side 信志
「ああ゛あぁぁぁあ゛あぁぁぁああ゛ぁああ゛ぁ!!」
アイリスの方へ向かったゾンビからさっきまでのよりも大きな叫び声が聞こえて来る。
その声に思わず、ガルマンさんもサラさんも、ついでにボクも注目する。
もちろん周りのゾンビも一緒に。
「一体何があった。」
「……アイリス?」
「「「ああ゛あぁぁぁあ゛あ!!」」」
心なしか、アイリスから一歩距離を取ったようなゾンビ達を尻目に、アイリスの元へ急ぐ。
「大丈夫?アイリス。」
「…………信志さん。この、人……。」
「?」
近くまで駆け寄ると、震える声でゾンビを指差す。
その顔にはやっぱり見覚えがあって。
「っ!」
「大丈夫か?」
思い出した顔に、体が硬直してしまう。
そこへ、二人もやってきて。
「……そういうこと。」
途中で説明してくれたのか、ボクらの反応を見たサラさんも納得してくれる。
「……『ヒールウェーブ』!」
「一度体勢を立て直すぞ。ついてこい。」
「「「ああ゛あぁぁぁあ゛あ!!」」」
ゾンビに向かって魔法を放つと、そのまま後ろを向いて走り出す。
その背中に、ボクらもなんとかついて行った。
◇◆◇◆◇◆
「さて、ひとまずここでいいだろう。」
たどり着いたのは、元いた建物。
台所をちらりと覗いた時に、美味しそうな匂いがした。
そういえば夕食はまだだったことを思い出す。
「……お腹減った。」
「ん?そういえばまだだったか。」
どうやらサラさんも同じ意見だったようで、ひとまず食事となった。
「では改めて、確認しようか。」
食事も終わり、片付けた後でガルマンさんが口火を切る。
問題はもちろん、ボクらとゾンビのこと。
「確か、信志も言っていたな。見たことがある顔だ、と。」
「はい。確かにこの町で見た顔でした。」
「そうか。信志だけでなくアイリスも、ということならまず間違いはないだろう。」
ガシガシと頭を掻いて、ガルマンさんがため息をつく。
「……悪い知らせ。」
「ああ。そうだな。」
ボクらはサラさんのお姉さんらしい、ネロさんを探しにきた。
そしてネロさんはこの町にいて。
この町の人はゾンビになっていた。
ということは。
「ネロさんも、ゾンビに……。」
「ああ、そう考えるのが自然だろうな。」
「………………。」
頷くガルマンさんの言葉に、サラさんが目に見えて落ち込む。
そんなサラさんの手をアイリスが掴む。
「で、でも必ずそうと決まったわけじゃ、ないですよね……?」
「……そうだと信じたいがな。」
ガルマンさんのその一言で、空気が重くなってしまう。
でも確かに……。
むしろ無事である理由が思いつかない。
「仕方ない。今日はここまでにしよう。」
ガルマンさんが立ち上がる。
「最初は俺が見張りに立とう。その次はサラだ。」
「……ん。」
「二人は今のうちに休んでおくといい。」
そのまま押されるように、部屋にいれられる。
でも。
もちろん、眠れるわけがなかった。
こんばんは、Whoです。
もう直ぐ終わるとかいってましたが、もうちょい続くことになりそうです。
それと次の更新は、少し時間が空きそうです。
ではでは。




