効率が上がっているようだった。

勿論数が多いときはレイラさんもイリさんも戦闘に参加して倒している。

多少怪我をしてもすぐ回復するので、結構な無理がきくのも

狩りの加速に拍車をかけている。


だけど、そうなってくると「油断」が生じる。


「ぐっ…!

 左腕をやられた!」


倒すことに夢中になって

左からアイアンリザードが接近していることに気づくのが遅れた。

左腕はかろうじて皮1枚で繋がっていたが、

今回の依頼中に回復できるような怪我ではない。


「悪い、皆。油断しちまった。」


「みんな!負傷者が出た、守りながら撤退だ!ヒトシにも伝えろ!」


アーロンさんの号令が響く。


「とりあえず応急処置をします。」


イリさんの回復魔法だ。


「こういうのは最初の治療が大切ですからね。

 ヒトシさんのポーションもかけておけば、さらにいいかもしれません。」


「すまん、少しでいい。貴重なもんなんだろ?」


「今はそんなこと…。とにかく、使ってみましょう。」


薄青色の液体を断面に数滴たらす。

青白く光る傷口…。そして、あっという間に元通り。


「…。」

「…。」


「アーロンさん、くっつきました…。」


「…あ、ああ。」


「痛く、ねぇ。いや、それどころか完全に治ってる。」


グーパーをして異常がないか確かめる。


「ヒトシ、この液体は一体何なんだ…。

久々の投稿です。

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