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花屋は商魂たくましい  作者: Who
幻の都編
32/159

side アイリス

「じゃあ、早速でかける。」

「そうですね、そうしましょうか。」


信志さんとわかれてから、私とネロさんは館をでます。

なんでも、ネロさんが私に話したいことがあるみたいです。


「でも、ネロさん。大事なことっておっしゃってましたけど、本当に私だけでいいんですか?」

「ん。信志にはまだ早い。」


大事な話と聞いた時、信志さんも一緒の方がいいのでは、と思ったのですが。

ネロさんは頑なに首を縦に振りません。

一体、どういうことなのでしょうか。



♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎



「ここですか?」

「そう、ここ。」


たどり着いたのは一軒の酒場、でしょうか。

まだお昼前なのに、店の中にはかなりの人がいるみたいです。

その入り口で、ネロさんは扉を開けて、私を招き入れてくれます。


「よぉ、ネロの嬢ちゃん。今日も領主様のお使い……ってわけじゃなさそうだな。」

「正解。……静かな席は空いてる?」

「おう、そういうことなら、二階を使いな。」

「ありがとう、マスター。」


中に入ると、体を立派に鍛えた、店の主人がネロさんに声をかけてきました。

私にも、どうぞごゆっくり、と声をかけてもらい二階の席に移動します。


「ネロさんは、よくこのお店に来るんですか?」

「ん。領主様がここの料理を気に入ってるから。」

「だから、店主さんとも顔見知りだったんですね。」


私たちが席に着くと、店主さんが上まで登ってきてくれました。


「注文は決まってるかい?」

「飲み物を適当にお願い。……アイリスはもそれでいい?」

「はい、お願いします。」

「かしこまりました、っと。……ところで銀髪の嬢ちゃん、あんたこの辺じゃ見ない顔だよな。」

「はい、王国の方から来ました。アイリスです。」


私がそう答えると、店主さんが急にビクリとしました。


「王国から来て、その御名前!……もしかして第三王女様ですかい!?」

「は、はい……。」


そのまま勢いよく聞かれ、頷いてしまいます。

後にして思えばあまりよくないことでしたが。

ともかく、私の言葉を聞いた後、しばらく驚いて固まっていた店主さん。

しばらく私達の顔を見続けた後。

ようやく我に返ったように、


「こ、これはとんだご無礼を。……汚いところですが、よければゆっくりしていってくださえ。」

「そ、そんなにかしこまらないでください。」


急に頭をさげる店主さん。

私は慌てて手を体の前で振って、頭を上げてもらいました。

信志さんもネロさんもこういったことはしないので、すっかり忘れていました……。

王女様って普通こんな感じですよね……。

店主さんが下に戻った後。

ネロさんがこちらを振り向いて、


「……私もそうした方がいい?」


なんて笑いながら聞いてきました。



♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎



「それで……。大事な話ってなんですか?」


頼んでいたものが一通り揃ったあと。

ネロさんに今日の目的を、聞きました。


「…………。忘れてた。」


しばらく口を動かした後。

それをごくりと飲み込んでネロさんが呟いた言葉に、思わずがくりとなってしまいます。


「ネロさん……。」

「……大丈夫、冗談。」


全く冗談に聞こえない声で、そんなことを言ってから。

ネロさんはその目をすっと、細めたなんだか真剣な顔で。


「私、信志の事が好き……かもしれない。」

「っ!」


ガタガタガタッ!

突然の告白に、私は思わず席を立ってしまいます。

いつ?どうして?

そんな疑問が頭の中を飛び回ります。

立って、そこまで考えてからようやく。

そこまで驚いた自分に恥ずかしくなり、顔が紅くなりました。

その理由を考える前に、ネロさんに席へ戻され。


「落ち着いて。」

「…………はい。大丈夫です。」


一息をついてから。


「でも、どうして私にその事を?」


色々気になるけれど、まずは一番の疑問から。

なぜ信志さんではなく私に、なのか。

それに対する、ネロさんの答えは簡潔で。


「……ん。アイリスもそうだと思ったから。」

「私が……ですか?」


そう言われ、はじめに思ったことはそうだろうか、という気持ちだった。

確かに、嫌いではない。

むしろ、好きだとも思うし、勇者様として、尊敬もしている。

でも、ここでの「好き」はその、恋愛的な話なわけで……。


「そう、なんでしょうか……?」


結局。

出てきたのは頼りない、疑問系の答えだった。


「違うの……?」

「自分でもよくわかりません。今まで、誰かを好きになるなんて、考えたこともなかったですから……。」

「そう。」


頷いてから、徐に手を伸ばしてくるネロさん。

ええと……?


「だったら私たちは仲間。」

「そう、ですね。」


確かに。

確かに、ネロさんも最初に「かもしれない」と言っていました。

自分の気持ちがよくわかっていない者同士、仲間と言えるかもしれません。

伸ばされていた手を握り返します。

同時に。


「この話は確かに、信志さんにはできないですね。」

「まったく。信志にはまだ早い。」


二人で笑って。

いつか答えが出るようにと、こっそり願いました。



♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎



「ちょっと遅くなってしまいましたね。」

「ん。反省。」


ネロさんとのんびり話をした後。

店を出る頃には、夕方に近い時間になってしまいました。

足早に戻る私たちの前。

道が交差しているところに。


「信志……?」

「本当ですね。」


さっきまで話題にしていた、信志さんその人がいて。

こちらを確かに見て。


「信志さんっ!!」


そのまま。

地面に倒れて。

こんばんはWhoです。


すいません、ずいぶん長く遅刻してしまって。

なんとか復帰できるまで戻ってきたので、再開です。


できる範囲で、ですが頑張っていきますので気長におつきあいください。

ではでは。


女の子同士の会話、うまくなりたい……。

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