輝きは氷の如く
「なぁ、新しい剣を俺に配給してくれてもいいんじゃないか?昨日買ってたろ。」
「新しい剣?何、君はまさか魔剣を捨てる気なの?」
前を走っていたイリナがこちらを振り向く。
「そういうつもりで言ったんじゃねー。軟弱な俺がこのダンジョンを素手でクリア出来るわけねーだろ、分からないか?さっきから大量にモンスターが出てきてるだろ!」
今俺たちは洞窟をタッタッタッと走っているところだ。もうね、モンスターがわんさかわんさか。公園の隅の石をひっくり返した時に見える虫ぐらいの数がわらわらと常に湧いてくる。まぁ、俺たちはそれと戦うのが面倒くさいから、戦わずに走って逃げているのだが。
「大丈夫っすよ、師匠。師匠は波動拳と昇竜拳を使いこなし、並み居るプレイヤー全員をフルボッコにして、地元のゲーセンで恐れられたあの[爪壊しの虎鉄]と言われてたじゃないっすか」
「なぜ知っている!?そんな遠い昔のことを!!まさか君そのゲーセンにいた?」
「はい、いたっす。正直この前襲ったのだって、少なからずあの時の復讐だったのもありますからね。」
「………………なんかごめん。」
俺がそうだな…………小学5年の時だろうか?まぁ、そこまではっきりとは覚えてないが。当時俺たち3人はストリー○ファイターにはまっており、地元のゲーセンを荒らして回っていたのだ(とは言うが大抵の相手は小学生だったし、俺は宏美と遼鋭に無理やらされていた。まぁ、俺があの3人の中で一番うまかったからな)。とにかく下段をしつこく攻めていやらしく勝っていたのだ。
また、なぜ爪壊しの虎鉄なのかと言うとどうやら俺のプレーをある子供が真似したらしく、だけどその子供にはその指使いが速すぎ、爪を大いに破損してしまったとかなんとか………………だから俺が負けた相手の爪を剥いでたとかはない。断じてない。
「昇竜拳!?波動拳!?それは一体なんですか!?」
そして隣で聞いていた染島さんが反応する。
……………染島さん。体も心も大らかで大きい彼女はどうやらイリナと同じお嬢様のようで、ストリー○ファイターを知らないようだ。いや、大抵の女性は知らないか。
「ストリー○ファイターと言うのはですね、格ゲーという分類のゲームでして、簡単に言えばキャラクターを操って格闘して相手を潰すゲームですよ。」
これぐらいが一番わかりやすい説明だろう。いきなりコマンドの説明をされたら初心者からすればさっぱりと理解できなくなるもんな。
「なるほど、つまり社員を操り相手(会社)を潰すゲームですね!それなら私のお父さんがよくやってることですからすぐに理解出来ました!」
……………染島さんには媚びを売っておかないと恨まれたら消されそうだ。
「お嬢様。食後のお飲み物は何にしましょうか、紅茶とカモミールティーとなんたらティーとハローキティーがございますが?」
俺は媚びを売るために執事となって染島さんに丁寧に対応する。
「こちらにはショートケーキと、ベルギーチョコレートをふんだんに使ったチョコケーキと、モンブランと、なんたらモンブランと、いちご100パーセントの単行本がありますが?」
そして俺の隣で黒垓君がいつの間にか取り出したのか銀色のトレイを持ち、姿勢正しく走っている。マラソン選手も顔真っ青だ。てかお前も俺と同じ魂胆かよ!!
「え、えーっとそうですね………それじゃあ、パルフェグラッセを………リキュールはエル・ディアブロで作ってください。あっ、ルジェ・クレーム・ド・カシスは多めでお願いしますぅー。」
な、なんだって?パフェをカシスオレンジで作ればいいのか?くそっ、知らない横文字のオンパレードだよ!
