side 信志
一夜明けて。
「…………。」
ボクらの家に、ラミアさんの姿はなかった。
部屋の窓が一つ、開いたままになっている。
そこから出て行ったのだろうか。
「……ラミアさんには、分かってもらえなかったのでしょうか?」
「自分はちょっとラミアさんの考えもちょっとだけ、わかる気がするっす。」
落ち込むアイリスとは別に、ロットは少し複雑な顔をしている。
自分も、ボクらと出会うのがもっと遅ければ。
そう、思ったこともあると。
だからラミアさんは決して分かってくれなかったわけじゃない。
「だからまぁ、そんなに気にすることないっすよ。」
「そう……ですね。そうですよね。」
自分も不安そうにしながらも、そう言ってアイリスを落ち着かせるロット。
その姿に、ボクもありがとうと小声で零す。
「ん?どうしたっすか?シンシさん。」
「いや、なんでもないよ。…………さて、それじゃあ今日もギルドに行ってみようか。」
「了解っす。」
「はい!」
不安にはなるけれど、ひとまずは通常運転。
そう思って、ボクらはギルドへ向かった。
受けられる依頼を受けるために。
◇◆◇◆◇◆
のだけれど。
「おい!情報が回ってきてないぞ!!」
「だから、そっちは……!!」
「くそ!いったいどうなってやがる。」
到着すると、ギルドの中は随分と騒がしかった。
あちらこちらで大声が響き、人が走り回っている。
その中で、見覚えのある後ろ姿を見つけた。
「バルザールさん!」
「あ!?……ってなんだ、お前たちか。」
声をかけると、勢いよく振り返るギルド長。
どうも、他の人と勘違いしたらしい。
「悪いな、今日は少し立て込んでいるんだ。」
「みたいですね。」
「一体どうしたんですか?」
アイリスが尋ねると、一瞬躊躇したものの、バルザールさんは口を開いてくれた。
「まぁすぐにわかることだろうし、今教えても構わんだろう……。少しばかり前にここに一つの情報があったんだ。」
言いながら、服の下から一枚の紙を取り出して、見せてくれる。
「……絵、ですか?」
あったのは薄暗い感じの絵。
でもそれはどこか見たことのある場所で……。
「あ!地下通路っす!!」
「その通りだ。」
ロットが叫んだ言葉で気がつく。
確かに言われてみれば、地下の通路に見える。
壁の感じや足元の感じがそっくりだ。
「ああ、その通りだ。そしてこの場所なんだがな……。どうも誰も入れないようになっちまったらしい。」
「入れない?」
「ああ。理由はわからないが、見えない壁のようなものでその部分だけ、誰一人入れなくなっちまったんだ。」
そして、とバルザールさんがもう一枚紙を取り出す。
そこにかかれていたものも、絵。
「もしかして、ここも?」
「入れない。似たような場所がすでにいくつも見つかっている。ギルドも原因の解明に乗り出しちゃいるが、未だ手がかりすら見つかっていない。だから……。」
「ギルド長!!また見つかりました!今度は東の地区です!!」
「チッ!!またかよ。どうなってやがる……。とにかく、そう言うことだから、お前らも気をつけろ。」
慌ただしく、さっきの声の方へ向かうギルド長。
その背中が見えなくなってから、やっとボクらは顔を見合わせた。
「……、なんだか大変なことになってるっすね。」
「これは、今日は依頼どころじゃないな。」
「…………。」
ボクとロットがため息をついて諦める中、アイリスだけは無言。
「アイリス?」
「……。あ、はい?」
「いや、どうしたの?さっきから黙ってるけど。」
慌てて顔を上げるアイリス。
「覚えていませんか?信志さん。先ほどバルザールさんが見せてくれた2枚目の絵。……あれは確か昨日、ユーグさんと……。」
そこまで聞いて、ボクは走り出してしまった。
「ま、待ってください!!」
「急にどうしたんすか〜!?」
なぜかはわからない。
でも、体が勝手に動く。
確かにアイリスの言う通り、その絵の場所は。
昨日ユーグと出会った場所だった。
こんばんは、Whoです。
残念ながら、ラミアと仲間になることはできませんでした。
突然、あんなことを言われても「はいそうですか」となることは滅多にないので、彼女の意見は至極真っ当だと思ってます。
ロット?彼女は食べ物につられました。ええ。
ではでは。




