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花屋は商魂たくましい  作者: Who
放浪編
46/159

side アイリス

「すまねぇな。今、有力の冒険者はほとんど出払ってるんだ。」


ヨイツの冒険者ギルドへやって来た私たちは、早速依頼をすることに。

しかし、帰って来た返事は予想していなかったものでした。


「あんたら、ここら辺じゃ見かけない顔だよな。今はこの辺も安全になって来たからな。遠出できるような冒険者は軒並み遠征に行っちまったんだ。」

「遠征、ですか。」

「ああ、だから帰ってくるまで少しかかると思うぜ。」

「……わかりました、ありがとうございます。」


いつまでもそこにいても仕方ないと、一度カウンターを離れて信志さんのところへ戻ります。

ギルドの中には、酒場も設置されていたので、場所を取っておいてくれています。


「どうだった?」

「ダメでした……。今は人が少ないそうです。」

「そっか……。」


席はほとんど埋まっていて、信志さんが取っていなければ座れなくなるところでした。

座ってふとテーブルの上を見ると、さっきとったばかりのギルドタグをいじっています。


「せっかく取れたのに。」

「いいじゃないですか、無駄になったわけじゃないですし。」

「まぁね……。」



◇◆◇◆◇◆



「決まったか?」

「うーん……。」


ヨイツに入ってしばらく。

私と信志さんは、どのギルドへ行こうかという話になりました。

もちろん、どこに所属してもいいのですが、なるべくならこれからも所属していられる場所が良さそうです。


「冒険者ギルドだと、私たちでは力不足になりそうですからね。」

「やっぱりそうだよなぁ……。」

「あそこは実力主義なところがあるからな。その点俺らの商人ギルドはそんなこともないぞ。」

「審査の勝手もわかってますからね。」


ギルドの登録は簡単で、渡されるタグに血を垂らすだけで完了します。

生き物の血には必ず少量の魔力が含まれていて、それが個人を認識する鍵になります。

それに加えて、ギルド毎に違う審査もあるようですが。


「やっぱり商人のギルドにします。」

「おう、なら早速向かうとしよう。」


信志さんの言葉にグラッドさんが馬車の向きを変えました。

向かうのは周りより、一回り大きな建物。

きっとあそこが商人ギルドなんでしょう。



◇◆◇◆◇◆



「椿信志さまと、アイリス様ですね。ではこちらを受け取りください。」


受付の人に申し込んでからしばらく。

何も書かれていないタグに血を垂らしました。

すると。


「おお、さすが魔法だ。」

「こんなふうになってるんですね。」


二人してじゃっかんずれたような感想を言いながら、タグに出る文字を眺めます。

信志さんのものには名前と役割が。

私のものには名前と役割、それに生まれた場所が記されていました。


「あれ、おかしいですね。椿さまの生まれはどちらですか?」

「え?……あー、遠いところです。多分言ってもわかってもらえないような感じの。」

「そうなんですか?わかりました。……犯罪歴もないようですし、こちらで登録を完了させていただきます。」

「いいんですか?」

「はい。うちとしては、生まれよりも大事にするものはたくさんあります。そちらはおいおい確認させていただきますので。」


最後に、ギルドについての説明を受けました。

今回は初めてということで、無料だったが、もし無くしてしまった場合は再発行にお金がかかるということ。

1月の間に二回以上紛失すると、信用できないということで、ギルドに登録できなくなってしまうこと。


「こちらからは以上ですね。何か質問などございますか?…………では、良い商売を。」



◇◆◇◆◇◆



「しばらく待つしかないんでしょうか……。」


依頼を頼む冒険者がいなくては話にならない。

信志さんと、大きなため息をつこうとしたその時。


「あれ、信志さんにアイリスさん?」

「おう、また会ったな。」


入り口の方から聞こえてくる声に振り返ると。


「グラッドさん、レンツくんも。」


先ほど商人ギルドで別れたお二人の姿がありました。

こんばんは、Whoです。


ちょっと急ぎすぎかなと、手探り状態の日々です。

もっとしっかり表現した方が、いやいやそれだと展開のスピードが……と悩み続けています。


来週こそはちゃんと1130に間に合わせます。

いえ、きっと。


ではでは。

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