「ちょっ、黒垓君知ってる?」
ボソッと隣にいる黒外君に声をかける。
「し、知らないっすよ。なんて言ったんすか?グラタンにブローを決めればいいんすか?」
だが黒垓君も知らないようで俺にボソッと返事をする。
「…………黒垓君、ググれググれ!スマートフォンを活用してぱっぱと調べちゃってくれ!」
「いや、無理っすよ。この世界にそんなもの持ち込めるわけないじゃないっすか。」
「だよねーー。……なぁイリナ、知ってる?グラタンにブローをしてカシスオレンジでパフェを作る食べ物。」
常に黙ってこちらを見ていたイリナに問う。彼女も一応はお嬢様だ、それなりの知識はあるだろ。
「なにその極悪な料理…。どこかの民族の伝統料理じゃないんだよ?」
「じゃあなんなんだよ。パフェにグラタンを突っ込むのか?」
………うおぇっ!!吐きそう…………ダメだ、やはり食べ物を粗末にするのはいけないな
「なんて気色悪い食べ物を考えついてんのさ、私にこの場で吐かせるつもり?」
口を押さえながらイリナは言う…………やめてくれ、そのポーズはやめてくれ。
「うるさい。俺も吐きそうなんだよ。なぁ、知らないか?染島さんが言ってたなんたらかんたらって料理。」
「それ、料理じゃなくてデザートだよ。」
「デザート!?…………パフェか?パフェなのか!?」
「んーっとね、氷砂糖っていうか、何ていうのかな………甘々な奴だよ。あっ、でもディアブロを使うのなら少し辛口かな」
あ、甘々な奴………………ダメだ。全くもって想像できない。まず横文字で甘い食べ物なんてチョコレートとケーキぐらいしか俺には思いつかねーよ。それとディアブロは辛いのかい?辛口なのかい?まぁ、確かに辛そうな名前だよな。
「…………それじゃあ、今からイリナさんのお料理講座時間です!今日の料理はなんと!えーっと、ほら、ディアブロサンデーパフェってやつです!」
もう俺にはそれが想像できない!だがしかし、ここで俺は染島さんに媚を売っておいて、後々大人になってから消されるという心配を排除したいのだ。だからお願い!イリナ作って!
「パルフェグラッセな…………いや、作ってあげたいのはやまやまだけど、今こんな状況だからねー。」
戦うのがめんどくさくて無限に湧いてくるモンスターを無視して逃げ続けてたら、敵が前方から来てしまいもう逃げる場所が見当たらない!
「やばいなこりゃ!逃げる場所が全くないぜ!」
ワラワラワラワラと俺たち4人の周りを無数の敵が取り囲む。
「……………なぁ、前回来た時はモンスターとかの対処はどうしたんだ?」
隣のイリナに尋ねる。前回カイと一緒に来たことがイリナはあるのだから、その話を聞いて参考にしたい………が多分きっと当てにならないだろうな。だって彼ら2人って相当走るの速かったから
「全力で走って逃げた。」「なるほど、参考になった。」「あれ?無駄口叩かないの?」「そんな暇があったらお前を叩いてる。」
考えろ…………まず第一に周りには無数の敵。しかも、多分きっと無限に沸くのだろう。
「あの西洋一色のモンスターって強いのかな?」「うーん…………全員聖騎士クラスってとこっすかね。」
聖騎士…………ダメだ、戦ったことがないからピンとこない。まぁ、黒垓君よりは弱いってことは確かだろう。
聖騎士か……………さて、勇者で例えたってことは身体能力が高いのだろう。かぁーー!!そんなやつらが縦横無尽に動き回られたら辛いなぁ!っっっしゃあ!!決めた!
