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剣さえあれば魔法なんていらない!  作者: 神桜
第1章 輝ける星々
31/43

第29話 「運命のバイト探し」 エリア:貿易都市サウザン(中心部)

 

「さて、それじゃあバイト探しを始めるか」


「うん……」


「……了解(ヤー)


 俺とシャルルとシェリーは街の中心部にある市場にやって来ていた。

 朝にもかかわらず、多くの人が露店や道具屋で商品を買いあさっている。

 やっぱり市場は昼夜問わず賑わうみたいだ。


「どこの店から見ていこうか……」


 周りにある店を見渡す。

 どこかしこも店だらけ。

 され、どうしようか……


「ねえねえ」


 俺がどの店を訪ねてみようか考えていると、シャルルに右袖を引っ張られた。


「どうした?」


「シルフィーたち大丈夫かな?」


 シャルルが不安そうな顔で俺を見つめてくる。


「うーむ、心配ではあるがマリアさんもいるし、多分大丈夫だろ」


「だといいんだけど……」


「もしかしてマリアさんもトラブルメーカーだったりする?」


「若干ね」


「マジかよ……めちゃくちゃ心配になってきたぞ……」


 なぜ、俺たちががこんな心配をしなければならないのか。

 話は朝、バイト探しに出る前まで遡るーー


 1


「ふわぁ〜、おはよう」


 朝、眠りから覚めた俺は身だしなみを整えたあと、ギルドに1階にある会議室にやって来ていた。



「遅いわよユウ!」


「いや、時間通りだろう」


「いい? 時間通りだろうっていうのは30分前に来ることを言うのよ?」


 何言ってんだコイツ……

 本当に頭の病気なんじゃ……


「あんた今変なこと考えてたでしょ?」


「考えてないです、はい」


 本当勘がいいな。

 さすがに怖くなってきた。


「嘘つき!」


「嘘じゃねえよ」


「うぬぬ……バーカバーカ!」


「バカはお前だ、バーカ!」


 また、無意味な言い争いが始まってしまった。

 お互い罵倒と罵倒をぶつけ合う。

 そしてーー


「もう、2人とも喧嘩なんてしないでよ」


 このまま喧嘩されたら長くなると悟ったシャルルが止めに入る。


『喧嘩なんかしてない!』


「う、うんそうかい。だったら早く始めようよ」


「そうですよー、早く始めちゃいましょうよー」


「時間もないしね〜」


「……同意」


 みんなさっさと話を終わらせてアルバイト探しに行きたいのだろう。

 しょうもない喧嘩見てて楽しいわけないもんな。


「……仕方ないわね」


 紆余曲折あったが、なんとか本題に移った。

 ことあるごとに喧嘩というのも面倒なものだ。


「こほん、私たちはこれからアルバイト探しに行くけど……二手に分かれて探そうと思うの」


「二手に分かれる?」


「ええ、街の西部、中心部に分かれて探すの。街は広いし、その方が効率いいでしょ?」


 確かに効率はいい。

 街にある無数の店を1つのチームで探すのはいくら時間があっても足りないからな。

 だがーー


「チームはどうやって分けるんだ?」


「もう決めてあるわ。Aチームは私、メイプル、マリア。Bチームはシャルル、シェリー……そしてユウよ」


「うむ、素晴らしいぐらいに適切なチーム分けだ」


 俺とシルフィーが同じチームになってしまったら喧嘩待ったなし。

 きっとバイト探しをする前に巨大なプライドという名の壁と向かい合うことになるだろう。


「みんなもこのチーム分けでいい?」


 シルフィーがギルドのみんなに尋ねると全員、コクリと頷く。


「それじゃあバイト探しに出発するしましょう!」


 こうして俺たちは、運命のバイト探しに出発した。


 後々、このチーム分けが素晴らしいぐらいに適切なものではなく、素晴らしいぐらいに不適切なものであったということを知ることになる。

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