NO・3
今のこの国は腐っている。
本当は、誰しもがそんなふうに思っているんだ。
だけど、そんなふうに口に出して言えば、直ちに処罰され、悪ければ死ぬ。
だから、誰も国家に逆らえない。
国家国家というけれど、国の政治を進めているのは100パーセントに近い確立で、どこかの金持ち。
0・1パーセントくらいしかいないのは、その金持ちのお気に入りで、政治に参加させてもらっている者。
いわゆる、独裁国家の世の中。
私は全く揺れを感じない最新式の車の中でぼんやり考えていた。
生贄のことと、この世の中のこと。
逆らえないといったら、革命を起せばいいと思うかもしれない。
だが、国家は最高最強のロボット・・・もうロボットとは言わないかもしれない。
動きはしなやかで、登録された人間以外の人間を全て消す能力があるといわれている。
実物を見た人はいないのだが、過去に一度だけ発動されたことがあるらしい。
だから、革命やデモ運動をすれば、直ちに国中の人間全てが・・・国会外の人間全てが殺されてしまうのである。
そんなものに逆らって命を落とすより、
国家の言うことを聞いて動くほうがまだましだろう。
でも・・・
生贄って何なの?
自然との調和に、どうして・・・私が・・・?
車の行き先も気になった。
全自動で進んでいる車から降りることは不可能。
外の景色もマジックミラーで全く見えない。
私はどこに連れて行かれているの・・・?




