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Face of the Surface  作者: 悟飯 粒
勇気の章
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63/364

結晶は輝くものだ

夜が明けて眩しい太陽が顔を出す。しかし、それを雲が覆いかぶさることにより日光を遮ってしまっている。


はぁはぁ………

疲れた体に鞭打って、目的地へと向かう。もう時間にして10時。試験終了時間までには余裕で着くな…………


残り2キロだ。ははっ、今回は一番乗りなんじゃないか?


ムキムキな男………エンタは誰よりも早く目的地へと向かっていた。彼は常日頃から臆病なため、敵に見つからないようにコソコソと移動するのが得意なのだ。それに、自分以外の人間の気配にも敏感で、危険なところはすべて遠回りすることができた。性格ゆえに誰よりもこの試験に適応していたのだ。


雲が出ているおかげで日光に当たらずに済むな………涼しくて歩くのも捗るな。


エンタは止まらずに歩いていく。


常日頃からトレーニングをしているおかげで運動能力も高い。知能も十分に高い。それなのに、いままで誰でも合格できるような勇検に合格できなかったのは…………


「ああ、でもどうしよう。この角を曲がった瞬間にモンスターに襲われなんかしたら………」


90度の曲がり角。行く先が見えないのだ。

ああ、いままでこんな曲がり角はなかったのに………ゴールが近づいてきて人口の建造物も多くなってきた。森も抜けてしまい姿を隠す場所もない。丘にある人が作ったスロープだからこうなるのも仕方ないか…………


俺は支給された剣を引き抜き、握りしめ、曲がった先が見えるように腕を伸ばし配置し確かめる。

はたから見られたら凄く馬鹿そうに見えるけれど………仕方ない、背に腹は変えられない。

……よし、モンスターはいないな。

剣をしまい角を曲がる。


……………このように、エンタは人よりも少しどころではなく、かなりビビリなのだ。

人よりも知能があるばっかりに色んなことを頭で考えてしまう。「ここを曲がったら敵がいるかもしれない。」「もしかしたらここの床がすっぽ抜けるかも」「剣が折れたりしない!?大丈夫!?」「あーー相手がもしかしたら第二類勇者かも」「隣の奴が魔王だったりして」

こんな、あまり起こりそうもないことを想像してしまう。………ただ、正直なことを言うと頭でっかちなのは問題ない。1番の問題は彼は[傷つくのが怖い]ということだ。その思いは誰よりも強い。それが、彼の頭でっかちと相まってビビリを助長しているのだ。


「よーーし!!一番乗りだ!」


エンタは丘を登り切り、頂上に到達する。

標高40メートルぐらいの少し高い丘。今回の試験は俺には簡単だったな………臆病だったから。


エンタはどさりとその場について、ここに向かってる途中にあった小川から汲んできた水に口をつける。


「おっ、今回はお前が1着か………まぁ、少し予想外だな」


先に来ていたグレン試験官が話しかけてくる。

亜花君はえーっと、狩虎が教えていた的に小さな矢を当てるスナイパー井上をして遊んでいた。思うように当たらなくて悔しがっている。


「実は俺………人より少し臆病でして、こういうコソコソと移動するのが得意なんですよ」


少しというかかなりだけど………もう、最初の頃みたく豪快に笑い飛ばすことができない。臆病だから仕方ないか…………


「…………そうか。そりゃ勇者には向いてないな。勇気を奮ってなんぼの役職だからな」


………試験官にまで言われるか…………


「ただ、ここに1着できた能力は褒めるべきだろうけどな。たとえお前の性格がこういうのに慣れているからって、性格だけでこの試験を突破することは不可能だ。一定以上の能力を備えていないと合格できない。1位になるのは尚更な」


…………褒められなれていないから、なんて反応すればいいのかわからんな。


「まっ、それでも次の最終試験はちとハードだから勇気がないとクリアはできないぞ。…………覚悟決めとけよ」


そういうとグレン試験官は亜花君の元へと向かっていった。


………やっぱり、試験官を勤める人間っていうのは、ある程度の分別と節操があるもんなんだな…………俺なんかの長所も見つけてくれる、人を見る目も持ってるし…………やっぱり、勇者ってすごいな。


