side 信志
「うぅ……。」
朝起きてみれば、身軽な格好をした女の子(?)がアサガオに巻きつかれていた。
しかもなにやら頭には角のようなものまで生えている。
明らかに人間とは違うようだ。
(うーん、さすがファンタジー……。)
なんて益体もないことを考えていると、アイリスとセレスちゃんも起きてきた。
「どうしたんですか、信志さ……えぇ!!」
「むー?どうしたアイリスさま……?」
セレスちゃんはまだ寝ぼけ半分みたいだけど。
目の前の子のこともあまり気にしていないだ。
「ん……はっ!!」
と、そうこうしているうちにその女の子が目を覚ました。
まぁすぐ近くで喋っていたらそうなるか。
「じ、自分は捕まったっすか……?……!こ、殺すなら殺すっす!何されても自分は喋らないっすよ!!」
直後にこっちを見て、そうまくしたてた。
「……この感じ、それからあの角。その子は魔族……だと思います。え、えと……。どうしましょう信志さん?」
自信なさげにアイリスが教えてくれる。
それに対してボクは。
(そうか、これが……。)
なんて思う反面。
(魔族……?本当に……?)
とも思っていた。
メラーシュで遭遇した魔族と違いすぎる。
なにより、ボクの知っているアサガオは腕に絡みつくぐらいで、拘束する力なんてない。
それにアジサイだって、精々が気持ちを落ち着かせるぐらいのものだ。
それが、ボクらが目を覚ますまでここで静かにしていた。
(暴れる意思はないんじゃないだろうか。)
そう思ったボクは女の子に近く。
危険ですよ、と注意してくるアイリスはひとまず置いておく。
この子に暴れる気があるなら、とっくに暴れ出しているはずだ。
それがないということは……。
「な、なにしてっるすか!?」
「何って、見ての通り。」
絡まっているツタを解く。
解くと言っても、もともとゆるく絡まっているぐらいで、別に縛り付けてはいない。
するすると簡単に解くことができた。
「な、なんのつもりっすか?こんなことしても、私は懐柔なんてされないっすよ!」
勢いよくまくし立てる魔族の子。
それだけしゃべれるのなら大丈夫だろう。
「そんな(面倒な)ことしないって。」
一部を小さな声で言って、解き終わる。
女の子はそのまま地面にへたりこんでしまった。
「立てる?」
「だ、だいじょうぶっす。」
ちゃんと立ち上がるのを見てから、セレスちゃんに向き直る。
「じゃ、朝ごはんにしようか。……セレスちゃん、4人分、お願い。」
「4人……?」
若干首を傾げながらも、台所に向かうセレスちゃん。
それを見て我に返ったアイリスが袖を引っ張ってきた。
「し、信志さん。大丈夫なんですか?……襲われたりはしないみたいですけど……。」
「うーん、正直わからない。」
「わ、わからない、って!」
「でもちょっとだけ、待って。確かめたいことがあるんだ。」
なおも何か言いたそうなアイリスを、むりやり押しとどめる。
確かに、危険かもしれないけれど、こちらが怯えている間は決して対話できない。
近づかないと、できてしまっている溝は一生埋まらない。
「ふ、ふん。ご飯なんてもらっても、仲良くなんてしないっすよ!」
「でもお腹すいてるでしょ?」
「そんなことはな」
ぐぅうぅうう……。
言ってる側から、お腹の音が聞えてくる。
「ほら。まぁ食べたからと言って、それで仲良くしろなんて言わないから。」
「…………。」
それっきり黙り込んでしまった。
もちろん、今何かして騒ぎになれば、たくさんの人に囲まれてしまうかもしれないので、そうするしかないのかもしれないけど。
こんばんは、Whoです。
ちょっと小心者が捕まったらそんな反応になりますよね、って。
はじめ、別の流れも書いてたんですがよくない方向に行ってしまったのでお蔵入りになりました。
また機会があればそんな話も書きたいなぁ。
ではでは。
あ、そうだ。
昨日にこのシリーズとは関係のない話を投下してます。
今のところかけているのが一話目だけなのでとりあえずそこまでですが。
更新は不定期になりますが、そちらも気にしてもらえたらと。




