NO・5
「ひゃ!」
また車が止まったかと思ったとたん、引っ張り出された。
そして、私を引っ張ったと思われる人が車に乗り込む。
車は颯爽と走り去った。
独りぼっちになってしまった。
ここはどこだろう・・・?
拘束されている為、うまく動かない体を必死で動かし、辺りを見る。
森・・・?
あたり一面が木だった。
近代化が進んだ都市の中に、こんな森のような場所があるわけがない。
ということは、ここは都市の外・・・
自分の居場所も明確にはわからず、頭は混乱するだけだった。
その時、近くの木が揺れた。
何?
そう思ったときにはもう遅かった。
「・・・!」
頭を押さえつけられる。
痛い。
「へぇ、本当によこすとはなぁ」
「都市の奴らも馬鹿なもんだ」
人の声だった。
それも、男の。
「赤い目をした女の子を生贄に、なんて、ほんとに俺らのこと神様とでも思ったのか?」
「はは、思ったからよこしたんだろう」
「我はこの森の神の使いなるぞ、ってな」
そういって男たちは笑っていた。
状況がつかめない。
でも、とにかくこの男たちが都市の人間をだまし、
だまされた都市の人間が私を売ったことはよくわかった。
憎い。
私は横目で男たちをにらんだ。
「おっと、おっかねぇ顔すんなよ」
「ホントホント、これから遊んでやるって言うのに」
男たちは声を上げて笑っていた。
悔しい。
「遊んでから市場にでも持っていくか?」
「当たり前だろ。珍しい目の女の子だ、高く売れるさ」
さっき都市に売られたと思ったら、また売られるんだ。
ひどい。
憎い。
悔しい。
都市に対する憎しみと、男たちに対する憎しみ。
両方が合わさったときだった、
ふいに、地面から水が溢れ出してきたのは。