そう思うと、エンタは空を見上げ、他の試験者が来るのを待った。


〜〜1時間半後〜〜


11時40分となり、この丘にも結構な人数が集まってきていた。

それでも、20人と満たない19人だ。鬼貫はいた。狩虎は………いなかった。

大丈夫だ。あいつは筧を倒してしまった男だ。こんな試験で落ちるわけがない。


「………ちっ、あの野郎。ギリギリになって駆け込んでくるつもりだな…………仕方ない、さっさと始めるか」


そう言うとグレンは試験者達がたむろしている所に向かった。


「これから最終試験を始める」


「え!?」


試験者達から驚きの声が漏れる。当然、俺からもだ。

まだ4次試験も終わってないぞ!?一体どういう意味で………いや、それ以前に狩虎がまだ来てない!


「なんでだよ!まだ4次試験の終了時間になってないだろ!今ここに向かっている試験者達はどうするつもりなんだ!」


そして、やはり他の試験者からもクレームが飛んでくる。それはそうだ、未だここに来ていない試験者の中には、ここに到着した試験者と同郷の人もいる。仲が良ければ一緒に合格したいと思うのも当然だからな


「あーーーそいつらは来てから順に試験を受けてもらうから。これから行う試験はここから離れることもないし、何より後から来た試験者の方が有利になる。何も彼らに悪いことはほとんどないからな」


そう言うと、グレンは亜花君の方を向く。


「亜花、この丘の入り口に行って、ここに来た試験者達に試験が始まっていることを伝えて欲しいんだが」


「うん!いいですよ!それじゃあ行ってきますね!」


そう言うと亜花君は丘を飛び降りて行ってしまった。


「…………さて、それじゃあ試験内容の説明と行くか」


そう言うとグレン試験官は大槌を出現させる

メシッ!と地面が凹む。


「これから俺と闘ってもらう。」


「……………はぁぁぁあああ!!!!???」


試験者全員で奇声をあげる。勿論、俺もだ。


「な、何言ってるんですか!貴方は第二類勇者ですよね!?そんなの相手に勝てるわけが!!」


「まっ、そりゃそうだ。だから俺はお前らにハンデをやる。」


そう言うとグレンは自身の四肢に重りをつける。


「早計1トンだ。これで俺の動きはゲキ遅で、威力もガタ落ち。どうよ、ちょうどいいハンデだと思わない?」


…………ひょいひょい腕を動かしてるように見えるのは俺だけか?


「俺に勝った奴らが今回のこの勇検合格だ。1人じゃなくて、沢山で一気にかかってきてくれて構わないぞ。それで俺に勝てたら全員合格だからな」


大槌を地面に置き、こちらをじーっと見てくるグレン試験官。

けれど、誰1人として挑もうとする者はいない。そりゃそうだ。ここで1番に行く人間なんてよっぽどのバカか実力者だけだからな。


「…………仕方ない、僕達が行こうか」


試験者の中から鬼貫が前に出る。そして、それに伴って10人ほどの試験者が前に出る。

…………やっぱり、実力者は前に出るものなのか…………


「おお、おお。いいねぇ。第二類勇者の肩書きにも物怖じないその態度、気に入ったねぇ」


「それはそうですよ。こんなにハンデを貰って、こんなチャンス滅多にないじゃないですか」


そう言うと鬼貫は剣を引き抜く。

剣は透明の輝きを放ち、鬼貫の側面を照らす。

それに合わせて周りの10人も剣を引き抜き色とりどりの色を発する


「第二類勇者を倒すチャンスなんてね!!」


鬼貫を合わせて10人が一斉に走り出す!


なんて自信だ!あの第二類勇者を前にして物怖じないなんて!でも、確かにあの鬼貫なら倒せるかもしれない!だってあいつは筧と同じぐらい天才なんだから!


7人の剣から魔力を凝縮させたエネルギー弾が飛んでいき、1人が結界を展開する!

この結界は相手の魔力だけを無効にする結界か!これでグレン試験官の魔力を封じるんだな!

そして、鬼貫を合わせて3人が3方向から攻撃する!

鬼貫の魔力は高速の攻撃を畳み込む[神速]!これならもしかしたら本当に勝ててしまうんじゃ!!!


ドドドドドォォオォオんんん!!!!!

巨大な爆発が発生する!!!

