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花屋は商魂たくましい  作者: Who
幻の都編
34/159

side アイリス

「っ。信志さん!」


呼びかけに、自分の腕に視線を落とす信志さん。

つられて私も自分の腕を見る。


(ナルメア姉様がくれた腕輪……。)


信志さんが初めてこちらの世界に来た夜に、お互いの腕にはめた腕輪。

お互いの場所を、ぼんやりとだが把握できる。

さっき別れたあとで、どうにも彼が遠くにいるような気がしたのでここまで追ってきたのだ。

腕輪で感じる方向に。


「どうしたんですか!?こんなところで。」

「アイ……リス……?」


駆け寄ると、信志さんがゆっくりと顔を上げて私の名前を呼びます。

その顔は、今にも力尽きてしまいそうな顔で。

見ているだけで、私の胸がズキズキと痛みます。

そして。


(こんな顔を、どこかで見たことがある……?)


記憶の中のどこかで、きっと私は、今の信志さんに似た顔を見たことがある。

それはいったい、どこだっただろうか。

…………。


(今は、それどころではないですね。)

「『メディカライズ』!」


深みにはまっていきそうになるその考えを中断して、ひとまず信志さんの状態を見る。

……結果は。

疲労と、寝不足。

外的な怪我は見つからなかった。


(よかった……。)


安堵で腰が抜けてしまう。

こういった場でしか役に立たない私の能力だけど、今はそれで十分。

信志さんの近くで座り込んだまま、動けなくなってしまった。

今更だが、息も荒くなっている。

そんなぐったりとし始めた私を、信志さんが不思議そうに見てきます。


「……どうして、ここが?」

「これです。この腕輪。」

「……あぁ、そういえば。」


私が腕を指さすと、信志さんも自分の腕を見て納得したように頷きました。

そこで口を閉じたので、今度は私の番です。


「どうして……。どうして、こんな無茶ばっかりするんですか……?」


口に出す際に、声が震えてしまいます。

信志さんは、どうしてそこまでするのか。

そう、できるのか。

なぜかずっと聞けなかったことを、ついに彼にぶつけました。


「…………。」

「信志さん!」


答えようとしなかったので、少し強い口調でもう一度聞くと、苦笑いした後話始めました。


「こっちの世界に来るまで、ボクは普通の人だったんだ。」


だから勇者として呼ばれて、頼ってもらって。

それが嬉しかったのだと、信志さんは続ける。

それを聞いて私は、さっきの不思議な思いを思い出していた。

倒れた信志さんの顔が、どこかで見た誰かの顔に似ていることを。


「……だからボクは頑張れた。普通なら面倒臭がって絶対にこんなことしない。」


自分のことを、面倒臭がりだという信志さんの目は、どこを見ているわけでもなくて。

そんな目を正面から私は見たことがあるようで……。

思い出せそうで、思い出せない。

そんなやきもきとした気持ちで、私は信志さんの次の言葉を待ちました。

こんばんは、Whoです。


短いです。すいません。

ここは二人の内情を書きたいので、小刻みになります。


さて、余談なんですが。

最近このサイトの中で、このお話に似た形式(視点が毎回変わる感じ)のお話をたまたま見つけましてね。

もしや、このお話を読んでくれた方なのでは、と一人嬉しく思っています。

たぶん気のせいだとは思うのですが、僕が書いた作品が誰かの手を通して、他の何かに繋がっていくんだなぁと、なんだかしみじみしました。

もし、そんな方がいらっしゃって、Twitterや感想等で絡んでくだされば、よろこんで友達になりに行くので、よろしくお願いします。


ではでは。また来週。

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