「よし!フォーメーションを言うぞ!!」
「は?どうしたんすか?」
「どうしました?」
「それでフォーメーションはなにさ?」
俺がいきなり大声を出したためみんな俺に注目する。
「まずだ、俺は弱い。ここまではいいか?」
「「「当然ですね。」」」
全員の声がハモる。
「ついでに染島さんも俺と同じぐらい弱い。よな?」
「当然だね。」「それは異議ありです。」
染島さんが反論する。
「はい、そこー。和を乱さないでくださいー…………というわけでだ、イリナと黒垓君には頑張ってこの大群を倒してもらいたい。」
「まぁ、そうなるかな。必然的に。」
強い奴にこの大群はどうにか処理してもらわないと、俺や染島さんだけじゃどうしようもない。
「んでだ、前回みたいに俺をどこかに飛ばすことはもうないから、二人一組で行動してこの大群を蹴散らそう。」
洞窟までに来る途中に話し合ったのだけれど、前回みたいに俺を飛ばした先で戦いが起こってるなんてことになれば危険だということになった。イリナが言うには「それならまだ私の手元にある方が安全。」だそうだ。
「そこでさっきのフォーメーション?」
「ああ、俺と黒垓君。イリナと染島さんで行くぞ。さっきも言ったろ?」
これもさっき話し合ったことだ。まずこの4人の中でエレメント系の魔法を使えるのが俺とイリナだけであるため、二つに分けるのだとしたらこの2人を分ける必要があるのだ。あとはまぁ、言わずもがなだ。
「それじゃあ行くぞ!」
ばっ!元来た道の方の敵に、俺達は向かった!
「よっしゃ、胸美。行こう。」
「はぁーい。」
イラつくがもうどうしようもない。なるべく気を払わないでおこう。イラつきながら進行方向の敵と対峙する。
「黒垓君!あの手みたいなのの持続時間はどれくらい!?」
巨大な岩の化け物の攻撃をかわしながら尋ねる 。
「だいたい1分っす!ちなみに魔力の消費量は剣2本分です!」
パパパパっガン!
鎧を着た牛のようなモンスターの体に4発ほどパンチが炸裂し、かかと落としがよろめいたモンスターの頭に綺麗に決まり地面に顔がめり込む!
「分かった!ありがとゔっ」
巨大な拳が両腕で作ったガードにめり込み、狩虎は吹き飛んでいく!
シュパン!グオッガンン!!
足払いが複数体のモンスターに決まり、体が宙に浮く。そして、空中にいる間に黒垓君のパンチが全員をまとめて殴り飛ばす!
「師匠!もう少し速くしないとこいつらとは戦えないっすよ!」
「分かってるって!…………仕方ない、少し速くするか。」
チリッと肩のあたりが少し光る。その隙をついてか、この前出てきた鬼のリーダー格のような奴が両手を振り下ろし、鬼の攻撃で地面が弾け飛ぶ!だが俺はそんなものを余裕でかわし、そっと左足で鬼の拳を踏みつけた!
メキィッ!
下から上へと振り上げられた右足は鬼の肘に炸裂し、腕が逆方向に曲がる!そして俺の前蹴りが綺麗に決まり魔物は奥へと吹き飛んでいった!
この速さならまだ耐えれるのか……………
「師匠、肩から少し漏れてるっすよ。」
お?おっと本当だ。やっぱりこれって調整が難しいなー。
肩から出ている光を引っ込め、俺は前に向き直った。
「さーて、後何体だろうね。」
「うーん……………ぱっと見50ってところっすかね」
「多いなぁ………んじゃ、頑張りますか!」
地面を思いっきり踏んづけ気合いを入れ直した!
「胸美、私の背後にいて。そうすればある程度は守ってあげられるから。」
「は、はい……………あっ、イリナさん!敵が!」
がンンンン!!
巨大な斧が地面に突き刺さる!が、イリナはなんなくそれをかわしオークの胸部分に手を当て後方へと吹き飛ばす!オークの後ろにいた複数のモンスターたちもオークに巻き込まれて吹き飛ばされる!
たじろぐ魔物の集団に、イリナは光剣の切先を向けた。
「第二の舞 蜘蛛の糸。」
ザクザクザクザク!!
