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剣さえあれば魔法なんていらない!  作者: 神桜
第1章 輝ける星々
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第28話 「1日の終わり」 エリア:貿易都市サウザン(ギルド:輝ける星々)

 

「やっと寝れるのか……」


 俺は自室のベットの上にドタッと倒れ込んだ。


「なんとか許してもらえたけど、次はないな」


 次、俺が覗きをしたら今回の拷問じゃ済まないらしい。

 まあ、そもそも今回許してもらえたこと自体が奇跡に近いからなんとも言えないが。


 死の淵から蘇生した俺は、傷ついた躰でギルドのみんなにDOGEZAをして精一杯の謝罪をしたのだ。

 床に頭を何度も打ち付け、額から血が垂れるまでDOGEZAをしたらなんとか許していただけました。

 また意識を失いそうになったけど。


「ふわぁー、ふかふかのベッドで寝るのは久しぶりだな」


 大きなあくびをしながら、ベッドをポンポンと片手で叩く。


 うむ、やっぱりふかふかだ。

 外で天日干しにした甲斐があったぜ。


 自室の掃除を始めてすぐにベッドを庭へと運び出し、物干し竿に掛け、太陽の光を当てたのだ。

 ちなみにベッドを干している時、鞘付きの錆びた剣でパンパンと叩いた時に埃がドバッと飛び散ったときは本気で焦った。


「ふかふかのベッドで寝れるってのはものすごく幸せなことなんだな」


 しみじみそう思う。

 引きニートしていた頃の俺に言い聞かせてやりたいくらいだ。

 ……まあ、誰になんと言われようと引きニートをやめることはなかっただろうが。

 こうやって無理やり異世界に送られでもしないと、きっと俺は一生引きニートだっただろう。

 なんだろう、虚しくなってきた。


「引きニートだった頃のことはもう忘れよう」


 つい数日前までのことで、脳内のほとんどの記憶は引きニートしていたときのものだが忘れよう。

 どうせほとんどゲームの攻略情報とかだし。

 忘れられる、忘れられる。


 ……やべえ、どんどん思い出してきた。

 人間、このことは忘れようと思った時ほど忘れられない。

 なんとも面倒くさいメカニズムだ。


「……あー、明日はアルバイト探しかー」


 結局、俺は話を無理やり変えることにした。

 昔の記憶を忘れるよりも上書きする方が楽だしな。


「今までバイトなんてしたことないけど、なんとかなるといいな」


 そう、俺はバイトなんて一度もやったことがない。

 理由は言わなくてもわかるだろう。


「あんまり動いたりしない仕事がいいなー」


 店番とかレジ打ちみたいな仕事が俺にとってベストだ。

 動かなくて楽でいい。

 逆に、引越しとか商品の品出しは足腰を積極的に使うからやりたくはない。

 あーだこーだ言ってる場合じゃないことはわかっているが、できる限り楽な仕事を探そう。

 俺は心にそう誓った。


「さて、そろそろ寝るとするか。明日寝坊なんかしたら大変なことになりそうだし」


 もしも明日、寝坊なんかしたらシルフィーにぶちのめされるだろう。

 鉄拳制裁待ったなし、そんなことになるのはゴメンだ。

 毛布を頭からかぶり、俺は意識を闇へと落とした。


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