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剣さえあれば魔法なんていらない!  作者: 神桜
第1章 輝ける星々
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第34話 「幕間:キルアの記憶2」 エリア:貿易都市サウザン(魔法道具店キルア)

 

 キルアさんは飲み物を淹れに行ってから数分で帰ってきた。


「はい、シャルルちゃんシェリーちゃん。紅茶淹れたてだから火傷しないように気をつけてね。変態くんはコーヒーだけどいいかしら?」


「えっ!? 俺にも飲み物を淹れてきてくださったんですか!?」


 先ほどからの高圧的な態度。

 絶対に飲み物なんて淹れてもらえないと思ってたから、正直驚いてしまった。


「あら、いらないのだったら私が飲みますけど?」


「いやいや、飲みます飲みます!」


「そう、それなら良かったわ」


 俺はカップを右手で持ち、コーヒーをすすった。

 瞬間、苦味と深いコクが口の中に広がる。


「……美味い」


 日本にいた頃はよくインスタントコーヒーを徹夜のお供として飲んでいたが、そんなものとは比べものにならないくらいに美味い。

 インスタントコーヒーのような味の薄さはなく、しっなりとした苦味とコクがある。

 多分、高価なコーヒー豆を使っているだろう。


「ふふっ、いいコーヒー豆使ってるから美味しいに決まってるじゃない」


「どんな豆を使ったか教えて欲しいくらいですよ」


「そらはまた今度ね。今は話の続きをしなくちゃ」


 そうだ、今はシルフィーの父さんの話を聞いているのだったのだ。

 あまりにもコーヒーが美味かったせいか、話がかなり逸れてしまった。


「そうですね、話の続きをお願いします」


「ええ。確か囮魔法の話をしたところだったわね」


「はい」


「囮魔法を使ったユウキは、あっという間に数千もの敵に囲まれてしまった。それで私たちは、ユウキが敵を引き寄せているうちに渓谷から逃げ出し王都へと撤退したの」


「それでシルフィーの父さんは……」


「帰って来なかった。後の調査で渓谷から人骨とユウキが使っていた杖と剣が発見されて、死亡したと判断されたわ」


「そう、ですか」


 仲間を逃がすために自分を犠牲にする。

 そんなことをする人はゲームや小説だけにしかいないと思っていたが、現実の世界にもいるということを今日知ってしまった。

 もう、タゲ乙なんて言って煽れないなこりゃ。


「それで借金の話だけど 、作ったのはギルド設立のときと税金を納めるときなの」


「ギルド設立と税金?」


「私たちの王国は新たにギルドを設立するときにお金がかかるの。大体金貨5000枚くらいかしら」


「金貨5000枚!? エグい……」


「まあ、ローン組んで払うことができるから。ギルドを設立したあとに依頼されたクエストをこなして、数十年かけて収めるということもできるわ」


 それ、住宅ローンやん。

 ウチの親も使ってたなー。


「あとは税金ね。この王国ではギルドマスターに特別課税があって、月に金貨100枚を国に納めなければならないの」


「うわぁ、メチャクチャ金搾り取られるじゃないですか」


 どこの世界に行っても金が必要になるのか……


「仕方ないわ、それが決まりなんだもの」


「はぁ……」


 俺は大きなため息を吐いた。


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