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花屋は商魂たくましい  作者: Who
開店編
77/159

side 信志

「この子はロットって言って。……えーと、うん。その通り、『魔族』だよ。」

「なっ!?」


ロットの頭に手を置いて言う。

もちろん、他にも言わなきゃいけないことがあるけど、そこは隠せるものじゃない。


「離れろ、信志!」


驚きから回復した正輝くんが、降ろしかけていた剣をもう一度向ける。

もちろん、ボクじゃなくロットに向けてなんだけど。


「………………。」

「そいつは魔族なんだぞ!?そいつらがどういう存在か忘れたのか!!」

「……もちろん覚えているよ。」

「だったら!」


それでも退こうとしないボクにしびれを切らしたのか、ジリジリと正輝くんが寄って来る。

後一歩、二歩も近づけば剣がロットを捉える、そんな瞬間。


「待て、その話、詳しく聞かせてもらおう。」


突然、天井から間くんが入って来た。

いや、入って来たというよりも……降って来た?


「落ち着け、天野。」

「俺は落ち着いてっ!」

「いや、ここで戦いになれば、たくさんの民が傷つくぞ。それはお前も本分ではあるまい?」

「ぐ……。」


間くんの言葉で、正輝くんも剣を下ろす。


「椿、お前も言いたいことはあるんだろう。ここでは人も多い。場所を変えよう。」


そうしてボクらは城へ戻って来た。

ボクとアイリス、セレスちゃん、それにもちろんロットも連れて。



◇◆◇◆◇◆



「……というわけで、朝になったら店にぶら下がってたんだ。」


ボクの説明が終わると、聞いていた正輝くんたちは顔を見合わせた。

すぐには信じられない、という顔だ。


「わかりました。椿様が問題ないと言うのであれば、今は信じましょう。」


少し悩んだ後、ナルメアさんがそう言ってくれる。

でも、周りはどうも気に入らないのか、ひそひそとした会話が少し聞こえてくる。

ただ、ナルメアさんの言葉は、もちろんそれだけじゃなかった。


「ですが、噂はもう止められないでしょう。それに、この国は魔族を恐れています。それを匿っていたとなると、いくらアイリスや椿様のしたことでも、民は安心できないでしょう。私にはどうすることもできません。」

「……。それならこんな方法はどうですか?」


みんなに説明する。

その方法は、簡単。

ボクやロットをこの国から追放する、と言う方法だ。

この説明に真っ先に反応したのは正輝くんだった。


「ふざけるな!いくら魔族を匿っていたからって、そんなこと!あの魔族だけでいいじゃないか!!」

「そうかな?そうだといいけど……。でもきっとだめだ。それに、みんなに黙ってたことは事実なんだし。」

「だからって……、なんでお前ばっかり……。少し前に、メラーシュから無事に帰って来たばかりなのに。」


正輝くんの言葉を聞いて少し、嬉しく思える。

こんなボクにも、心配してくれる正輝くんのその優しさに。

でもだからこそ、彼に魔族を皆殺しにして欲しくない。


「大丈夫。もともと他の国に行ってみたいと思ってたんだ。」

「…………。わかりました。では魔族の娘ロット、それに勇者椿。両者をこの国から……。」


追放します、と続けたナルメアさんの声。

でもそれは多分、周りには聞こえなかった。


「待ってください!!私も。私も、一緒に行きます!!」


それより大きな声で叫んだ、アイリスのその言葉に打ち消されてしまったから。

こんばんは、Whoです。


ここら辺からキャラの考えが少しずつ……。

そう思ってもらえるように書いていけたらいいなぁ。


ではでは。

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