うおっ、すっごい爆風だ!目を開けてられない!!でも、これほどの威力なら…………


ズザァァア!!!!

俺の横側に何かが高速で滑ってきた。


「…………んーーーーもうちょっとひねりが欲しかったかなーー。11人で囲むっていうのはいいアイデアなんだけど、馬鹿正直に正面から来られたら俺だって対処しなくちゃいけなくなるじゃないの」


俺の横に滑り込んできたものを目視すると………鬼貫だ。腕が変な方向に曲がっている!なんだ、え!?まさか…………


爆煙が晴れ、そこに現れたのは服がほんの少しだけボロボロになったグレン試験官だった。

あの強い鬼貫と一緒に突っ込んだ他の2人も吹き飛ばされてピクリとも動かない。あの大槌が直撃したのだろう。


「………さて、それじゃあ他の8人もさっさと不合格にしますか」


重りがあるせいでゆっくりと歩いて試験者へと向かうグレン。

ゆっくりだけれど、半端じゃない威圧感を感じる。なんだこれ、歩く破壊兵器?目の前に巨大な化け物がいるみたいな気分に晒される。絶対に、こんな奴を、相手にしたくない!


メシッ!!

試験者が1人吹き飛ばされて丘から落下していく!


「さぁて、残り7人だぁ」


「う、うわぁぁぁあああ!!!!」


7人の試験者は一箇所に集まり、エネルギーを集合させ巨大なエネルギー弾を作り出す。そして、それをグレンに向かって放つ!


「………ちっ、だから言ってんだろ」


それをグレンは右手で軽く弾いてしまった。


「真正面から攻撃すんなってよ!!」


ボゴボゴボゴボゴ!!!

グレン試験官が大槌を地面に振り下ろすと、そこから丘が割れ、7人の試験者が落下していく!


「お前ら本当学習能力がないな!俺を倒す為には真正面からじゃなくて隙をついて真後ろから剣を突き刺すしか方法がないだろ!!考えろよ!!」


そう言うとグレン試験官は大槌を拾い上げ、こちらへとゆっくりと歩いてくる。


「さぁて、今度はどいつが相手だ?今俺の攻略方法を教えたよな?倒し方教えたんだからさっさと攻撃して来いよ」


ズシン!

一歩の音がよく耳に響く。時が揺れてるんじゃないかってぐらい、彼の一歩の迫力が凄まじい。

圧倒的脅威だ。こんなものに、なんで立ち向かわなきゃいけないんだ!


ズシン!!

さらに一歩俺達に近づいてくる

勝てるわけがない!あの鬼貫の11人がかりでも勝てなかったんだ!俺みたいな出来損ないとかが集まったたったの8人で勝てるわけが!!


「エンタ………さっき俺は言ったよな?[次の試験はちとハードだから勇気がないとクリアできないぞ。覚悟を決めとけよ]ってな………どうした、お前の覚悟はそんなものか?」


くっそ!!こんなのの一体どこが、ちとハードなんだよ!!こんなのベリーハードだろ!!

クリア出来る奴なんているわけがない!!!


俺は逃げようとして後ろへと下がろうとするが…………足がすくんで動かない。足が震えることしか出来ない。膝が、プルプル震えてしまって…………何も、動けない!!


「どうした?逃げることもできないのか?」


ズシンン!!

グレン試験官が俺を攻撃範囲内に捉えた!


「このままじゃお前………また、不合格になるぞ?」


ブン!!!

振り下ろされた大槌!!

くそっ、死ぬ………!!!


「いよっしゃああああ!!!登頂成功だぜ!!なんだよこの丘!!なんで垂直なんだよ!!クライミングを求めるとか…………おかしいはこの丘!山じゃないんだからもうちょっと登る人を気遣ってほしいね!!」


ピタッ

グレン試験官の大槌が止まる。


「大体よーーなんで丘なんだよ!!平地でいいじゃん平地で!!わざわざこんな小高い所に登ってクライマックス感出す必要なくない!?………皆さん、どう思いますか!?」


丘をゼイゼイ言いながら登ってきた狩虎は俺達に答えを求める。

………知らないが!?


「…………あれ?何この状況。イマイチ俺にはわかないんだけ」


ズシン!!