剣が伸び、空中のモンスター全員を串刺しにする!そして剣を下の長さに戻すと、魔物の群れに突撃する!
「また格闘…………本当、めんどくさいね。」
だけど、その煩わしさの原因が仲間がいることだと思うと思わず笑顔になってしまう。
「だからそうだね、私は君たちを歓迎するよ。かかってきな。」
ダダダダダ!
5体ほどのモンスターが同時に走り出しイリナに襲いかかる!が、パンチ1発ごとにモンスターの身体に穴が開けられ、全員がその場に倒れこむ!この弱さなら………
イリナの身体が発光したと同時に、暴力の嵐が吹き荒んだ!
「ふぅーー。やったね黒垓君!あと5体程度だ!」
戦いが激しくて入り口付近まで戻ってきてしまったが残り5体だ。んで俺はと言うと制服がもうズタボロ。いくら速くなったからといって全部を全部、余裕でかわせるほど速くはないのだ。全部紙一重か直撃かである。あーーーお風呂はいったらしみそうだな。
「そうっすね。あとはちゃっちゃとモンスターをまるでいびるかのように、ネチネチと攻撃して叩き潰すだけっすよ。」
「その言い方だと弱いものいじめをしてるみたいで気が乗らないな。」
まぁ、自分が生きるためだ。仕方がない。安全のためにネチネチと攻撃しようか。そして、モンスターたちの元へ行こうとした時だった!
ザシュッ!!
モンスター4人の背中から胸に氷の刃が突き刺さる!
「…………発見だ。染島はどこだ?」
入り口から8人ほど人間が入ってきて、話しかけてきた男が氷に触ると氷が溶けていく!
こいつら…………カースクルセイドか!?んーー、自分で言っててなんだけど中二くさいなー。
「あいにく彼女はイリナさんと一緒っすよ。だからもう諦めた方が良いんじゃないっすか?」
黒垓君が一歩前に踏み出す。この隙に染島さんに伝えておかなくては。
「染島さん。聞こえてますか?」
「はぁーい。聞こえてますよー。」
俺の頭に呑気な声が響く。
「今、カースクルセイドが貴方を追いかけて洞窟に入ってきたんですよ。んで、今俺たちはそれと対峙してる状態です!」
「か、カースクルセイド!?………とは一体なんでしたっけ?」
「………貴方を攻撃してきたグループの名前です。」
「ああーーなるほどなるほど!!あの方々ですか!!」
「そうです。あの方々です。というわけでイリナをこっちに寄越してくれませんか?」
正直8人を俺と黒垓君だけで対処できるとは思えない。特に俺が足を引っ張るからだ。
「それが…………あと50体ほどモンスターがいまして。もう少し時間がかかってしまうかもしれないです」
そんなにあっちは多かったのか!多分こっちの3倍以上はいたのだろう。じゃないとイリナがこんなに時間がかかる理由が思いつかない。
「それじゃあ終わり次第入り口の方まで来てください!」
………………さて、どうやって時間を引き延ばそうか。さっき俺たちに話しかけてきた男(多分リーダー格だろう)は黒垓君の話に苛立っているようだ。
「そんなことはどうでもいい。俺たちは強くなるためだったらどんな危険をもおかすつもりだ。」
パキパキパキ……………
壁や床が凍りついていく。
「染島は魔族の最高幹部のくせに魔力がテレパシーなんてクソみたいな力だからな。俺たちのパワーアップにはうってつけだ。」
男の周りに氷の塊が数個、彼の周りに浮かび上がる……
「なんなら今からお前らを殺しても………」
パン!
その男の言葉の途中で、両の壁から白色の手が出てきて男を握りつぶした!
