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花屋は商魂たくましい  作者: Who
三途の河編
93/159

side 信志

一夜明けて。


「…………。」


ボクらの家に、ラミアさんの姿はなかった。

部屋の窓が一つ、開いたままになっている。

そこから出て行ったのだろうか。


「……ラミアさんには、分かってもらえなかったのでしょうか?」

「自分はちょっとラミアさんの考えもちょっとだけ、わかる気がするっす。」


落ち込むアイリスとは別に、ロットは少し複雑な顔をしている。

自分も、ボクらと出会うのがもっと遅ければ。

そう、思ったこともあると。

だからラミアさんは決して分かってくれなかったわけじゃない。


「だからまぁ、そんなに気にすることないっすよ。」

「そう……ですね。そうですよね。」


自分も不安そうにしながらも、そう言ってアイリスを落ち着かせるロット。

その姿に、ボクもありがとうと小声で零す。


「ん?どうしたっすか?シンシさん。」

「いや、なんでもないよ。…………さて、それじゃあ今日もギルドに行ってみようか。」

「了解っす。」

「はい!」


不安にはなるけれど、ひとまずは通常運転。

そう思って、ボクらはギルドへ向かった。

受けられる依頼を受けるために。



◇◆◇◆◇◆



のだけれど。


「おい!情報が回ってきてないぞ!!」

「だから、そっちは……!!」

「くそ!いったいどうなってやがる。」


到着すると、ギルドの中は随分と騒がしかった。

あちらこちらで大声が響き、人が走り回っている。

その中で、見覚えのある後ろ姿を見つけた。


「バルザールさん!」

「あ!?……ってなんだ、お前たちか。」


声をかけると、勢いよく振り返るギルド長。

どうも、他の人と勘違いしたらしい。


「悪いな、今日は少し立て込んでいるんだ。」

「みたいですね。」

「一体どうしたんですか?」


アイリスが尋ねると、一瞬躊躇したものの、バルザールさんは口を開いてくれた。


「まぁすぐにわかることだろうし、今教えても構わんだろう……。少しばかり前にここに一つの情報があったんだ。」


言いながら、服の下から一枚の紙を取り出して、見せてくれる。


「……絵、ですか?」


あったのは薄暗い感じの絵。

でもそれはどこか見たことのある場所で……。


「あ!地下通路っす!!」

「その通りだ。」


ロットが叫んだ言葉で気がつく。

確かに言われてみれば、地下の通路に見える。

壁の感じや足元の感じがそっくりだ。


「ああ、その通りだ。そしてこの場所なんだがな……。どうも誰も入れないようになっちまったらしい。」

「入れない?」

「ああ。理由はわからないが、見えない壁のようなものでその部分だけ、誰一人入れなくなっちまったんだ。」


そして、とバルザールさんがもう一枚紙を取り出す。

そこにかかれていたものも、絵。


「もしかして、ここも?」

「入れない。似たような場所がすでにいくつも見つかっている。ギルドも原因の解明に乗り出しちゃいるが、未だ手がかりすら見つかっていない。だから……。」

「ギルド長!!また見つかりました!今度は東の地区です!!」

「チッ!!またかよ。どうなってやがる……。とにかく、そう言うことだから、お前らも気をつけろ。」


慌ただしく、さっきの声の方へ向かうギルド長。

その背中が見えなくなってから、やっとボクらは顔を見合わせた。


「……、なんだか大変なことになってるっすね。」

「これは、今日は依頼どころじゃないな。」

「…………。」


ボクとロットがため息をついて諦める中、アイリスだけは無言。


「アイリス?」

「……。あ、はい?」

「いや、どうしたの?さっきから黙ってるけど。」


慌てて顔を上げるアイリス。


「覚えていませんか?信志さん。先ほどバルザールさんが見せてくれた2枚目の絵。……あれは確か昨日、ユーグさんと……。」


そこまで聞いて、ボクは走り出してしまった。


「ま、待ってください!!」

「急にどうしたんすか〜!?」


なぜかはわからない。

でも、体が勝手に動く。

確かにアイリスの言う通り、その絵の場所は。

昨日ユーグと出会った場所だった。

こんばんは、Whoです。


残念ながら、ラミアと仲間になることはできませんでした。

突然、あんなことを言われても「はいそうですか」となることは滅多にないので、彼女の意見は至極真っ当だと思ってます。

ロット?彼女は食べ物につられました。ええ。


ではでは。

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