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夕暮れ時の、薄暗い部屋。
そこに、彼らはいた。
「……戻ったか。」
「はい、たった今、館の前に。」
執務机のような大きな机と、立派な椅子。
そこにふんぞり返るように座る男と、机の前に立つ男。
「……で、利用できそうか?」
「はい。」
「……即答か。」
返事が短かったことにも苦笑しながら、座っている男は目の前の男に、続きを促す。
「彼の能力は素晴らしい。限定的ではあるものの、無から有を生み出している。
それはつまり、彼のいる場所では、飢饉が起きないということです。
彼一人で、大量の補給部隊の代わりすらできてしまうでしょう。」
「……ふぅむ。」
話していくうちに熱が入ってきたのか、大きな身振り手振りを交えて、男は言葉を作る。
それに対して、座っている男はあくまで冷静だった。
「だが彼は曲がりなりにも勇者だろう?」
「はい、ですが彼の能力は操草師。攻撃的な能力は持ち合わせていません。
一緒にいる王女も治癒師。問題にはならないでしょう。」
ただ、と男は一度言葉を切る。
「一緒にいる護衛の女騎士。彼女に本気で抵抗されれば、こちらも苦戦は免れないでしょう。
なにせ、魔族と戦って生き延びた者ですから。」
「失敗」や「敗北」ではなく、「苦戦」と言い切る男。
彼にとってはそれぐらいのことでしかない、ということだ。
「……そうか。」
男は考え込む。
確かに女騎士は脅威だ。
だが、逆に言えば、それさえ排除すればいい。
男の出した答えは……。
ニヤリと笑う、暗い表情だった。
「では、今夜から準備に取り掛かります。」
そう言って、部屋を出て行く男の背中を見送った後。
椅子から立ち上がった男は、窓に向かう。
ちょうど、勇者と王女が女騎士と話しているのが見える。
そんな彼らを見て。
「憎しみ」でも「嘲り」でもなく。
顔を「優しそうな」表情にした男は、彼らを出迎えるために下へと降りて行った。
こんばんは、Whoです。
今回は短いです。はい。
話の構造上、第三者視点にするとかなり短くなってしまったりします。
なので本当はもうひとつ話を、と思っていたのですが。
本日の昼、パソコンに反旗を翻されまして。
ええ、書いていたデータが飛ばされてしまいました……。
ですので、今回はここまでです。
すいません。
ではでは。




