side アイリス
「止まれ!」
先ほどまでしゃべっていた声とは違う、鋭いメルトさんの声。
その声を聞いた兵が、急いで馬車を止めます。
「やあ、いい天気だね。」
そのあとに聞こえてきた、聞き覚えのない声。
喋り方からも、兵とは思えません。
ということは……。
「その気配、お前魔族か。」
メルトさんの声に、兵が臨戦態勢を整えます。
『それ』は私たちの少し先、道端にある木の上にいました。
「んふふ、怖いなぁ。別に戦いに来たわけじゃないのに。」
「ならば、何をしに来た。下らない世間話をしに来たわけではないんだろう?」
「僕は好きだけどねぇ、こういう話も。」
パチン。
「でも困るんだよねぇ。君たちに今、この先に行かれたら。」
指を鳴らすと同時にあたりに煙が立ち込めます。
あっという間に、視界が悪くなっていきました。
「クッ。姫さん、信志。あいつの狙いは恐らく、あんたらだ。
でも、幸いメラーシュは目と鼻の先だからね。あんたらだけでも先に行ってくれ。」
「……大丈夫なんですか?」
メルトさんの意見に信志さんが問います。
「大丈夫さ。あたしはこれでも騎士の端くれだからね。……さぁ、行った!」
「行きましょう、信志さん。」
「わかりました。すぐに助けを呼んできます。」
メルトさんが魔族に向かっていくと同時に、私たちも馬車から飛び出します。
メラーシュにたどり着けば、少ないながらも、援軍を組織できます。
メルトさんが時間を稼いでくれている内に、煙を抜けてしまわないと……。
手探り状態になりながらも、できるだけ急いで煙の中を進んでいきました。
後ろから聞こえて来る戦闘の音は、だんだん小さくなっていきます。
無事に魔族からは離れられているようですね。
煙が薄くなってきたところで、見覚えのある丘が見えてきました。
メラーシュはあの丘の向こう。
「見えてきました。もうすぐです、信志さん。」
「わかった、いそごう。」
そして。
煙を、抜ける。
眼下に見えるのは、確かにメラーシュの町です。
私たちは、少し足を速めて町に急いで行きました。
こんばんは、Whoです。
暑い夏が続いていますが、お元気ですか?
先日海に行ったのですが、砂浜で爆睡してしまい、足に火傷を負ってしまいました。
今も痛みと戦いながら話を書いています。
なので短いですが、ここが切りのいいところなので今回はここで。
ではでは、また。




