第30話 「助けて〇〇えもーん!」 エリア:貿易都市サウザン(中心部)
「シルフィーたちを信じよう」
「……そうだね」
「……ん」
様々な不安はあるものの、ここで立ち止まったりシルフィーたちの様子を見に行くわけにいかない。
俺たちはシルフィーたちを信じて、自分たちのバイト探しを遂行することにした。
「話は戻るが、どの店を訪ねる? 俺はこの街のガイドブックで見た程度でしか知らないからな。俺よりこの街に住んでる2人に決めてもらいたい」
「ちょっと待ってね……うーん、どこかいいお店あったかなー?」
「……んー」
「やっぱりパッとは出てこないよな」
突然バイトしたい店決めていいよー、なんて言われても簡単に答えられるはずがない。
それはわかっていた。
だったらーー
「それじゃあ、街中を歩いてて興味を惹かれた店を訪ねてみよう」
「僕はそれでいいと思うよ」
「……私も」
安全策、歩きながら良さそうな店見つけたら入ろう作戦!
この作戦は、リア充たちが友人と外出した際使うことが多い。
例えばーー
「昼ご飯どこで食べる?」
「私はどこでもいいよー」
「俺もー」
「それじゃあ歩きながらお店探そっか!」
「おっ、それいいねー! 良さそうな店があったら入ろう!」
「うん!」
……といった感じで使用している。
なんて有能なんだ!
友達どうしで出かけるとか……リア充爆発しろ!
「それじゃあ行こうか」
俺たちは店を探すべく歩き始めた。
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「マズイぞ……これはダメなパターンだ」
バイト先を探すこと約3時間、街の中心にある店を15軒ほど訪ねた。
だが、どの店もバイトはいらないと拒否。
どうやらこの街の店はすでに多くのバイトの人を雇っているらしく、俺たちにどの仕事がやりたいとか選んでいる余裕がないことを知らしめていた。
「助けてシャルえもーん! 仕事が見つからないよー!」
俺は現実逃避をするために、シャルえもんに助けを求めた。
未来の世界の人型ロボットは、きっと俺を助けてくれるはずだ。
「お、おい! そんなに服を引っ張らないでくれ!」
「シャルえもーん!」
「うるさーい! ユウ、少し黙ってて!」
くっ、このポンコツロボットめ!
こうなったら……
「助けてシェリーえもーん! 仕事が見つからないよー!」
今度はシェリーえもんに助けを請うことにした。
シェリーえもんだったら、きっと俺のことを助けてくれるはず!
「……殺されたいの?」
「すみません、マジですみません。今冷静になりました」
俺としたことがバイト先を見つけられない焦りからトチ狂ったことをしてしまった。
反省反省……次、同じことやったら本当に殺されそうだな。
「ねえユウ、今度はそこにあるお店訪ねてみない?」
精神状態が安定しない俺をそっちのけで、シャルルは正面にある古びた道具屋を指差してくる。
「ん? ああ、いいんじゃないか」
「シェリーもいい?」
「……うん」
「じゃあレッツゴーだ!」
なぜかテンションが上がりだしたシャルルを先頭に、俺たちは古びた道具屋の中へと入っていった。




