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花屋は商魂たくましい  作者: Who
放浪編
55/159

side アイリス

「サラさんも『治癒師』だったんですね。」

「……(コクリ)。……も、ってことはあなたも?」


サラさんの言葉に、今度は私が頷きます。

といっても、私にできることはまだ少ないので、『同じ』というのはなんだか申し訳ないのですが。


「でもすごいですね。『治癒師』なのに戦えるなんて。……あ、いえ、そういう意味では。」


『治癒師』なのに戦える。

それが素直な感想だったけど、言葉の端に棘がある気がして、慌てて言い直す。


「……大丈夫、私もそう思う。……『治癒師』は全然強くない。」


でも、と一旦言葉を切ってからサラさんが続ける。


「……それが『戦えない』ってこととは違うって、言ってた人がいた。……『役立たず』なんかじゃないって、言ってくれた人がいた。」

「!」


最後に聞こえた『役立たず』という言葉に反応してしまう。

まさしく今の私がそう思えるから。


「…………すごいですね、サラさんは。」

「……そう?……私なんて全然すごくない。」

「そんなことないです!」

「……そ、そう。そこまで言われると、照れる。」


思わず大きな声が出てしまった私に、一瞬だけぽかんとしてから、うっすらと顔を赤らめる。

三角の耳もひょこひょこと動いていて。

すこし冷静になった私は、やっぱりネロさんに似ていると心の隅で思いました。


「私も、サラさんみたいになれるでしょうか?」


ポツリとこぼした私の言葉に、表情を戻したサラさんが首をかしげます。


「……私なんてすごくない、から大丈夫だと思うけど。……なぜ?」

「私も、人の役に立ちたいんです。…………なのに、どうしてもうまくいかないことが多くて。」


お父様の時もそうだった。

私にもっとできることがあったのではないか。

私にもっと力があれば……。


メラーシュでは違和感すら感じれなかった。

『治癒師』も魔力を使う役割なので、魔力を感じれるはずなのに。

私にもっと力があれば……。


信志さん達が来てくれる前。

一度国に大きな魔物がやってきたことがあった。

なんとか撃退したものの、けが人も多かったのに、その時私はまだ、能力をうまく使えないでいた。


どうして、私は……。


バチッ!


「ぁう。」


深く、深く沈んでいきそうになった所で、おでこに痛みを感じました。

思わずおでこを抑えて、犯人、サラさんに向き合います。


「な、なにするんですか。」

「……ん。あなたも私と同じことを考えているみたいだったから。」

「同じこと、ですか?」


首をかしげてしまう私に、サラさんは頷いてから。


「……誰かの役に立ちたい気持ちはわかる。……でも焦っちゃだめ。」


目を合わせ、正面から言われたサラさんのその言葉は、静かに私の中に沁み込みます。

ゆっくりと、私の中に。


「でも、それで今までうまくいかなくて……。」

「……そう。……だから次に必要なのは知識。」

「知識、ですか?それなら、たくさん……。」


専門の人に聞きました、と言おうとした所で、サラさんが首を横に振ります。


「……大事なのは、能力でなにができるかじゃなく、どんな事が起こるか知ること。」

「どんなことが起こるか……。」

「……ん。……それを知れば色んなことができるようになるし、それは私でも教えられると思う。……だから、焦っちゃ、だめ。」

「はい……。」


頷く私から、サラさんはそっと目をそらした。

さっきと同じように、ほんのすこしだけ顔を赤くして。

小さな声で。


「……から、『アイリス』って呼んでもいい?」

「…………はい。もちろんです。よろしくお願いします、サラさん。」

こんばんは、Whoです。


おかしいな、なんだか怪しい雰囲気になってません?この二人。

なってない?よかった。


ではでは。

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