NO・21
「・・・」
斗鬼は一人で部屋にこもっていた。
まさか、あいつにあんなことが出来るなんてな・・・。
斗鬼は仍が消毒した肩をさすった。
いざとなったら守ってやんなきゃと思っていたのに、逆に守られちまって・・・情けな・・・。
その思いがため息になる。
・・・借りが出来ちまったな。
斗鬼はその借りがどれだけ重いのか知っていた。
自分の命の重さを知っていたから。
一瞬でもあきらめてしまった自分の命を、あいつは助けてくれた。
自分だったら・・・もし、俺とあいつが逆の立場だったら・・・俺は身を捨ててあいつを守っていただろうか?
あいつに水の力があったから、俺もあいつも助かった。
でも、あいつはあんなことが出来るなんて知らなかったはずだ。
何が出来るかもわからないのに、自分が死ぬだけかもしれないのに、あいつは飛び出してきた。
俺には・・・出来ない・・・。
そう思うと、「借り」の大きさがどんどん膨らんでくるようだった。
どうやって借りを返せばいい?
あんな大きな借り、どうやって・・・?
斗鬼は、顔を伏せた。
「ねぇ、都市が攻撃してくることって頻繁にあるの?」
私は日和に尋ねた。
「いや、一年に一度位かな・・・まるで排除物みたいないい方してきやがるんだぜ?」
「あぁ、でも、あんな声初めて聞いたよな」
近くにいた日向も答えた。
「声?」
「ほら、撤退命令出した奴。あんな声、初めて聞いたよ」
「それに、今年はもう数ヶ月前に攻撃してきてる。だから、今回はおかしいんだ」
「・・・」
それは私のせいなのか?
頭に浮かんだ疑問を振り払うように私は首を振った。
今はそんなこと言っている場合じゃない。
「どうした、仍?」
日向が怪訝な顔をしてこっちをみている。
「あ・・・なんでもない」
私は手を振ってごまかした。
だけど、なんだかいやな予感がした。
すごく危ない状況に陥りそうな・・・そんな予感が。