グレンは大槌を下ろして俺の方へと歩いてくる。


「今は試験中だ。試験内容は俺と闘って俺に勝つこと。どうよ、シンプルだろ?」


「なるほど。確かにそりゃシンプルだな。その身体につけてるやつは重りか何かか?」


狩虎は剣を引き抜く


「そうだ、重りだ。1トンの重りだ。」


「はー!!それは結構重たいな!!すごいハンデをくれるなんてさすがはグレンさんですね!!」


「ばっ、狩虎お前何がハンデだよ!!相手は第二類勇者だぞ!?そんなものがハンデになるわけがないだろ!!」


俺は、呑気な狩虎に警告を与える!

狩虎は知らないんだ!鬼貫が一撃で倒されてしまったことを!!愚鈍さは身を滅ぼすだけだ!!


「逃げるぞ狩虎!!相手は化け物だ!!俺達でどうこうなる相手じゃないんだよ!!無理なんだよ!!!」


「………やってみなきゃわからないだろ?それに、グレンに挑まなきゃそもそも試験に合格できないじゃないか。逃げてばっかじゃ合格できない。違うか?」


そのまま狩虎は走り出す!!


「そうだけど!!そうだけど今は相手を見ろよ!!そんながむしゃらに突っ込むだけじゃ死んでしま………」


ガンンン!!!

グレン試験官の一撃が狩虎に直撃し、狩虎を吹き飛ばす!


………だから言ったじゃないか!!

俺は狩虎の元へ駆け寄ろうとするが、足がすくんで動けない。ただ棒立ちのまま、狩虎を見ていた。


「………さて、残ったのはお前だけか」


ズシン!!

いつの間にかこっちへと戻ってきたグレン試験官。大槌を肩に載っけてこちらを見ていた


………怖い!!なんで、試験なんかでこんなに怖い思いをしなくちゃいけないんだ!!全然足が動いてくれない………逃げることすら出来ない!!足に、植物のツタが絡んでいるみたいだ!!


怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い


怖い!!!!


膝が小刻みに震える。


「今回の合格者は0人か………まっ、たまにはそういう年があってもいいんじゃないの?」


そのままグレン試験官は俺に大槌を振り下ろした!


メシッッ

「っ!?………お前!!」


グレン試験官の脇腹を狩虎が思いっきり蹴飛ばしグレン試験官が転がる。

どうやら狩虎から攻撃されるのを予期できていなかったのだろう。踏ん張ることが出来なかったのだ。


「え?」


俺は情けない声を漏らす。

だって、第二類勇者の一撃を受けてピンピンしてるなんて、そんなのおかしいから


「実は俺の体、他の人より硬くてな。グレンの手抜きの一撃程度じゃ気絶しないのよ………それと」


ペシン!

俺の頭を叩く狩虎


「お前さ………さっきってか昨日言ったよな?頑張ってる人間のやる気を削いだらいけないってよ。俺今から頑張ろうとしてるんだから[無理だ]とか言わないでくれよ。」


そう言うとまた狩虎はまたグレン試験官へと向きなおる


「行くぜグレン!今からお前のこと吹き飛ばしてやるからな!!」


狩虎はグレン試験官に向かって走り出す!


「おうよ!来やがれ!!」


ガンん!!!!

狩虎が吹き飛ばされる!!


「………っ、まだまだぁぁ!!!」


ガンンン!!!!

また狩虎は吹き飛ばされる


「ま、まだまだぁぁ!!!!」


再度狩虎は突っ込むが、やはりグレンに吹き飛ばされる!!


ガンンン!!!ガンンンん!!!がっつんん!!!

何度も何度も狩虎は吹き飛ばされるが、それでも狩虎は何度も吹き飛ばされる。

もう狩虎はボロボロだ。一体、なんで、そんなになってまで……………


「なんでなんだよ………」


不思議と、自然と声が出ていた。この現状がわからなくて。………狩虎の考え方がわからなくて。そして………狩虎に少し、嫉妬していたから。


「なんでそんなになってまでこいつに立ち向かえるんだよ!!勝てるわけがないじゃないか!!こんな化け物に挑んだって…………傷つくのが怖くないのかよ!!!!」


「……………怖がって閉じこもってるよりはマシだ。」


「!!!」


ガンンン!!!!

