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花屋は商魂たくましい  作者: Who
放浪編
63/159

side ナルメア

「物見台よりご報告します。アイリス様、ならびに椿信志殿の姿を遠方に発見。こちらに向かっているとのことです。」

「間違いはないのですか?」

「はい、確かにそう・・であったと。」


飛び込んで来た伝令兵に一瞬驚く。

アイリスと椿様はメラーシュで消息を絶った。

それ以降はなんの報告もなく、ただ亡くなったのだと思っていた。

それが、生きていた?


「急ぎ、正輝様と、間様をここへ。」

「了解しました!」


出て行く伝令兵を見送って、部屋の中に視線を戻す。


本物・・、だと思う?」

「分からないわ。それを、ちゃんと確かめないといけません。」


そこには既に、真剣な目をしたテトが立っていました。

おそらく、伝令兵の伝えて来たことは本当のことでしょう。

しかし、彼女の言う通りそれが本物であるかは別の話になります。

なぜなら。


「待たせた。」

「アイリスさんと信志が帰って来たって!?」


ちょうど、これからどうするかを考えようとしたところで、正輝様達が帰還しました。


「はい。ですが。」

「なら、すぐにでも!!」

「ですが!少しだけお待ちください。本物かどうかが、まだわかっていないんです。」

「……どういうことだ?」


飛び出して行こうとする正輝様を押しとどめて、説明を始めます。


「魔族は、私たちにない力を持っています。分かっているだけでも、他者に変身する力。意識を乗っ取り、操る力。……それから、死者をも操り、生きる屍にしてしまう力。」

「……なるほど。つまりはそれらによって操られてしまっている状態の、信志に見える『何か』、だと?」

「そのとうり、にゃ。」

「…………。」


俯いてしまう正輝様。

それでもすぐに顔を上げて。


「ですが、確かめる方法もあります。」

「……なら、それは俺にやらせてほしい。これでもいくつか魔族は倒して来ている。必ずやってみせるさ。」


正輝様が、背負った剣「エクスコード」を触りながら提案した案は、驚くとともに嬉しいものでした。

彼の言った通り、二人の勇者様は既に幾体の魔族を倒し、勇者としてかなりの力を持っておられます。

その実力は止まることを知らず、ついには、伝説と謳われていた「エクスコード」を手にいれるまでに至りました。


「ええ、こちらからもお願いします。魔族の使う術に詳しい者を二人ほどおつけします。テト。」

「了解にゃ。」


アイコンタクトを送ると、すぐさまテトは従者を選ぶために走り去りました。


「なら、この俺は今しばらく様子見としよう。」

「……お願いします。」


ひらひらと手を振りながら間様は城の屋上へ向かいます。

そこからなら、正輝様の様子もよく見えるのでしょう。

噂が既に広まっているのか、騒然となる城を抜けて私たちも門の前に向かいました。



◇◆◇◆◇◆



「お待ちしておりました、ナルメア様、勇者殿。」


私たちが門の前に着くのと同時に、二人の術者が現れました。

カルテと、マナです。


「ユーステスの術師団所属、カルテです。」

「……同じく。マナ、……です。」

「あぁ、よろしく頼む。」


二人の紹介も済んだところで。


「……では、お気をつけください。」

「…………一緒に召喚された仲間のところに行くだけですよ。でも。……わかりました。」


正輝様に続いて、カルテとマナも門をくぐります。

結論から言えば私の不安は、半分外れ、半分当たっていました。

こんばんは、Whoです。


死んだと思ってた人が突然帰って来たら、そりゃ疑いますよねと言う話。

信志とアイリスは無事に入れるんでしょうか、ということで。


ではでは。

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