第31話 「魔道具販売店キルア」 エリア:貿易都市サウザン(中心部)
カランコロンッ!
店のドアに吊るされた鈴が店内に響く。
「魔道具販売店キルアへようこそ! どんな魔道具をお探しですか?」
緑髪巨乳のお姉さんが俺たちを出迎えてくれた。
やっぱり巨乳は素晴らしいな。
まな板貧乳も芸術的で美しいが、特盛りボリューミーな豊満な胸と比べてしまうと見劣ってしまう。
だが、人それぞれに似合った胸の大きさというものがある。
つまり、大きければいいということではないのだ。
ロリ体型の娘が巨乳だったら変な違和感を感じてしまう。
同じく、お姉さん体型の娘が貧乳だったらこちらも違和感を感じ得ない。
……奥が深いな、胸というのは。
「お久しぶりですキルアさん」
「あら? お客さんかと思ったらシャルルちゃんじゃない」
俺が胸という名のロマンに身を馳せていたころ、シャルルは店員の人に声をかけていた。
「シャルル、知り合いなのか?」
「うん。昔、この店の店主のキルアさんとはいろいろあってね」
「何があったんだ?」
「まあ、いろいろだよ」
うーむ、はぐらかされてるなー。
気になる。
「シャルルちゃんが男の人を連れてくるなんて珍しいわね……彼氏さん?」
おっと店主さん、いいこと言うねー!
年齢と彼女いない歴が同じ俺にとっては、煽りでも嬉しいわー。
いや、彼女いたな……画面の中に。
「キルアさん全然違うよ! ユウはただのギルドメンバーだから! ただの変態だから!」
「おい、なぜ最後にただの変態という単語を付け加えた?」
「だって本当のことでしょ?」
「なんでだろう、目から汗垂れてきた……」
やっぱり覗きはよくないな。
その場で拷問を受けることはもちろん、あとあとの自分の人生の障害となって現れることがよくわかった。
出会ったばかりの人に――
「この人変態なんですよ」
なんて紹介されたらたまったもんじゃない。
まあ、実際そうやって紹介されたんだが。
「へぇ〜、変態ねえ」
マズイ、このままでは変態のレッテルを貼られてしまう。
早くなんとかしなければ、取り返しのつかないことになるぞ。
「あのー、間に受けないでいただけますか?」
「シャルルちゃんの後ろに隠れてるシェリーちゃん。この男の人は変態?」
「……変態」
おふぅ……
シェリーさん、マジで容赦ねえな。
目がガチで怖い。
「だ、そうよ? 何か反論はないの?」
いくら反論しても、シャルルとシェリーにかき消されてしまう。
これは終わったな。
俺は今日から変態として扱われるのだろう。
社会的な意味での人生終了のお知らせいただきましたー!
「泣いていいですかね?」
「いいわよ。へ、ん、た、い、くん」
この時、俺の瞳からは滝のような汗が垂れた。