「ふぅ…………1人消せたっすね。ししょ………お?」
左にいるはずの師匠に視線を移すと、そこには誰もいなかった。
「うおおおっっおっおっっど!!」
白い扉から勢いよく飛び出した俺は地面を激しく転がり続け、木にぶつかりようやく止まった。
くそっ、敵に向かって駆け出したらなんか白いものに挟まれてしまったぞ!辺りを見渡すと火山と溶岩と枯れた木が見える。空は黒い雲で覆われていて、お世辞にも綺麗な景色とは言えない。
「これは…………黒垓君の能力か」
やっちまったあぁあ!やってしまった感が否めない!
どう考えてもこれ、俺が自ら黒垓君の攻撃に突っ込んだってことじゃないか!!もしそうだとしたら……転がってきた方を振り向く。
黒いマントに身を包まれた男が辺りを見渡していた。………周りを見ている間にこっそりと逃げよう
「おいお前。これはあの男の能力か?」
あっはーい!話しかけてきちゃったよ!男っていうのは黒垓君のことかな?
「勿論そうでございます。はい、黒垓白始先生の能力ででしてね……………相手を自分の世界に連れ込むという厄介極まりないものなんですよ。」
ここで嘘を盛り込んで俺に優位な状況を作り出さないと、今の俺じゃあ勝てない!
「………………やけに親切だな。」
「あっはっはっーー。嫌だなーー、何か裏でもあるとか感じちゃったんですか?もぉー困っちゃいますよぉ〜。」
手をこすり合わせ、ニッコニコ笑う!ゴマスリは得意だぜ!
「いいですか?この世界はあの御方が作り出した世界でして……………能力は使えないんですよ。だから能力を使おうとしても無駄です。やめたほうがいいですよ。」
いいぞーいいぞー。この調子で誘導して説得して諦めさせよう。
「はぁーーん……………そうなのか。」
ズアァァンン!!
右手を横に向けると巨大な氷の柱が出現する!
「おい………お前。」
俺は男の手が右に向けられた瞬間に走って逃げていた!
くそっ!なんで能力使うんだよ!使えないっていってるのに確認なんかするんじゃねぇ!
「ふん…………ゴマスリが。」
ズアァァンッッ!!
俺と男を囲むように氷でドームが形成され!逃げ場が完全になくなった!
「なんだよこれ…………くそっ!」
ガン!
氷の壁を殴るがまるでビクともしない。俺の拳が壊れそうだ。
「諦めろ。お前ぐらいの力じゃこれを壊すのは無理だ。」
男はこちらへと歩み寄ってくる。
「お前勇者か?あのダンジョンを攻略してたってことは最低でも聖騎士じゃないとモンスターは倒せないよな。」
「なんで俺が勇者だと思ったんだ?もしかしたら魔族かもしれないだろ?」
「それはないだろうな。魔族ならどんなに弱くてもある程度は魔力に自信があるもんだからな。なのにお前は逃げる時に走ることしかしなかった………お前、そこまで魔力が強くないだろ。」
………水ですよ?水だぜ?五大エレメントとまで言われる水が強くないわけがないだろ?……はっ、彼の理論は間違いだらけだ。あぁ、おかしいよ。そもそも魔法が強いからって逃げる時に使えないのがあるだろうが!染島さんのテレパシーとかさ!………まじで染島さん可哀想だな。しかし、こいつ頭良いな。天才ってやつか?
「いやいや、もしかしたら君を油断させるためにここまで間抜けな演技をしてただけかもしれないじゃないか。」
「まっ、いいか。多分これはワープ能力だろうし。お前を殺しても何も起きないだろうから。」
手のひらをこちらに向ける!
「さっさと死んでくれ。」
ズダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダダ!!!
大小様々な氷の礫が俺めがけて飛んでくる!量が多過ぎてまるで分厚い壁のようだ!こんなのかわしようがないだろうが!
ズガガガガガガガンンンンン!!!!
あたり一面で氷の飛沫と泥と岩と石とが弾け飛び、巨大な砂塵が舞い上がる…………………そして、ほんの少しの赤色があたりを艶やかに染め上げた。




