第40話 「バイト1日目 (朝)」 エリア:貿易都サウザン(魔法道具店キルア)
「キルアさんおはようございます」
「おはようございます」
「……おはよう」
俺とシャルルとシェリーはキルアさんの店へとやって来ていた。
「あら、みんなもう来たのね。寝坊しないなんて偉いわね」
「寝坊なんかしたらしばかれそうなんで、二度寝ご法度気合いで起きました」
「ふふっ、よくわかってるじゃない」
「ウィッス」
キルアさんは怖い、はっきりわかんだね。
怒らせないようにしとこう。
このあと、俺とシャルルとシェリーは制服という名のメイド服に着替えた。
俺だけはプラスで黒髪ロングのウィッグを装着。
ここにきてとんでもない絶望感に見舞われた。
もうおうち帰りたい……
「さて、みんな着替えたおころで、そろそろお店に行きましょうか」
「お店に行きましょう? ここがお店じゃないですか?」
「あなたたちが働くところに決まってるじゃない」
「え、この店で働くんじゃないんですか?」
「何を言ってるの変態くん、この店で働くなんて一言も言ってないじゃない」
「ちょ、ちょっと待ってくださいよ!」
「待ちません」
「本当に待ってくだ………」
「うるさい、わめいてないで行くぞ」
う、嘘だろ……!?
キルアさんには失礼かもしれないが、この店は客足が少ないからメイド服着て働いても辱めは少ないと考えていたのに!
もしかして、もっと客足が多い店で働くのか?
勘弁してくれ……
「もう泣きそう」
「変態くん、泣いてる暇なんてないわよ」
「泣いてませんよ! 泣きそうなだけです!」
「泣いてるのと変わらないじゃない」
「泣いてません!」
この後、俺はどうなってしまうのだろうか。
俺は底なし沼のような不安に、躰が沈み込んでいってるような気がした。