再度吹き飛ばされる狩虎。


…………知ってるよ。知ってんだよ!!俺だって、俺だって、このままじゃダメだってことぐらい知っているんだよ!!

でも、足が、足が全然動いてくれないんだよ!!ダメだって分かっていても足が全然………!!!


「そうやってまた自分の殻に閉じこもるのか。」


「!!!!」


………なんで、なんでそんなに人の心を見透かすんだよ!!俺だって、俺だってなぁぁぁあああ!!!


「ああああああ!!!!」


俺は思いっきり足を殴りつける!

足が動かないんなら、痛みでもなんでも与えて無理やり動かす!!


ブチっ


俺の頭のイメージでしかないが、足に絡まっていたツタがほんの少し千切れた音がした。

まだだ、まだ足りない!この足を動かすにはまだ何かが足りない!!


「あぁぁぁあああああ!!!!!」


ブチブチブチブチ!!!

1本2本とツタが千切れていく!!

あと少しなんだよあと少し!!あと少しでこの邪魔なツタが外れる!!


………あ、


ふと、イリナさんの姿が俺の脳裏を掠めた。

そうだ、狩虎が言ってたじゃないか。憧れを忘れるなと。そうだ!俺はイリナさんに憧れて勇者になろうとしてたんじゃないか!!それなのに、こんな所で弱音を吐いてる場合か!!!


ブチブチブチブチブチブチブチブチ!!!!

完璧にツタは千切られ、俺の足は自由になった!!!


ダダダダダダ!!!

俺は剣を引き抜きグレン試験官へと突っ込む!!


「うおおおおおお!!!!」


「隙だらけだ馬鹿野郎」


ガンン!!!!

グレンの重たい一撃が、エンタを直撃する。

地面にヒビが入る。そして、エンタは倒れ、ピクリとも動かない。


…………せっかく、ここまで持ってきたってのに…………

ゴクン

俺は血を飲み込む。


「最後に勇気を出した所は褒めてやるが………お前の実力じゃ勇者になるなんて不可能だ。」


ピクリ

俺は、グレンの言葉に反応する


「…………今、不可能って言ったのか?」


「…………ああ、そうだ。こいつ程度の実力じゃ勇者になるなんて不可能だ。と言ったんだ。このエンタって奴は勇者になれない運命だったんだろうな。向いてねーんだよ。」


「…………………つまんねぇな」


剣が青く光り出す。


「つまんねぇつまんねぇ、ああつまんねぇ!人を才能がどうとかいって判断するのって本当つまんねぇ!!なんでお前がこいつの才能の多寡を予知できんだよ!!向いてない?はっ、そんなバカでも使えるような言葉を使ってんじゃねーよ!!」


「…………ふっ、そうか?俺は正しいことを言ったと思うぜ?この世は向き不向き、才能によって決定される。要は生まれた時から全てが決まってんだよ。そして、エンタ。あいつは勇者には向いてない。長年試験官をやってきた俺には分かる。」


「…………そうかよ。それなら俄然、この試験に合格しなきゃならないなぁ。生まれた時から決まってんだろ?勇者になれる奴ってのはよ。それじゃあ、絶対に勇者になることが不可能だという烙印を生まれた時に押されたこの俺が、この試験に合格すればクソみたいなお前の考えを否定できるってわけだよな!!」


ズァァァアああ!!!!

俺の周りに水が溢れ出す!!


「…………そうだが、お前が試験を合格できるのか?この俺を倒せるっていうのか?」


ズンンン!!!

グレンはハンマーを肩に載っけて迎撃態勢をとる。


ニヤッ


「………倒せないわけがないだろ?俺の力は1つであって1つじゃねぇ。俺の周りの全ての環境が俺の武器だ。それなのに、グレン。なんでお前の方が余裕なのか俺にはさっぱりとわからんよ」


さぁて、全否定させてもらうぜ、お前の考えを!

こ、この更新ペースは!

…………さて、自重させていただきます。


重要関連作品

カイが死んだあの事件とそれ以降をイリナの視点で追っていた作品。全4話約94000文字→https://ncode.syosetu.com/n6173dd/

カイが死んだあの事件とそれ以降を狩虎視点で追っていった作品。全15話約60000文字→https://ncode.syosetu.com/n1982dm/

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