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花屋は商魂たくましい  作者: Who
放浪編
50/159

side サラ

「……やっと戻ってこれた。」

「そうだな、今回は少しばかり長かったな。」


背負っていた荷物をどさりと隣に落とし、心のそこから疲れたことをアピールする。

ここはヨイツの街。

私とガルマンが拠点としている街だ。


「……全く、何で私たちがあんなことを……。」

「まぁ、そう言うなサラ。組織があるからこそ、我々は自由に動けるのだ。」

「……。」


組織。

私とガルマンは孤児として、その組織に拾われた。

成長した今では、その一員として依頼をこなしている。

もちろん、そのことに不満はないし、育ててくれたことには感謝もしている。

のだが。


「……それとこれとは別。」


依頼の魔物を倒しても、依頼主や組織の上司からケチがつくこともある。

達成が遅いなど、小言を聞くのは嫌いだ。


「その気持ちはわからんでもない。……なればこそ。今日はゆっくりと休んで英気を養うとしよう。」


そう言って、ガルマンは懐から袋を出した。

中に報酬のたっぷり入った金貨袋だ。


「……ん、そうする。あのお店、また行きたいと思ってた。」

「では、そこで楽しんだ後、ギルドに顔を出すとしよう。」

「……ん。」



◇◆◇◆◇◆



「……満足。」

「それはよかった。では、向かうとしよう。」


立ち上がって、店を出る。

向かうのはこの街のギルド。

主に依頼を受ける場所だが、そこには色々な情報も自然と集まる。

その情報を目当てに、他の冒険者も訪れるので、さらに情報が集まる。


「……ちょうどいい依頼が見つかるといい。」

「そればかりは、運だからな。せいぜい祈るとしよう。」


帰って来て、すぐに依頼に行くことはないが、事前にできる準備というものがある。

それを休む前に考えておく。

準備はできるだけしておいた方がいいだろう。



◇◆◇◆◇◆



「ふむ、これなんていいんじゃないか?」


ガルマンが見つけた依頼書は、近くにわいた魔物の駆除。

この時期には決まってこの手の依頼が出る。

魔物が畑を襲うからだ。


「これならば、体を休めながらこなすこともできるだろう。無論、油断してはいけないがな。」

「……ん、いいと思う。」


頷いてそれを受け取る、寸前。


「ネ、ネロ、さん……?」


こちらを向いていた、一人の少女が呟く。

その名は、いつか別れてしまった子の名前。

私に似た見た目の、私の大事な……。


「今、『ネロ』って言った?」


気がつくと私は、その女の子に詰め寄っていた。


「どうした、サラ。知り合いか?」

「えっと、知り合い?アイリス。」


私の後ろにいたガルマンと、少女の後ろにいた少年の声に我に帰る。

自分でも知らないうちに掴んでいた少女の肩からも手を離す。


「ふむ、二人とも、少し時間あるか?」

「えっと、はい。大丈夫です。」

「少し話がしたい、ついて来てくれ。……サラもそれでいいか?」

「……わかった。」


私の慌てぶりから、なにか感じたのか。

ガルマンがその場を収めてくれた。

私が尋ねた質問に、目の前の少女は頷いた。

と言うことは、この少女は知っていると言うことだ。

ネロが、どこかで生きているかもしれない。

その場所を。



◇◆◇◆◇◆



「まずは自己紹介といこうか。俺はギルマンという。しがない冒険者の一人だ。」

「……同じく、サラ。」


初めての人には、基本的に組織の名は伏せる。

世の中には知らない方がいいことも多い。

組織だって、清廉潔白な部分ばかりじゃない。


「ボクは椿信志。」

「アイリスです。こちらには依頼をお願いしに来ました。」

「依頼、と言うと?」

「護衛を探しているんです。私たちはどうしても、すぐにユーステスまで戻らないといけません。」

「なるほど。では俺たちが力になってやれるかもしれん。」

「本当ですか!?」


ガルマンの一言に、目の前の少女、アイリスが身を乗り出してくる。

そこで、私も身を乗り出す。


「……さっき、私を見てネロって言った?」

「はい……。でもそれは一体……?」


そこに帰ってくる、私の望んだ答え。


「……ネロは、それは。……私の生き別れの姉。……もう一度会いたいと、思っていた。」


震えそうになる言葉で、それだけ言い切った。

こんばんは、Whoです。


気がついたらこんな時間に……。

急に遅れてごめんなさい。


さて少しずつお話も動かしていけるように……なってるといいな〜。

もっとどんどこキャラを動かせるようになりたい。


ではでは。

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